旅の窓 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424630

感想・レビュー・書評

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  • 世界を旅して、生死に関わる体験をしたり、眼球が震える位の景色を見た人が語るとき、言葉は追いつかないことが多い。
    ただその遠い彼方を見つめるような表情だったり、「この人が語るならそれは素晴らしい経験だったに違いない」というような相手との関係性によって補われる部分が大きい気がする。
    写真は本来、そういう補填する力を持っているから、言葉を加えると途端にその枠組みが小さく限定されて、構図さえも説明的に思えてしまうから、終始違和感を覚えた。
    試しに写真だけパラパラめくって見ると全く紙から立ち上がってくる空気が違う様に思えた。そんな風に文章と別々で読む楽しみもあるのかな。

  • 「沢木耕太郎」のフォト&エッセイ集『旅の窓』を読みました。
    「沢木耕太郎」の作品は、『ポーカー・フェース』以来なので3年半振りくらいですね。

    -----story-------------
    「旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある」。
    マラケシュのホテルで見た「待つ女」、ローマで旅愁を覚えた終着駅、カトマンズで胸をしめつけられた裸電球――。
    旅先で撮った八十一枚の写真から、人生の機微を描いた物語が立ち上がる。
    「沢木耕太郎」「もうひとつの旅の本」。
    -----------------------

    VISAカード会員向け月刊誌『VISA』に連載された『feel感じる写真館』という見開き2ページのフォト&エッセイ(コラム?)81篇を収録して、2013年(平成25年)に単行本化され、その後、文庫化された作品です。

    「沢木耕太郎」が『まえがき』で、

    「私たちは、旅の途中で、さまざまな窓からさまざまな風景を眼にする。
     それは飛行機の窓からであったり、汽車の窓からであったり、バスの窓からであったり、
     ホテルの窓からであったりするが、間違いなくその向こうにはひとつの風景が広がっている。
     しかし、旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、
     不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある。
     そのとき、私たちは「旅の窓」に出会うことになるのだ。
     その風景の向こうに自分の心の奥を覗かせてくれる「旅の窓」に。」

    と記していますが… なかなか同じような写真って撮れないですよねー

    旅先で、何気なく視界には入っているけど、見過ごしている風景や人々を、きちんと見ているだなぁ… と感心しましたね、、、

    そうじゃなきゃ、旅先での一瞬の出会いを、こんなに巧く写すことなんてできないですよね。

    写真が巧い人って、人や物を観察する力… センスなのかな、それが凡人とは圧倒的に違うんだなと感じましたね。

    写真の雰囲気がとても良かったのですが… 文庫本サイズじゃ物足りなかったなー 雑誌サイズで観たかったです。

    そして、旅に出たくなる一冊でした… コロナ禍での窮屈な生活が続いていますからね、ホントに旅に出たくなったなー

  • 素人のものでも、たまに気になる写真が。どんな写真にも物語が。

  • 期待して読んだが、すっかり肩透かしを食った。正直言って彼に短編は無理だろう。二流の書き手に堕している。

著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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