いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983113

作品紹介・あらすじ

自由と民主主義の旗手、アメリカに異変が起きている。初の黒人大統領オバマは、軍事力を忌避し、国防予算を削減させ、世界の盟主としてのリーダーシップの発揮をためらう。消極外交はアジア政策にも及び、「日本が第三国から攻撃されれば、アメリカが必ず守る」は、もはや夢物語だ。北朝鮮を始めとする各国で核武装化が進む中、アメリカらしさを放棄したオバマ政権と、日本はどう付き合うべきか。長年のアメリカ・ウォッチャーが緊急警告。

感想・レビュー・書評

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  • ベトナム戦争中に毎日新聞のサイゴン特派員を経験し、産経新聞でロンドン・ワシントン支局長を歴任した「アメリカ・ウォッチャー」のジャーナリストが警鐘を鳴らす日本の危機。戦後40年余り続いた東西冷戦の間にソ連が日本に軍事攻撃を仕掛けなかったのは日米同盟による抑止力の成果であったとする一方で、2009年以降のオバマ政権がアメリカにもたらした「重大な変化」が日本の安全保障を脅かしていると警告。中国が尖閣諸島を、韓国が竹島を軍事力で奪いに来る現状において、もうこれ以上アメリカ頼みの国防を続けるべきではない、世界が歴史的な曲がり角に来ている今こそ日本の国のあり方を根底から変えるべきと強く訴えた一冊。

  • オバマに批判的なのは分かるが、中立的に語るべきところで、感情が滲み出るような表現を多用するのはどうかと…ま、本だから自由なんだけど。

  • アメリカの大統領は民主主義を対外的に強めるという基本姿勢を明確にしていたが、オバマは違う、社会主義者のようだ。
    モンロードクトリンとはアメリカの孤立主義であるが、南北アメリカの地域に外部から介入があれば、アメリカ合衆国は軍事力を使ってでも排除するというもの。

    NATOの基盤はアメリカの軍事力。
    オバマは大統領として核兵器全廃を目標の追及として誓った。前代未聞。

  • 民主党びいきの大手メディア

    wall street journal, fox newsは共和党 保守

  • 今年(2013)も次の年の予算編成でアメリカは揉めたようです。昨年はオバマ大統領が乗り出して、期限ギリギリか数日遅れで予算が承認されたようですが、今年は2週間以上も決着がつかなかったと聞いています。

    予算編成が難航するのは、米国債の発行の上限が法律で決まっていてそれを超える場合には新たな法律を作り直す必要があるからですが、その原因は911事件以降に急激に増えた軍事費にあるようです。

    現在はオバマ大統領が、その尻拭いをさせられていますが、だれが大統領になっても軍事費削減に取り組む必要があると思います。2010年度から4年連続で軍事費が減少していますが、それでも2001年の倍の61兆円もあります(p67)。

    以上のような背景にあって、日米同盟の下で少ない軍事費で経済発展を享受してきた日本をアメリカは今までのように守ってはくれないよ、というのがこの本のメッセージです。

    近隣諸国と節度ある交流をするためにもある程度の軍備は必要なのでしょうか、そのお金を国民が豊かになるように使いたいものですが、脅されて貢がされるよりましなのでしょうか、難しい問題ですね。

    また、この本で解説されていたように、現在のアメリカは以前にも増して、今まで主流だった「白人」と「非白人」の2グループに分かれてきているようですね。特に再選を果たしたときのオバマ氏と、対抗馬のマケイン氏の得票状況を解析している部分を読んで、そう思いました。アメリカの態度が変わるというのは、このような状況も反映しているのでしょうね。

    以下は気になったポイントです。

    ・ウィルソン主義から100年、それを根底から否定するような姿勢をオバマ大統領は見せ始めた。民主主義を対外的に広めるという基本方針、その実践のために強い軍事力も必要という思考は当然であった(p24)

    ・オバマ氏の謝罪外交(欧州において、イスラムに対して、中南米において、奴隷制度において)は前例がないこと(p45)

    ・上院議員としてのオバマ氏は、とにかく軍事力の増強につながる法案にはすべて反対した、一期目に宣言した核兵器廃絶の提唱もその延長線上(p55)

