民主主義 〈一九四八‐五三〉中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版 (幻冬舎新書)

著者 :
制作 : 西田 亮介 
  • 幻冬舎
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984103

作品紹介・あらすじ

民主主義を単なる政治のやり方だと思うのは、まちがいである。民主主義の根本は、みんなの心の中にある-一九四八年〜五三年に中学・高校用社会科教科書として使われた『民主主義』は、民主主義とは何か、選挙権の意義、多数決の功罪など幅広い内容を、当時の一流の学者陣がやさしく格調高い文章で解説。民主主義に最も真剣に向き合った時代の日本人の熱い志に溢れ、戦後社会の大きな転機を迎えた今、ますます輝きを放つ。この知る人ぞ知る名著から重要な部分を厳選した、中学・高校生から大人まで必読の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 昔の公民の教科書の現代訳本
    教科書的できれいな流れかつ民主主義の大事さへの意思が込められてて良い

    民主主義とは人間の尊重、反対は独裁主義
    大きな自由と大きな責任、人間の平等
    ただ一つの政党は良くないが、多すぎると勢力争いや浮身になり良くない。政党を見て人も見る。選挙後も見る
    同じ人が長く続けることになる独裁政治は劣化する、適度な交代が大事
    プロパガンダ①悪評の周知②立派な看板③立派なものとの結びつけ④良い記事を書かせる⑤真実と嘘を混ぜる

    嘘を見破るのは有権者の役目
    全体主義は自国だけの利己主義に陥る、民主主義ですべての個人を平等に扱う
    民主主義に必要な自由①言論の自由②信教の自由③恐怖からの自由④欠乏からの自由
    物事は変化する、いい面も悪い面もある、1つのものを絶対視しない。

  • ある人が、「民主主義を再考し、誰もが尊重される世の中をつくりたい」とプロフィールに載せている。
    その人が、民主主義について自分の意見を語っているのかと思っていたけれど、この本に載っているような民主主義の基本を語っていたようだ。
    民主主義について学んだ人は、皆知っているようなことを、私は知らなかった。
    だから、その人は自分で考え語っているのだと思い、その人のオリジナルの考えがすごいななんて思っていた。

    でも、その人は、皆がここが問題だと教えられてはいても声にはあげなかったことを、どうにかしようとして、皆に呼びかけた。
    教科書に書かれた民主主義の歴史は、学生時代の私には全く響かず遠くの物語だった。
    とっても遅いのだが、仕事を始めてようやく、物事を決めていく場に身を置き、声をあげない人の声を聞きたい、声が上がったらどうやってまとめたらいいの?なぜ声をあげない人がいるの?と思いはじめて、民主主義に助けを求め、民主主義を調べはじめた。
    中、高の部活、大学のサークルでも、物事を決める話し合いがあったが、今のような思いは抱かなかった、授業は教科書のお勉強ばかりで議論が少なかった。

    意見を言わない人は、どうして言わないの?
    先に意見を言った人の意見と同じなの?
    興味がないの?
    恥ずかしいの?
    私は、これがずっと気になっている。
    声をあげずとも、今のままで特に不満がないのなら、このままでよくて、私がうるさいだけなの?
    私のように意見を求めてくるものは煩わしいのか?
    これで平和なのだろうか?
    、、、後日、声が上がり、待っていて良かった、意見がないのではない、問いかければ聞こえてくる。

    今は、まず日々の何気ない会話を超意識して、くだらない話でも真面目な話でも、なんでも話して、相手の思いを知って、愚痴や不満が出てきたらどうにか改善できないかと働きかける。
    世論を探り、どのような考え方をするのか知る運動。

    今日は憲法記念日であり、日本国憲法の施行開始(1947)から75年目。憲法のことなど全く考えないでいたので、法律と憲法って何が違うの?という状態であった。


    詔勅(しょうちょく)
    天皇が公の資格で発する文書の総称で、詔書、勅書、勅語などをいう。

    輔弼(ほひつ)
    天子・君主などの行政をたすけること。また、その人。

    ファシズム
    第一次世界大戦直後の1920年代初頭から第二次大戦終結時点の1945年までの約4半世紀間にわたり、世界の多くの地域に一時期出現した、まったく新しいタイプの強権的、独裁的、非民主的な性格をもった政治運動、政治・経済・社会思想、政治体制の総称。

    涵養(かんよう)
    自然に水がしみこむように、徐々に教え養うこと。だんだんに養い育てること。

    地獄の沙汰も金次第

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/66788

  • 民主主義の礎

  • 1946年から1953年に教科書として使われたよ今でも十分に使える。

  • 小林よしのりが批判していたので読んでみた。民主主義政治の対極にあるのは独裁政治だが、中東では民主化したことで、独裁時代よりも治安が悪化してる国もあるのは確か。

  • 歴史
    政治

  • 民主主義の精神。個人の尊厳と尊重。
    全体主義への警鐘。
    戦後の教科書だったというのが面白い。
    ヤン・ウェンリーの思想そのもの。

  • 分かり易すぎる。

  • 高橋源一郎さんが紹介されていた1948年〜53年にかけて使われていた中学・高校社会科教科書のエッセンス復刻版です。

    〈圧倒された。これは教科書以上のものであり、また「論」以上のものである〉と高橋さんの言葉が帯で紹介されていますが、読んでいる間中からずっと「目からうろこ」状態というか本の持つすごさを感じ続けていました。

    時代状況から向き合わざるを得なかったとは言え、格調高く「民主主義」について基本的なあり方を問う内容は、現代にも通じるし現代こそその理念を実現させなければならないと思います。

    「民主主義は単なる政治のやり方ではない。すべての人間を個人として尊重することその基本がある」。根本は、この言葉に収斂されていくわけですが、目次を読んでもわかるように認識を深めていく視点がちりばめられています。政治に対してはもちろん、自らの生活や事業や運動の中できちんと生かすことができているか、検証していくことが大事ですね。

    必読の本、お勧めです。

    目次
    第1章 民主主義の本質
    第2章 民主主義の発達
    第3章 選挙権
    第4章 多数決
    第5章 目ざめた有権者
    第6章 政治と国民
    第7章 社会生活における民主主義
    第8章 日本における民主主義の歴史
    第9章 日本国憲法に現われた民主主義
    第10章 民主主義のもたらすもの
    補章

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