発熱バスルーム (バーズコミックス ルチルコレクション)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
3.72
  • (5)
  • (6)
  • (5)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 61
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344847576

作品紹介・あらすじ

ブラック企業に勤める夕日坂見晴(ゆうひざかみはる)はある日、自宅アパートのドア前に小型カメラが仕込まれているのに気づく。心当たりもなく気に留めずにいたが、やがて会社は倒産、見晴は再就職のあてもなく絶望するしかなかった。そして気づいたときには見知らぬ浴室に監禁されていた。狂気じみた愛情を注いでくる監禁犯「マナト君」は過去に見晴と会ったことがあるというが!? 15平米足らずの古びたバスルームで繰り広げられる濃密な愛憎劇

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 古いバスルームで繰り広げられる監禁愛憎ストーリー。
    読み終わった後、胸がいっぱいになりました。

    これ以上ありえないくらい薄幸な人生を送っている主人公の見晴。早くに両親を亡くし、就職した会社が倒産して再就職したブラック企業もつぶれ、挙句の果てに狂気を秘めた怪しい男に監禁レイプされてしまう…という絶望のどん底の辛さを味わい尽くす上に、さらに不運が襲い掛かります。
    そして、監禁男の「マナト君」が超コワい。どうしてバスタブに監禁!?ずっと長い間見晴を盗聴盗撮していて、レイプしている間中かわいいかわいいと囁き続け、唯一の宝物だと言ってお世話しまくるHENTAIストーカー!
    最初の方では、真意が全くわからないHENTAIにしか見えなかったので、薄気味の悪いヤツ…という印象でした。

    でも、話が進むにつれて、見晴の悲しい過去とそれ以上に悲しいマナトの過去が明かされていき、同じ悲劇からそれぞれに経験した孤独と不幸にはげしく胸が絞めつけられました。…辛い。

    父親の罪を償おうとしたマナト親子の気持ちを拒絶した見晴を、それでも彼が幸せになるまでは見届けようとした気持ちが、どんどんエスカレートしていき…
    マナトもまた孤独で辛く悲しい人生を送ってきたのだなと思い至りました。
    見晴だけが、心の拠りどころだったんだなと思うと、マナトの執着愛に泣けるものがありました。

    見晴もまた悲惨な人生を送ってきたから、たとえ監禁犯だとしても、自分だけを見て自分だけを守ってくれるマナトにだんだんと情が移って、いわゆるストックホルム症候群的に彼に心を許すようになっていったのかな…
    でも、それだけじゃなく二人の間には共有する残酷な悲劇があったというのが深いですよね。
    バスルームという究極の空間で、やっと互いだけが理解できる魂のつながりと愛情を見つけることができたんだなとラストでは安堵することができました。

    執着攻×健気受の監禁ものも、ARUKUセンセにかかるとこんなに深い物語になるんだなと思いました。
    エロ的にも追いかける恋の痛さのみで、甘めの仕上がりでとても良かったです。

  • 期待通りの不幸の連続!この作家さんあるあるだと思ってるんだけど、出てくる女キャラの酷いこと

全2件中 1 - 2件を表示

ARUKUの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×