家康〈三〉 長篠の戦い (幻冬舎時代小説文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.76
  • (3)
  • (16)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 142
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344430211

作品紹介・あらすじ

三方ヶ原での大敗は、三十一歳の家康を強くした。討ち死にした家臣のため、戦国の世を生き抜く決意をした矢先、信玄死去の情報が舞い込む。決戦の場を長篠に定め、周到な計画の下、宿敵武田を誘い込み――。一方、ポルトガル・スペインの脅威から日本を守るために天下布武を急ぐ信長は、家康にお市の方との縁談を持ちかける。戦国大河第三弾!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 家康の人生、三巻の一冊。

    敗戦からリニューアルした家康の元に武田信玄死去の報せ。

    家康にとっての悩み事が一つ減った。
    は、いいけれどまたまた大きな転機の戦、長篠の戦いへ。

    この戦いの経緯が実に細かく描かれていて前巻以上に読み応えがあった。

    信長の発言はどれもが計算尽くし。

    その思惑を読み取って対応する家康は本当に気疲れの毎日だっただろうな。

    戦場跡での惨状を目にして後悔に苛み、犠牲になった命を想うシーンも胸を打つ。

    心の傷を追ったお市の方の描かれ方にもしんみり。

    グローバルやり手の信長には感心だけれどこの冷徹さがマジ嫌い。

  • 信長の世界観、その非情さに苦しくなるこの巻。長篠の戦いが目の前にパノラマのように広がり息おもつけない。こんな時代に生まれなくて良かったなんて気弱な私は思ってしまう。厭離穢土、欣求浄土、家康の信念が救い。

  • この時代、各勢力間の調略などの外交戦は凄まじいばかり。
    家康に信長、武田、上杉、今川さらに足利義昭と、目まぐるしいほどの離合集散が繰り広げられる。
    徳川と今川の「両川自滅の策」を巡らした信玄の裏を掻いた家康への恨みが、三方ヶ原の戦いの原因になったらしい。
    この当時、鉛は貴重で高価だったから、戦いの後、鉄砲で討ち取られた遺体から、鉛玉を取り出したとの記述がある。
    人や馬の遺体を切り裂き、真珠でも取り出すかのように回収したとか。
    そんな時代の現実ゆえ、家康は「厭離穢土、欣求浄土」の旗を掲げていたのだろう。

  • さらに4巻に続く

  • 2021/6/22 AmazonよりPrime Day Kindle 本セールにて403円でDL購入。

  • 第3巻は武田勝頼との戦い「長篠の戦い」が中心となる。信長目線で描かれることの多い長篠の戦いが家康目線で描かれていて面白い。

  • 物語のメインは「長篠の戦い」。
    この3巻は、戦国時代ならではの策略・調略・裏切りがより臨場感たっぷりに描かれていた。それもあってか2巻よりページの進みが早かった。
    信長恐いなぁ~としみじみ。その信長に翻弄され右往左往する家康、頑張れ!と応援したくなる。
    4巻も楽しみ。

  • 長篠の合戦の凄惨さがとても印象に残った。また信長の世界情勢の捉え方も新鮮だった。本当にここまで把握していたのだろうか?

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安部龍太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×