コンサバター 失われた安土桃山の秘宝 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344431775

作品紹介・あらすじ

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感想・レビュー・書評

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  • コンサバターシリーズの3冊目ですね。
    今回は日本の作品、狩野永徳の失われた作品「四季花鳥図」の復元を巡る歴史ミステリーとスギモトの家族に関わる謎の物語。晴香の過去も明らかになってくる。
    流石に一色さんは美術畑だけにものすごく知識欲を掻き立てられました。修復のメカニズムにも微に入り細にわたりため息が出るくらいですね。
    キャラクターがかなりのリアクションをするようになり、物語が生き生きしてきましたね。
    永徳と光信父子と京都狩野の山楽の歴史背景はとにかく面白くて興奮しました。
    スギモトと晴香の恋愛の方はどうなるのか、期待が高まってところで予期せぬラストに唖然です。
    次回作まで引っ張るとは一色さん、なかなかやりますね。

  • 小説誌で読んだ一色さゆりさんの短編が面白かったので他の作品も読みたいと思い、まずこれを読んでみました。これはシリーズの第3作なので読む順番を間違えた感はあるけど、単独の作品としても充分楽しめました。

    日本史好きとしては狩野永徳・光信親子の話だけで充分一作品になるくらい面白かったし、最後の審査のところもドキドキした。

    ジャンルはなんであれ芸術に関するものは心を豊かにしてくれるから好きです。

  • とても読みやすく、美術のことがまったくわからない私はいろいろと検索しながら読み、それがまた楽しかった。

  • コンサバターシリーズ第3弾は、安土桃山時代の狩野永徳の落款が記された屏風絵の修復にまつわる物語。

    永徳の屏風絵「四季花鳥図」の復元を賭けて3組のチームによるコンペが行われることになる。完全に失われた春の部分を復元するため、日本に飛ぶスギモトと晴香。
    何が描かれていたのかすらわからないものを修復(すでに創作に近い)するための調査。以前の持ち主を辿り、画に関する記録を探し求めるという気の遠くなるような作業。修復士ってこんなことまでするのかと驚きの連続。
    そんな時、恩師から日本に帰って自分の工房で働いてくれないかと誘われ迷う晴香。引き止めて欲しいのにつれないスギモト。すれ違う2人の心。
    そしてコンペ当日、最後に晴香が選んだ道は‥‥

    コンペの勝敗の行方よりも2人の行末が気になった後半、晴香が鍵師の律子から伝え聞いたスギモトの言葉「恋愛なんかじゃ終わらせたくない」に胸キュンでした。
    助手からパートナーに昇格し、さあこれから!という時に置き手紙。スギモトめ〜。すでに第4弾が待ち遠しい。

  • シリーズ3作目
    今回は馴染みのある日本の作品の修復。
    まったく手がかりが無いように見えるところから、見事に屏風を復元していく様はとても面白かった。

    作中小説の狩野山楽の伝記も、これだけでひとつの物語として読ませてくれて、復元された屏風の背景がより重層的に感じられてとてもいい。

    幾組もの父と息子、兄と弟の物語。

    いままでちょっと得体のしれない人物だった父桂二郎の人となりがわかってきて、ケントとの関係も変わってくるかな。

    ヘルの義手がこんなに多才だとは思わなかった。
    だんだん人あたりも柔らかくてなってきた気がする。

    ラストにはびっくりしたが、これはケントが晴香をパートナーと認めたからこその行動だと思う。助手ならば指示がないと動けないが、自分がいなくても大丈夫だとの信頼があったからだと信じたい。
    どちらにしても次が楽しみ。

  • コンサバターシリーズ#3。狩野永徳の屏風修復にまつわる長編。今回は裏組織的な危険はなし。マクシミランも登場せず。そのかわり義手のヘルがいい味だしている。
    狩野永徳、光信、山楽。このあたりはノンフィクション読んでみたくなった。

  • 前作よりも更に読み応えあり。
    親と子、師匠と弟子、兄と弟のつながりが物語を大きく動かしていく。狩野家の襖絵や安土桃山時代の芸術に触れることが出来る。群雄割拠でそれぞれの大名が権力を誇示し合う、豪華絢爛な時代で生き抜いた画家たちの気持ちに想いを馳せるような作品。スギモトの父、ヘル、様々な個性あるコンサバターたちも登場し、より面白くなっている。
    スギモトと晴香のつながりも深まっていき、キュンとする場面も。
    次回作へ期待を膨らませるエンドだったので、次も楽しみたい。

  • 続きが楽しみ。ヘルの腕の謎もまだだし。

  • 日本の狩野派の美術品の修復にまつわるお話。ケントと晴香のコンビにヘルも加わってケントの家族の過去も明らかになっていく。

  • 狩野永徳、狩野山楽と狩野光信、父と息子、兄と弟が織りなす、安土桃山の秘宝の屏風の隠された物語。

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著者プロフィール

1988年、京都府生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒。香港中文大学大学院修了。2015年、『神の値段』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して作家デビューを果たす。主な著書に『ピカソになれない私たち』、『コンサバター 大英博物館の天才修復士』からつづく「コンサバター」シリーズ、『飛石を渡れば』など。近著に『カンヴァスの恋人たち』がある。

「2023年 『光をえがく人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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