私の好きな日本人 (幻冬舎新書 ゴールド 1-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981294

感想・レビュー・書評

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  • 石原慎太郎のような、無意識過剰な人間に自分を語らせると、自己顕示欲が全面に出てしまいエグみが強い。
    だが、ひとたび愛を通せば、それはとても強度の高い語りになる。
    その意味で、この企画は慎太郎作の中でも、かなり不愉快さがなく読める(もちろん、そこかしこに無理やりこじつけたように自分の話が出てくるのだが、ご愛嬌レベル。むしろかわいい)。
    もともと、自分は慎太郎のまっすぐな肉体性は嫌いではないからなおさらかもしれないが、人々との思い出を通して沸き立つ香り、のようなものがとても美しい。

    自己顕示欲が強い人間は、他人への愛を語らせろ。

    この本からの一番の学び。

  • 石原氏の好きな歴史上の人物、ならびに親交のあった人物の紹介です。織田信長が上がってましたが、自分の息子(石原伸晃氏)が自民党総裁選に出馬の際、「平成の明智光秀」と言われたことはどう感じたのでしょうか?

  • [ 内容 ]
    「『歴史』の原理を踏まえ、それぞれの感性に応じて眺めれば、過去の歴史を形作ってきた先人たちの中に数多くの自分自身の分身を見つけることが出来る」(「人生の原典」より)。
    混迷の時代を生き抜く知恵は、わが民族の歴史や日本人らしさを再認識することにこそ隠されている。
    初めて明かされるエピソード、心沸き立つストーリー展開、独創的な歴史解釈を駆使して自身が影響を受けた人物を大胆に説き明かす全十章。
    画期的人物論。

    [ 目次 ]
    日本武尊-自己犠牲に徹した建国の英雄
    織田信長-歴史を変えた本能的合理主義者大久保利通-新生日本を創り上げた理の人
    広瀬武夫-軍神
    岡本太郎-自由と奔放の魅力
    賀屋興宣-巨きなリアリスト
    横山隆一-小さな巨人
    五島昇-本物のダンディ
    小林秀雄-無類な自由人間
    奥野肇-感性における真の師
    人生の原典

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 歴史上の人物であげられている織田信長や大久保利通などは、峻烈果断な行動力を持つといった点でいかにも政治家としての著者が好みそうなので、そういう意味では新鮮さは無かったが、
    小林秀雄、岡本太郎らをはじめとする実際に親交のあった人物への評価というか思い出は一般の人物伝とは違う距離感で面白かった。

    しかし、世に出る人間の交友関係とはすごいもんだな…

  • この本では石原慎太郎が好きな日本人として、歴史上の人物から無名な人まで10人紹介されています。10人の人物についての文章を通して、石原慎太郎さんが何を考え、何を美しいと感じるか、何に感嘆するかなどが少しは分かる気がします。
    内容自体も十分面白いのですが、文章自体を楽しむだけでも価値がありました。硬くない文章なのに美しいのです。

  • いかなる人間も、それぞれが属している国家や民族の歴史に、その人生を規制されぬ訳にはいかない。それは人間社会という共同体のしからししめる原理に他ならない。

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著者プロフィール

1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。2022年逝去。

「2022年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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