- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344421844
感想・レビュー・書評
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★4.0
娘・キクりんにとっては、太っていて不細工で声が大きい母親・肉子ちゃんが恥ずかしい。序盤は、そんな肉子ちゃんの男性遍歴と転居の理由に眉を顰めたものの、気付けば肉子ちゃんの大らかさとふくよかさに包み込まれていた。確かに、肉子ちゃんは非常識で少し馬鹿かもしれない。が、それを補って余りある長所がたくさんある。そして、サッサンを始めとする港町に暮らす人たちも、個性的で優しくて温かい。それにしても、小学生で「悪童日記」を読むキクりんが渋すぎる。肉子ちゃんとキクりんがいつまでも仲良く幸せでありますように。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかったです。
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ゆっくりと点と点が前になり、物語の輪郭と核が見えていく感じが味わい深かったです。
全ての登場人物に愛が溢れていて、幸せな気持ちになりました。 -
漁港で住み始めた肉子ちゃんと娘のキクりんの話。いつも全力で純粋無垢で全てにおいて大きい肉子ちゃんに会いたくなるし、キクりんも真っ直ぐで優しい子で親戚気分で良い子に育ったなという感想が芽生えた。この親娘がいて、町の人達も温かいこの漁港にも行きたくなる。
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良かったー!
肉子ちゃん素敵。キクりんも優しいね。
それぞれに人生があって、いろんな人間がいる。迷惑をかけられたりかけたり、恥をかいたりかかれたり。子どもも大人も関係なく、人間はきっと心からお互いを思いやれる、そんな思いがした。
ところどころのツッコミがクスッと笑えるのに、最後、涙が止まらなかった。読んで良かったと本当に思った。 -
私も肉子ちゃんの友達になりたい
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うまい。
読者を笑わせたり、ホロリとさせたり。共感させる文章力がすごい。
目に浮かぶキャラクターの造形、誰もが一度は感じたことのある痛み。そして家族ドラマ。
ついついのせられてしまう読書体験。 -
面白かったけど、学生向けの小説かな?
そっと勇気をくれるような作品。 -
これはこれは良い作品だったなあ。
ちょっと漫画チックな装丁とおかしなタイトル。
そして明石家さんまさんがプロデュースで映画になったと言う情報からコミカルな作品と思い込んでいた。
コミカルといえばコミカルだけれどそれだけではなかった。
大阪から流れてとある漁港に住み着いたバイタリティー溢れる肉子ちゃんと小5の娘キクりん。
その町でワイルドな肉子ちゃんと素朴な町の人達に混じって生活するうちに思春期に向かうキクりんの目が大人社会、子供社会、親子関係を鋭く観察する。
その観察を通して人間の生き方、あり方、考え方が小学生のキクりんに染み込んでいく。
メインのストーリーとは別に西さんの思想というか考え方が覗かれるとても良いフレーズがたくさん散りばめてあって、それらを拾い集める楽しさがあった。