あたしたちよくやってる (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344431195

作品紹介・あらすじ

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感想・レビュー・書評

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  • ショートストーリー、エッセイ、スケッチの組み合わせで女性の機微を描き出す、実験的な一冊。あとがきによると、「発売期間が終わればあっけなく店頭から消える、儚い紙メディアの片隅にひっそり載っていたものを、編集者さんが落ち穂拾いのごとく熱心に集めて、編んでくれました」。著者と編集者の素敵な共同作業だったようだ。最後のショートストーリーがすごく前向きになれる内容だったので読後感もすっきり。

    いくつか個別に感想:
    「しずかちゃんの秘密の女ともだち」
    アメリカ在住の知人の話を聞いたときに「日本の女性の立場は「しずかちゃん」に代表されると私は思っていて、それが嫌でアメリカへの移住を決めた」と言っており、びっくりしたことを思い出した。ドラえもんは小さいときから好きでよく観ていて、確かに「一体全体しずかちゃんはどうしてのび太と結婚するのか?」と思っていたし、お風呂覗きのシーンは何が面白いのか分からなくて無心で観てたけど、それが日本を離れるという決意を促すほどの強烈な印象は受けず、のほほんと見てしまっていた。しずかちゃんの在り方も、やっと国内でも問題提起されるようになるのかな。

    「ニキ・ド・サルファルのナナ」
    引用:でっぷりしたお尻が特徴の女性像『ナナ』が、「イヤッホー」と言わんばかりに踊ったり走ったり逆立ちしたりしている姿は、女性の解放そのものなんだということに、やっと気づいた。

    知らなかったけど、調べてみたら可愛くてワクワクした!渡辺直美さんとのコラボも可愛い!
    https://www.pen-online.jp/amphtml/article/000554.html
    http://news.yoshimoto.co.jp/news2015/2015/10/entry61200.php

    そのほか好きだったのは、「自分をひたすら楽しむの」、「一九八九年から来た女」、「きみは家のことなんかなにもしなくていいよ」。

  • 山内マリコはあらゆる女の子をやさしく受け止めてくれる|あたしたちよくやってる|笠井康平/山内マリコ - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/article/19165/

    毎日が精一杯な女たちに贈る、山内マリコの新作。|特集|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)
    https://madamefigaro.jp/culture/feature/190710-livre-01.html

    山内マリコと考える自己肯定感の高め方。あたしたちよくやってる - She is [シーイズ]
    https://sheishere.jp/interview/201904-marikoyamauchi2/

    あたしたちよくやってる。小説家・山内マリコが“若さという檻”に閉じ込められている20代女性へ送るメッセージ - Woman type[ウーマンタイプ]|女の転職type
    https://woman-type.jp/wt/feature/14138/

    山内マリコ 第1回「アイディアの泉を枯らさないために」: BACK NUMBER | SOUQ ZINE スークジン
    https://www.souq-site.com/shop/g/gMyamauchi01/

    山内マリコ『あたしたちよくやってる』 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/store/ebook/detail/10877

  • 様々な媒体に発表したエッセイや短編をまとめた一冊。通勤電車の空き時間など、ちょっとした隙間時間に読もうと思って買ったのだが、軽やかな語り口で絶妙に急所を刺してくる!短いながらもはっとした気付きに溢れ、かといってもたれるほど重苦しくもなく、過去も近未来も描かれて、楽しみながら涙かちょっとこぼれそうになった。
    エッセイと小説が交互に現れるのも斬新だったな。ご本人はあとがきで「雑多な体裁の文章の集成」と仰ってるものの、言うほどの雑多感はなく、全体を貫く山内さんのポリシーをひしひしと感じた。
    短編はどれも面白かったな~!「もう二十代ではないことについて」は他のアンソロジーで既読の作品なのだけど、これが大好きで何度も読み返してしまう。レトロな新居の描写がお気に入りだ。「しずかちゃんの秘密の女ともだち」二次創作ながら、昨今のジェンダー問題をうまく取り入れた傑作!痛快なのに泣ける。
    バラエティに富んだ味が楽しめる山内さんのアソートは、慌ただしく日々を過ごし、心が擦りきれた自分にとってご褒美のような一冊となった。あらゆる世代の女性達の背中を、そっと押してくれる優しさが胸に沁みる。読み終わるとタイトル通り「あたしたちよくやってる」と思えます。

  • またいつか読み返したくなるような気がする。そんな気がする。

  • 超すきだった!本当にわたしたちよくやってる
    きっとまた読み直すんだろうな〜ておもった

  • あー分かる、分かる、分かるけどほんとはこんなこと分かりたくない、とか思いながら読んだ

  • 自分らしくあろうとすると、なにかと闘うことになる。そんな中でも自分の好きに正直でありたいと強く思った。

  • どうしようもない日々をそれでも生きてゆかなくちゃ、出来うるならば、楽しみながら。
    きらきらしたご褒美をみずから目先に置いて、うっかり絶望しそうな「あす」を希望に変える術を身につけている。おしゃれも、娯楽も、きっとそう。
    あたしたち、ほんとうによくやってる。

  • 誰にも邪魔されず自分と向き合う、「穏やかな孤独」がすきだ、というところがよかった。自分がいいと思っている感覚をこれ以上ないくらいぴったり言語化してくれて常常気持ちがいいなあと、山内マリコさんの本を読むたびに、思う。「あのこは貴族」がそうだけれど、女性同士を敵対させることなどでぱっと見でおもしろくするのではなく、かといって、そうそうそう!わかる!という安易な共感をさそうようでもなく、女性とはただそうである、みたいに描いている。ところがすき。

  • 短編、ショートショート、エッセイがまるでスクラップブックのようにちりばめられていてあっという間に読了。
    作者と同世代だったらより楽しめたかも?
    だけどそれがなくても十分楽しめる一冊。有名な映画などに知見があるともっと楽しいかも。
    2023.02.19

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著者プロフィール

山内マリコ(やまうち・まりこ):1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。主な著書に、『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ小説ユーミン』などがある。『買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて』『山内マリコの美術館はひとりで行く派展』『The Young Women’s Handbook~女の子、どう生きる?~』など、エッセイも多く執筆。

「2024年 『結婚とわたし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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