千冬は、貧しい村で母親と二人きりで生活をしていた。
母親の元へ男が訪れ、その間、千冬は寒くても部屋に入れず、幼い千冬は意味も分からないまま、母が何事かをしているのが終わるのをじっと待っていた。
そんなある日、母親が殺され、家に火が放たれ、千冬は家も母も何もかもを失ってしまう。その時初めて、千冬は村の人の言葉から、母が何をしていたのか、また、千冬と母親がこんな生活を送るようになったのは元々母が下働きをしていた華族の屋敷から子どもを身ごもったことが原因で追い出されたからであること知る。
そして、追い討ちをかけるように、母が背負っていた借金の代わりに、千冬は売られてしまう。
そのまま船に乗せられ、花街に売られてしまった千冬だが、そこで更に、自分たちが生活していた村が、華族の別荘地を造るために廃村にされてしまったのだ、ということを知らされる。
絶望した千冬は、辱めを受けそうになったところを、北国の冷たい冬の海に身を投げる。
ところが、奇跡的に浜辺に流れ着き、玖珂伯爵家当主・玲人に助けられる。
ショックで声の出なくなった千冬に、癒えるまで屋敷に滞在していいと優しく声をかける玲人だが、千冬はすっかり華族が嫌いになってしまっていて……という話でした。
千冬は、玲人が「華族である」という理由から、なかなか玲人に心を開けずにいたけれど、玲人にも玲人の重い過去が有り、そのことを知った千尋は次第に、玲人に心を許すようになって……
まぁ、多分、いわゆるシンデレラストーリーですね。
実は二人には過去に接点があって。
そのことに先に千冬が気がついて。
玲人を喜ばせようとするためにやったことから逆にトラブルに巻き込まれて。
それを玲人に誤解されて、無理やり玲人にやられてしまう。
そこに花街からの追っ手が差し向けられて。
千冬は玲人に迷惑をかけたくない一心で、その男たちと一緒に帰ってしまうう。
そんな千冬を玲人が更に追いかけて、ハッピーエンド。
基本的に、玲人はものすごく誰にでも優しいんですが、する時だけ別人のように意地悪なのが大分萌えます。
なんというか空気ほのぼのやるとき意地悪攻めってとってもいいですよね!