ヒマワリのコトバ-チュウイ (幻冬舎ルチル文庫 さ 2-20)

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  • 幻冬舎コミックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344816350

感想・レビュー・書評

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  • 信号機シリーズ3作目。
    伊勢さん好きそうだと思ってたんですけど、そうでもなかった…?

  • 信号機シリーズ3 
    ・初出 ヒマワリのコトバ-チュウイ-…書き下ろし 

    弁護士×飲食店経営者 

    昭生の過去を中心に現在まで拗れた伊勢との恋愛話。
    若い時分に付き合っていたが想いが上手く伝わらなくて分かれてしまい、再会して…っていう話は多いと思うけど、10年も拗れてるのに別れないって伊勢の忍耐強さにビックリ。
    昭生の行動にもなぁ…判らなくはないけど、浮気は絶対しないって仕返しに浮気するって。伊勢が傷つくって思ってなきゃ仕返しにならないと思うんだけど…。
    あとはココの家族関係の複雑さは前作「オレンジのココロ」でも書かれてたけど…物心つくかつかないかの子供なら受け入れやすくても思春期の子供に理解しろって言う方が難しいだろ…まあ、大人って言っても当時のオトナが現在の昭生より若いことを思えば無理ない部分もあるんだろうが。
    どちらももう少し昭生がまわりに相談できる人物がいれば全然話は変わってるんだから、昭生の性格というかコミュニケーション不全が一番の原因なんかなあ。
    んー、でも…やっぱり一番といえばひかりか。理解し難い夫婦でさえなければ昭生はこんなに悩まなかっただろうからねぇ。それこそ安らぎを与えるのは女性で無いといけないのか?気の置けない友人を作って、じゃあダメだったわけ?
    病気や周りの環境から精神的な成長が早いというのはアリだとおもうけど、病院からほとんど出ることのないひかりがあそこまで達観というか超然としているのはどうかと思うし…そうならもっと早く昭生を導いてやってたらよかったのにと…。
    主人公が精神的に泣かされる話好きだしね~、問題なければ物語にならないんだけどね(苦笑)

  • 『アオゾラのキモチ-ススメ-』
    『オレンジのココロ-トマレ-』
    ⇒『ヒマワリのコトバ-チュウイ-』
    『プリズムのヒトミ-ヤスメ-』 ※既刊3冊のその後的オムニバス
    『ミントのクチビル-ハシレ-』
    『リナリアのナミダ-マワレ-』
    『ナゲキのカナリヤ-ウタエ-』

  • あまりに重くて読むのがしんどかった。昭生は愛されることを渇望し、でも愛されることに臆病で、大人になりきれないまま年を重ねてしまったのかなと思います。全ての元凶がひかりにあるような気はするけど、『オレンジ~』だかにあったひかりの言葉「長引きすぎた…」が思い出されました。彼女自身、長く生きられると予想してなかったがゆえのワガママでみんなを振り回したと自覚しているのでは。そう思えば誰も悪くない。すれ違いはあったけど、それでも昭生の側を離れなかった伊勢を褒めてやりたいです。そして、みんな幸せになって欲しい。

  • 信号機シリーズ第三弾。第二弾の相馬の叔父・昭生と高校のときからの同級生・伊勢の長きに渡る話。
    昭生の姉・ひかりは身体が弱いのを押して結婚。ほとんど病床にあったので甥・朗と家の事は昭生が頑張ってやってきているという自負があり友人も必要なかった。が、伊勢はそんな中初めて心許せる友人だった。伊勢から告白されて引きずられるように身体をつなげたが何か違和感が残り、伊勢は伊勢でその違和感を「好かれてないかも」と悩み、二人の中は少しずつずれていってしまう。そして、伊勢に浮気されしかも同じ日に抱かれたと知った昭生は伊勢を全てで拒否。しかし別れないという伊勢とたまに寝るだけの関係のまま10年。史鶴の過去の男・喜屋武との因縁、相馬の両親(昭生の姉夫婦)の夫婦の形など、前2作でちりばめてあった布石の集大成。

