偽善エコロジ-: 「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 た 5-1)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980808

感想・レビュー・書評

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  • 常々、エコロジーとか「地球に優しい」は胡散臭いと
    感じていたので、スッキリ読める作品だった。

    内容の細かな点は突っ込むところあるのだろうが、
    エコロジーと聞くと思考停止にならないように
    気をつけたい。

    某ファーストフード店でもゴミは分別する店舗と
    まったくしない店舗がある。
    分別している店でも結局一緒に廃棄してしまうと
    聞いたことがある。

    でも、日本人は少しでもよいことをしたいとのエゴがあるので
    分別収集はなくならないと感じる。
    物を捨てるという行為の免罪符みたいなものだろう。

    ものを大切にして、心を豊かにすべきとの著者の主張にはシンパシーを感じた。

  • 以前筆者の環境に関する本を読んでいたので、ほぼ内容は重複していたが、水道水と飲料水のテーマは考えさせられた。正直、リサイクルする前提(妄想)で無駄遣いしている現状は間違いです。分別作業の経済コストを別の生産活動に充ててもらいたい。201406

  • 疑問を持たずにいいだろうと推進しているエコロジー。
    さまざまなエコロジー活動に対して、科学的な目を無得てみると、そのほとんどがいかがわしいものだと・・・。

    こういったエコロジー活動が何を目指しているのか、しっかりと批判の目を向けた上で参加していかなければならないなと思った。
    もちろん、本書で挙げてあることに対しても批判的目を向けていかなければならないのだけども、視野を広げるためにも

    武田先生の言説は賛否両論あると思うのだけども、純粋に科学的な調査によってその価値が問われるのだと思う。

    武田先生主張の結果だけ示すと以下の通り

    第一章 エコな暮らしは本当にエコか?
    検証1:レジ袋を使わない→判定:ただのエゴ
    検証2:割り箸を使わずマイ箸を持つ→判定:ただのエゴ
    検証3:ペットボトルより水道水を飲む→判定:悩ましい
    検証4:ハウス野菜、養殖魚を買わない→判定:ただのエゴ
    検証5:石油をやめバイオエタノールに→判定:ただのエゴ
    検証6:温暖化はCO2削減努力で防げる-→判定:防げない
    検証7:冷房28℃の設定で温暖化防止→判定:意味なし
    検証8:温暖化で世界は水浸しになる→判定:ならない

    第二章 こんな環境は危険? 安全?
    検証1:ダイオキシンは有害だ→判定:危なくない
    検証2:狂牛病は恐ろしい→判定:危なくない
    検証3:生ゴミを堆肥にする→判定:危ない
    検証4:プラスチックをリサイクル→判定:危ない
    検証5:洗剤より石鹸を使う→判定:よくない
    検証6:無毒、無菌が安全 → 判定:危ない

    第三章 このリサイクルは地球に優しい?

    検証1:古紙のリサイクル →判定:よくない
    検証2:牛乳パックのリサイクル →判定:意味なし
    検証3:ペットボトルのリサイクル→判定:よくない
    検証4:アルミ缶のリサイクル →判定:地球に優しい
    検証5:空きビンのリサイクル →判定:よくない
    検証6:食品トレイのリサイクル→判定:よくない
    検証7:ゴミの分別 →判定:意味なし
    ----------------
    【内容(「BOOK」データベースより)】
    いわゆる「地球に優しい生活」は、じつは消費者にとって無駄でしかない。「レジ袋をやめエコバッグにすると、かえって石油の消費が増える」「冷房を28℃に設定しても温暖化は止められない」「多額の税金と手間をかけて分別したゴミ、そのほとんどが焼却される」「リサイクル料を業者に払った廃家電は、違法に中古で流れている」…かようにエコ生活は、環境を悪化させ、企業を太らせ、国や自治体の利権の温床となっている。「何が本当のエコか」がわかる環境問題の新しい教科書。
    ————————
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    武田/邦彦
    1943年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。工学博士。専攻は資源材料工学。名古屋大学大学院教授を経て、中部大学総合工学研究所教授(副所長)。多摩美術大学非常勤講師を兼任。日本工学アカデミー理事。内閣府原子力安全委員会専門委員。文部科学省科学技術審議会専門委員
    ————————
    【目次】
    まえがき
    第1章 エコな暮らしは本当にエコか?

    第2章 こんな環境は危険?安全?

    第3章 このリサイクルは地球に優しい?

    第4章 本当に「環境にいい生活」とは何か
    ・もの作りの心を失った日本人
    ・幸之助精神を失う
    ・自然を体節にする心を失う
    ・北風より太陽、物より心

    あとがき
    参考文献
    ----------------

  • 環境に良いとされていることに、独自の視点で解析している。官僚や行政批判をしているが、筆者がそういう所にもっと食い込んで、政策を動かしてもいいのではと思う。最終的には、心を豊かにすれば物は少なくて済む、と括る。そうだとしても、出るゴミや環境に与える影響は考慮する必要があるだろう。

  • 家電リサイクル法・エコバック・冷房28℃設定。環境をテーマに様々な活動をしているが、本当に環境改善に役に立っているのかは誰も知らない。人に言われたことを何も考えずに受け入れないで自分で良く考えろという著者の主張が伝わってきました。『読んでいって結局どうしろって言うんだ!』と思っていたら、最後に「リサイクルより物を大切に使う心」が本当のエコではないかという結論は納得しました。強引な話の展開と思う箇所もありましたが、環境対策自体を役人が利権化している現実に警鐘を鳴らしている熱い一冊でした。

  • 環境問題を真剣に考える上で身近な活動がどれほど「環境」に影響しているのかを確かめるのに役立つ。

  • ??と言った感じ

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:519||T
    資料ID:95080070

  • 自身でも触れている通り、各方面で煙たがられるであろう内容てんこ盛り。これは褒め言葉だけど。少数派的主張が多いから眉唾、っていう風に片づけてしまうことは出来ない。常識を疑って、色んな観点から解釈を加えなおすことは重要だと思うし、それがしっかり科学的になされている部分が多いと思う。あとは、一般論とここで得られた気付きを自分の中で天秤にかけて、最終的に自分が正しいと判断したことを実践にうつせばよい。いろいろ考えさせられる内容でした。

  • 「エコ」という言葉がいかに偽善かは常々感じるところ。
    この本の内容が正しいかどうかともかく、
    「エコ」を疑ってみるという視点は評価できる。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などに出演。
著書『ナポレオンと東條英機』(KKベストセラーズ)、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。

「2017年 『武田邦彦の科学的人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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