    ・2011.12にはイラク駐留の全米軍の撤退を終えた、アフガニスタンには10万の部隊を駐留させたが、2012年になって規模縮小を述べはじめ、2014年以降には全て引き上げることも示唆している(p64)

    ・第二次世界大戦は、アメリカの巨大な軍事力がなければ、勝者はドイツや日本となっていた(p76)

    ・アメリカのモンロー主義は「孤立主義」として認知されているが、実は、南北アメリカの地域に外部からの介入があれば、アメリカ合衆国は軍事力を使ってでもそれを排除するという宣言(p76)

    ・容疑者に水におぼれる感覚を与える「水責め」は、有効な尋問法として、グアンタナモ収容所では認められている、拷問ではなく強化された尋問方法として(p81)

    ・アメリカの国防予算において、アジアへの旋回を証明する新部隊や新兵器のアジア配備はなにもない(p104)

    ・インドやパキスタンは、核武装を果たすまではアメリカから、その動きを敵視され、非難されたが、いったん配備を確実に果たしたとわかると、アメリカを含めて国際社会の態度が変わる(p108)

    ・2012年の大統領選では、オバマ氏:6590万に対して、ロムニー氏:6093万票で、51%対47%で、わずか4ポイント差であった(p123)

    ・高所得者層への厳しい態度はオバマ氏の一貫した姿勢、年間25万ドル以上の所得を高所得者層と見做している、その一方で中間所得・低所得者層には減税措置が示された(p139)

    ・2011.9から始まった抗議デモ(ウォール街を占拠せよ)では、何か月もホワイトハウスに近い広場で占拠が続いたが、施設に侵入・道路ブロック時には退去させたが、あとは放置していた(p146)

    ・大統領選において、黒人の実業家は黒人社会では裏切り者扱いになった、2012共和党から立候補しようとしたケイン氏は、ずっと昔の「セクハラ疑惑」で撤回せざるを得なかった(p156)

    ・1992年にはアメリカの有権者全体の87%が白人であったが、2012年にはその比率は72%まで下がった。相対数は着実に減る一方である。2012の選挙において、白人全体ではロムニー氏に59%投票した(p157)

    ・年間所得が5-10万ドルの中間層は、ロムニー氏が53%、10万ドル以上でも54%(p160)

    ・オバマケアの法案のポイントは、新たな保険制度は創設しないが、メディケイドの拡大や公的支援の増強で、3200万人増やすことを目標とする、創設の先送りとなった、それでも可決は219vs212(下院)という僅差、当時民主党から34人が反対した(p168)

    ・メディアは民主党を応援しているので、ニクソン大統領(ウォーターゲート事件)のような事例はまず無い(p180)

    2013年11月17日作成

  • オバマ大統領がここまでリベラル路線で走ってきたことを、恥ずかしながら知らなかった。日本としても今後の安全保障について危機感を持つべき。

  • 本を読まなくても「オバマ大統領は国防予算を削減し、世界のリーダーシップの発揮をせず、日米同盟も有名無実化する」の二行で足りる。
    久しぶりに内容に乏しい本だ。だからどうするべきか、も無く、言葉を変えて上記を主張、角度を変えてのしゅちょうも無し。一方的に「オバマ駄目」だけの意見にウンザリ。

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著者プロフィール

産経新聞ワシントン駐在客員特派員。麗澤大学特別教授。
1941 年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。米国ワシントン大学留学。毎日新聞社会部記者、サイゴン、ワシントン特派員、政治部編集委員を歴任。87 年に産経新聞に移り、ロンドン、ワシントン支局長、初代中国総局長、ワシントン駐在編集特別委員兼論説委員を歴任。ベトナム報道でボーン・上田記念国際記者賞、「ライシャワー核持ち込み発言」報道で日本新聞協会賞、東西冷戦終結報道で日本記者クラブ賞、『ベトナム報道1300 日』( 講談社) で講談社ノンフィクション賞などを受賞。主な著書に、『ODA幻想』(海竜社)、『モンスターと化した韓国の奈落』『米中激突と日本』『アメリカの悲劇』(以上、ビジネス社)など多数。

「2022年 『米中開戦前夜 習近平帝国への絶縁状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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