    はっきりいって、重い。崎谷先生にありがちな過去物なんだけど、よくぞここまで重い気持ちを主人公に抱かせるかな。
    その心の重さがぎっちり書かれて読み終わって疲れました。

    テーマは「一度の過ちを赦せるか」だと思います。伊勢は根気強くかたくなな昭生の心を待ち続けるのですが、限界も出てくると思う。最後、素直になって心を打ち明けた昭生とのHシーンは量的には少ないけどエロかったです。そして、ここでも甘々な攻め。
    このシリーズの攻めたちはみんなワンコらしい。

  • 信号機シリーズ3
    伊勢さん、ビターショコラの義一さん並の寛容さ。いくら原因が自分にあったとしても、時効でしょ。
    昭生さんの朗に対する愛情もビターショコラの玲二に通じるところありますよね。
    そう思うと、ビターショコラが原型なのかも。
    切ない部分はビターショコラ以上。胸を掴まれます。

  • これ、評価を高くされる方がいる理由もわかる。内容が悪いわけじゃない。
    主人公カップルの、紆余曲折やら痛みやらを経てのラスト、これも
    バカだなあ、でもこういうバカって、大人になるまでに、大なり小なり
    あるかもなあ。両方にそれぞれ、ダメなとこと愛しいところがある。

    でも、この作品をどうしても「好き。良かった」と素直に言えないのは

    受けからは「天使だ」と評される、病床の姉がどうしても好きになれない。
    2回でっかい説教がある。後の方は、いつまでもぐるぐるグズグズの弟の
    背中を押してるから、弟思いの姉だと感じられる。問題は最初の方。

    いくら、ずっと病魔と一人で戦ってる弟が大事に愛してやまない存在で
    普通とはちょっと違う超越した思考を持つ人間だからとはいえ
    思春期の、しかも頑張って家のことや甥っ子の世話をしてきた彼に対し
    いくら夫婦同士が納得していたとしても、あれを受け入れてやれって
    言い聞かせるのってどうなの?まずその前に言ってやることない?
    がんばったよね、びっくりさせたかも、傷つけたかもだけどごめんね、だろ?

    どうしてあそこで、彼だけが叱られなければならなかったのか。

    その夫(義兄)だって、あのタイミングで彼女を家に入れようとするって
    義弟・受けがどれだけショックを受けるか、想像もしてないの?

    とにかくこの夫婦の、あの頃の受けに対しての態度や言葉が、どうしても
    好きになれないし、荒れた後、諦めに似た自分の中の決着をつけて
    彼らに謝った受けがかわいそうでならなかった。

    姉と義兄と彼女の関係は、別に不快ではなかった。当人同士の問題だしね。
    健気に頑張ってる子が、その頑張ってた時に報われないどころか
    傷ついてしまうことで、★2つ減らしました。

    悪い話じゃないです。
    むしろこれだけ色んな感情を読者にさせたのは、作品に力がある証拠だと思う。

  • ★3
    読了日:? 出版日:04/2009

  • いろいろぐるぐる考えて上手く動けなくて泥沼に嵌っていく不器用な大人たち。

  • 大人同士、10年間のオツキアイがポイントなのではないかと。
    男女の恋愛関係でもありそーだなー、と二人のすれ違いを読んでいて思いました。
    色々と痛かったです(笑)
    崎谷先生作品を色々読んでますが、ちょっと雰囲気が違うなあと感じます。
    今まで読んでいて痛いなんて思ったことなかったんですけどね。
    好き嫌いが凄く分かれそうな作品。
    私は好きです。

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著者プロフィール

小説家。3月16日生まれ、九州出身。
1998年、『楽園の雫』でデビュー。
ブルーサウンドシリーズ」や「白鷺シリーズ」「グリーン・レヴェリーシリーズ」など、多くのシリーズ作品を生み出したほか、漫画原案なども手掛ける。代表作として『トオチカ』など。

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