世界史を変えたパンデミック (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985926

作品紹介・あらすじ

二〇二〇年、世界は新型コロナウィルスの感染爆発に直面した。人類の歴史は感染症との闘いの記録でもある。十四世紀ヨーロッパでのペスト流行時には、デマによりユダヤ人大虐殺が起こった。幕末日本では黒船来航後にコレラが流行、国民の心情は攘夷に傾いた。一方で一八〇三年、スペイン国王は世界中の人に種痘を無償で施し、日清戦争直前には日本人医師が自らも感染して死線をさまよいつつペスト菌発見に尽力した。医学的・歴史的資料をもとに、人類がウィルスといかに闘い、打ち勝ったかを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • パンデミックの中、正直この類の本を読むのはきついと思ったが、知っておいた方が良いと思い読了。

    かなり昔に起きたパンデミックでも、フェイクニュースが流れたり、一部がお金もうけしたり、都市封鎖が行われたこともあった。

    ナポレオン軍は、戦う前に多くの兵士が感染症で亡くなり、戦局に影響を及ぼした。

    どの時代でも、感染症が歴史、人々の生活や社会を変えてきているし、きっとこれからもそれは変わらないのだろう。

  • 感染症が歴史を変えてきたというのは新型コロナウイルスだけではもちろんない。
    大昔の当時を生きることができない我々は過去の記録からしか知ることができない。細菌やウイルスは、戦争よりも多くの人の命を奪い、ときには国のトップも殺して世界を変えてしまう。それに立ち向かってきた歴史を知ることは、今の世界を生きる我々にとって、きっと無駄ではない。

  • h10-図書館2020-12-17 期限1/6 読了12/17 返却12/18

  • 新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた2020年5月に書かれた本。人類とウイルスの戦いの歴史を振り返る。

    まるでバベルの塔のエピソードのように、人間が活動範囲を広げる(侵攻も含む)とウイルスが猛威をふるい、抵抗力のない人達が犠牲になる、そんな歴史を繰り返している。そして不安に駆られた人間が起こすインフォデミック(誤った情報による害)もまた繰り返されている。

    科学技術が発達していなかった中世においても、経験則や実験から感染症に対抗する術を身に付けてきた人達の努力には驚かされる。いつまでも言われ続けている、人類とウイルスとの戦いの歴史だ。

  • 教科書の正直平易すぎる文章を読んでいると、何々が起こったというのは描かれていても、何故そうなったかは書かれてないことが多い。
    しかし、現実がそうであるように、起きた事象には必ず理由が付随する。
    本書は、その理由を疫病の観点から肉付けしてくれる。

    アメリカが不参加だったため、強制力の面で弱くなった国際連盟の話は有名ですが、それがウィルソン大統領のインフルエンザに起因するものだったとは(他の理由も多重に重なった結果かもしれませんが)!
    他にも、歴史の転換点の外的要因となった出来事を病気の怖さと共に紹介してくれている。
    ただ、そう、病気自体は結構知っているものとして、症状に関してはサラッとした紹介に留まっているところが、構成としてはマイナスかも。
    新書としては珍しくないですが。

  • ベネチア リアルト橋007の映画のシーン ペスト医の版画(顔が鳥,細い棒,ガウン)

    詩人ジョバンニ・ボカッチ「デカメロン」十日物語 1348年のこと・症状出て3日で死

    1213年チンギスハン→中国の河北へ,雲南地方へ 元々ペストが風土病
    1271年元王朝
    1331年中国で疫病流行 人口減
    1274年1281年 元寇(日本への疫病はなかった)
    1331年京都で疫病の記録
    1340年前後 中央アジアのキリスト教徒墓で高い死亡率の記録

    ミラノ 城門を内側から閉鎖しペスト免れた☆城門を見てみたい

    ルネサンス ペスト大流行が過ぎ去って始まった→鎮魂ムード 死の踊りを誘う骸骨→どんなに偉い王様王妃も死神は側にいる ブリューゲル「死の勝利」多数の骸骨が美食中の人に襲い掛かる
    ウィーン 1679年流行の鎮魂

