ギフテッド (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 397
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425187

感想・レビュー・書評

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  • 長編だがなかなか読ませてくれる。面白いというより先が気になって止まらなかった。SFだが、要は人種差別を題材にした物語。力を持った者と力を持たない者の差を上手く描いている。しかしながら私達の生活にも言える問題でして…先輩や後輩.上司や部下、年上や年下…難しいが…私の信念はいつも変わらないと確認出来た物語でした。中間管理職には良い物語なのでは笑

  • ストーリーはSFチックなのだが、人間同士の差別というテーマに重きを置いた小説のようだ。『ギフテッド』の正体も曖昧で現実味が感じられず、山田宗樹ほどの腕のある作家なら、何もSFチックなストーリーに仕立てなくとも良かったのではと思う。最新作の『代体』もSFチックなストーリーであったが、こちらの方はまだ現実味があった。

    世界中で人間の体内から見付かった未知の臓器『ギフテッド』を巡り、人間同士の差別が始まるが…

  • 未知の臓器を持ち、特殊能力を持った人間が発見されギフテッドと呼ばれる、、そんな設定が面白く一気に読めました。人類の歴史や世界の歴史に名を連ねる人物はもしかしてそんな力を持っていたんじゃないか、歴史が変わる時、これに似たようなことがあったんじゃないかと思ってしまうような内容でした。自分の想像力ではラストはよく飲み込めなくスッキリできなかったので☆3でσ(^_^;)

  • 近未来SF作品。
    ギフテッド、非ギフテッドの対立軸を中心としたお話でありますが、リアルな社会に通じる部分も多く、非常に考えさせられる作品でした。

    人は自らが属するもの以外のものに対して、非寛容になる。まして、それが自分の想像力の範疇を超えるものの場合、嫌悪、憎悪、恐怖、排除等の負の感情を増幅させてしまう。
    これはリアル社会にも頻繁に見られる事象で、その垣根はますます高くなってきているように感じます。

    国会議員達が登場する部分、少ぺージだけど、これもリアルな社会の国会議員と通ずるダメさ加減が上手く表現されてました。

  • 生まれながらに人とは異なる謎の器官をもつ「ギフテッド」
    国による一斉検査である一部の人間だけがその器官を持つが、その能力は明らかになっていない。ただ、人類の希望と考えられ、神から与えられたギフトを持つ者として特別な生活を約束される。
    数年後ギフテッド制度は廃止されるが、ギフテッドによる大量虐殺事件が発生する。
    その事件を皮切りにギフテッドたちの運命が思いもよらぬ方向に動き出す。

    現実社会でも、ある一部の能力だけが著しい子供に対し「ギフテッド」という言い方をするが、その代わりに彼らは何らかの欠落を抱えている。この物語では超能力的な人知を超えた能力を所有する者たちを「ギフテッド」と呼び、その能力を軍事力として利用する、または全人類に転用するといった構想が練られる。著者の「百年法」でも感じたが、現実が少し行き過ぎればこのような未来が待っているかもしれないと思わせる怖さがを感じてしまう。強大な力は善人さえも悪人へと変えてしまうということなのだろうか。

  • 超能力というSF的要素だけど、人物の設定や政治、集団心理とか細かく描かれているのでイメージしやすく入り込みやすかった。

    けど、正直、個人的には百年法の方が断然おもしろかった。

  • 持て余すなぁ。きっと。

  • ★3.5
    山田宗樹さん!やっぱり面白いよね!
    時代の変遷の中に、登場人物の感情をうまく載せるのよ。上手いのよ。
    ラストの違う惑星に瞬間移動した!?はちょっと萎えたけど、でも新しい未来が待ってるって思ったらいい事なのかな。

  • なかなかの分厚い一冊でしたが。もう、とにかく後半までは一気読みでした。

    今。コロナで未曾有の危機に瀕している。っていう点で、また違った危機に瀕する日本。
    なんとなく、きっといろんなところでこんなやり取りが起きてるんじゃないかな。と。思った。

    この時期に読むからこそ、なんだか興味深い一冊だったように感じます。

    もちろん、コロナより危機ではあるんだけども。

    どうやって解決していくんだろう。

    と、夢中になってしまうもう一つの日本の姿でした。東京タワーをスプーンのように曲げる力。

    面白い。リアルなファンタジーなのか。むしろこのコロナ化で比喩的にリアルなのかも。とも思いました!!!!

  • 期待してたほどではなかった。。。

著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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