漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.02
  • (969)
  • (1178)
  • (637)
  • (92)
  • (26)
本棚登録 : 10805
感想 : 1044
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421844

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ★4.0
    娘・キクりんにとっては、太っていて不細工で声が大きい母親・肉子ちゃんが恥ずかしい。序盤は、そんな肉子ちゃんの男性遍歴と転居の理由に眉を顰めたものの、気付けば肉子ちゃんの大らかさとふくよかさに包み込まれていた。確かに、肉子ちゃんは非常識で少し馬鹿かもしれない。が、それを補って余りある長所がたくさんある。そして、サッサンを始めとする港町に暮らす人たちも、個性的で優しくて温かい。それにしても、小学生で「悪童日記」を読むキクりんが渋すぎる。肉子ちゃんとキクりんがいつまでも仲良く幸せでありますように。

  • 読み終わってみれば…なんて純粋な人間を描いた本だろうと思う。
    肉子ちゃんみたい出来ないけど…物凄く理解できる。
    後半、運動会やキクりんの話は複雑なものがあるが肉子ちゃんの裏表のない素直な感情に笑いあり感動あり!この本は、人としてを思い返せる素晴らしい本!!いつの間にか肉子ファン。著者の西さんに感服。読み終われば印象深い本になった。

  • おもしろかったです。

  • ゆっくりと点と点が前になり、物語の輪郭と核が見えていく感じが味わい深かったです。
    全ての登場人物に愛が溢れていて、幸せな気持ちになりました。

  • 漁港で住み始めた肉子ちゃんと娘のキクりんの話。いつも全力で純粋無垢で全てにおいて大きい肉子ちゃんに会いたくなるし、キクりんも真っ直ぐで優しい子で親戚気分で良い子に育ったなという感想が芽生えた。この親娘がいて、町の人達も温かいこの漁港にも行きたくなる。

  • 良かったー!
    肉子ちゃん素敵。キクりんも優しいね。
    それぞれに人生があって、いろんな人間がいる。迷惑をかけられたりかけたり、恥をかいたりかかれたり。子どもも大人も関係なく、人間はきっと心からお互いを思いやれる、そんな思いがした。
    ところどころのツッコミがクスッと笑えるのに、最後、涙が止まらなかった。読んで良かったと本当に思った。

  • 私も肉子ちゃんの友達になりたい

  • うまい。
    読者を笑わせたり、ホロリとさせたり。共感させる文章力がすごい。
    目に浮かぶキャラクターの造形、誰もが一度は感じたことのある痛み。そして家族ドラマ。
    ついついのせられてしまう読書体験。

  • 面白かったけど、学生向けの小説かな?
    そっと勇気をくれるような作品。

  • これはこれは良い作品だったなあ。
    ちょっと漫画チックな装丁とおかしなタイトル。
    そして明石家さんまさんがプロデュースで映画になったと言う情報からコミカルな作品と思い込んでいた。
    コミカルといえばコミカルだけれどそれだけではなかった。

    大阪から流れてとある漁港に住み着いたバイタリティー溢れる肉子ちゃんと小5の娘キクりん。
    その町でワイルドな肉子ちゃんと素朴な町の人達に混じって生活するうちに思春期に向かうキクりんの目が大人社会、子供社会、親子関係を鋭く観察する。
    その観察を通して人間の生き方、あり方、考え方が小学生のキクりんに染み込んでいく。

    メインのストーリーとは別に西さんの思想というか考え方が覗かれるとても良いフレーズがたくさん散りばめてあって、それらを拾い集める楽しさがあった。

全1044件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

西加奈子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×