    古代ローマ マラリア(伊語mal aria悪い空気)・夏に流行 外部からの勢力は定着できなかった ローマ熱 ローマ人では抗体保有多い

    17Cペルー キナの木発見 1820年特効薬キニーネ 1880年マラリア原虫発見 ハマダラカ

    ナポレオンのロシア遠征 1812年1月 50日分の糧秣準備(短期決戦の予定)
    5/9パリ発 5/29ドレスデン・下痢の兵士多 6/24ワルシャワ ニーメン川の向こうがロシア領
    めまい,酩酊感,高熱,筋肉痛,震え 無気力・焦燥ギリシャ語でtyphosu チフス
    7/26ロシア軍と交戦→勝利→9/14モスクワへ
    10/19にはパリへ引き返すため出発
    12/18パリ着

    幕末の開国 コレラ(コレラ菌 水,食物を介して口から感染,大量の水のような下痢)

    第一次大戦中 1918年5月スペイン風邪 世界中で流行
    日本人口5,600万人,2,380万人罹患,38万人死亡 H1N1型のウイルス

    2009年メキシコ ブタから人へウイルス 2億人以上罹患,15万人死亡 日本2,000万人200人死亡

    エイズ 19C末か20C初 ベルギー領コンゴ サルのウイルスがヒトへ感染しウイルス変移 食肉の解体過程で血液付着か 1959年に採取された血液にはすでにDNAあり
    1981年に初めて知られ報告

    ルーマニアの軍事政権 国力のため人口増加政策,中絶禁止→捨て子 施設で栄養のある輸血でエイズ感染

    アメリカ大陸開拓時 天然痘(医学的に痘瘡,疱瘡)

    壊血病 歯茎出血,顔蒼白,斑点で死 ビタミンC(アスコルビン酸)の不足でおこる イヌイット→野菜は乏しいがトナカイの生肉から栄養
    生魚は体内でビタミンCなし

    日露戦争 脚気(だるい,疲れやすい,脚の感覚マヒ,心不全で死亡) 精製した白米ではビタミンB1不足 麦飯なら〇

    1940年代アルジェリアの港町オラン カミュのペスト

    1894年イギリス統治下の香港でペスト流行 青山胤道たねみち

    コロナ 春場所千秋楽での八角理事長挨拶「四股は邪悪なものを地下に押し込む力あり,土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安」
    東大寺の大仏 聖武天皇が国家安寧の思いで造仏☆今のコロナ収束後次世代への教訓とすべき作られるものあるか?慰霊碑作られるか?

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1部 世界史を変えたパンデミック(都市封鎖の起源となった病ー黒死病/永遠の都を守った「ローマの友だち」-マラリア/ナポレオンの大陸軍が味わった地獄ーチフス/黒船伝来の虎狐痢ーコレラ/西部戦線異状ありーインフルエンザ/チャウシェスクの子どもたちーエイズ)/第2部 流行病に立ち向かった偉大な人々(天然痘を武器にした者、制圧した者/壊血病に挑んだキャプテン・クックのレシピ/日清日露戦争の脚気惨害/ペスト制圧と香港の「青山公路」/フェイクニュースが生んだ碧素)

  • コロナあてこみ系の中から、以前から読んでいた書き手のものをチョイス。
    病気の話が人殺しの話と同じくらい好きな悪趣味人には特に目新しい話題はなかったが、それでもいろんなネタがコンパクトにまとまっている本書は楽しく読めた。一見さんにもおすすめ。

    HIVウイルスの発端が「まさか猿とセックスしたのではないだろう」というのは、なかなか品のいい婉曲語法である。男様ならそれくらいやりかねないと思うけどねw

    2020/8/14読了

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/590/K

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著者プロフィール

一九四九年千葉県生まれ。七九年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。専攻は神経内科学。現在、国立病院機構鈴鹿病院名誉院長。パーキンソン病やALS、筋ジストロフィーなどの神経難病を診断・治療する。医学博士、脳神経内科専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会認定医。『世界史を動かした脳の病気』『医学探偵の歴史事件簿』『ヒトラーの震え 毛沢東の摺り足』『ローマ教皇検死録』『難病にいどむ遺伝子治療』など著書多数。

「2020年 『世界史を変えたパンデミック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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