- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784378015552
作品紹介・あらすじ
「ねえ、この本、読んでみたら」
あの子に読んでほしい本、ありますか?――大切な人へ本をすすめる4つのストーリー。本の紹介をテーマにしたアンソロジーです。
感想・レビュー・書評
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昨年末に読んだのが「とまどう放課後編」で、こちらは一つ前の「ざわめく教室編」。
大切な人へ本をすすめる4つのストーリーが入っている。
それぞれが素敵なブックレビューになっていて、本が持つ力や可能性を感じさせる。
以下、タイトル、著者名、登場する本の順。
①「クロエ・ドール」戸森しるこ
「りかさん(梨木香歩)」「ありがとうの本(フランソワーズ・セニョーボ)」
②「パワー・ストーン」おおぎやなぎちか
「いい感じの石ころを拾いに(宮田珠己)」
③「ダレカを探す冒険」赤羽じゅんこ
「二分間の冒険(岡田淳)」「ぼくらの七日間戦争(宗田理)」
④「図書館と昆虫の森」池田ゆみる
「レイチェル・カーソン(ジンジャー・ワズワース)」
お勧め本の中にブク友さんたちに人気の本もあり、親近感を持って下さるかと。
主人公はみな5年生で、舞台はまさに教室と家庭。外へ踏み出しても狭い半径だ。
本好きな子もいれば特に読書好きでもない子もいる。
ふとしたきっかけから本の世界に入り、次のひとへと託していく話が多い。
押しつけがましさがなく、とても爽やかで自然な手渡し方だ。
「友だちになろう」「勇気を出していこう」「本の世界へようこそ」
「こんなメッセージの本がある」等々、真正面から受け取る姿勢がまぶしい。
クラスの気になる女の子へ手紙を添えて。
大好きな叔母さんからクラスで苛めに遭っていた姪へ。
図書委員の紹介文用としての読書で。
クラスメイトからちょっぴり背伸びして「生命の奇跡」を学ぶ本を。
まっすぐな思い。まっすぐな視線。
私たち大人には、こんな読み方も手渡し方ももう出来ないかもしれない。
③で岡田淳さんの本を読んだのは、読書が苦手な子だ。
母親が子どもの頃に読んだという本を読んだことから、「本って伝言ゲームみたい」と気が付く場面が本書の中で最高に煌めくところ。
「本を読んで思うことはそれぞれ違っても、同じ本を読んだっていう連帯感はきっとつながっていく。それっていい」
ここがいいなぁ。本当にその通りだもの。
きっと皆さんもブクログで実感されているかと。
読書による繋がりの不思議さ。運命を変えていく力さえ持つ本。
心をひきつける本との出会いが、すべての子に訪れてくれますように。
同年齢のお子たちがいらっしゃる方(もちろんいなくてもOK)「放課後編」とともにお勧め。私はこちらの方が好みかな。
ほのぼのと気持ちが温かくなる。
難しい顔で読むばかりが読書じゃないのよ。 -
「ねえ、この本、読んでみたら?」
本の紹介をめぐる4つのお話のアンソロジー。
◯『クロエ・ドール』戸森しるこ
「ぼく」が転校してきた五年三組には、いつも二十センチほどの大きさの人形を持っている貝原さんという女の子がいる。クラスメイトは貝原さんの人形のことには触れないが、不思議に思ったぼくはおかあさんに貝原さんのことを話す。するとおかあさんは『りかさん』という話に似ていると言い出して…。
・『りかさん』梨木香歩 作 偕成社
・『ありがとうのえほん』フランソワーズ・セニョーボ 作 なかがわちひろ 訳 偕成社
不思議で惹き込まれる面白い話だった。梨木香歩さんの『りかさん』気になるー!
近いうちに読んでみます。
◯『パワーストーン』おおやなぎちか
「あたし」には10歳年の離れたお姉ちゃんがいる。本当はママの妹だ。
高校卒業とともに家を出てしまったお姉ちゃんは、アパレルの仕事に疲れて、家に帰ってきた。あたしは学校で「カビ」と呼ばれてハブられ始め、学校に行きたくないのだけれど…。
・『いい感じの石ころを拾いに』宮田珠己 著 河出書房新社
『いい感じの石ころを拾いに』というタイトルがいかにも面白い。こちらもぜひ眺めてみたい。給食当番の時にいじめっ子と対峙する姿が気持ちいい。大人しい子の援護射撃もスッキリ!でした。
◯『『ダレカ』をさがす冒険』赤羽じゅんこ
人前に出るのが苦手な山根を学級委員に推薦した息吹は、仕返しに、本が苦手なのに図書委員に推薦されてしまう。図書委員でおすすめ本の紹介文を書かかなければならないが、本のことがわからない息吹はアイデアをもらうためにばあちゃんを尋ねる。
そこでばあちゃんに、かあさんが昔読んでいた本を紹介してもらうが…。
・『二分間の冒険』岡田淳 著 偕成社
・『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫) 宗田理 著 KADOKAWA
私の好きな岡田淳さん!息吹のかあさんと同年齢くらいなのかな。『二分間の冒険』も『七日間戦争』(こちらは漫画と映画だけ)もクリーンヒットです。
知らない本が出てきて、「読んでみたいなぁ」と思うのも楽しいし、知ってる本が出てきて「これこれ!そうそう!」って思うのも楽しい。結局『ダレカ』ってなんだったっけ?ってなったので、また読まなければならない。笑
『二分間の冒険』の内容もきちんと盛り込まれているし、それに絡めたかあさんからばあちゃんへの手紙のエピソードも素敵。かあさんの夢の話、よかったです。
◯『図書館と昆虫の森』池田ゆみる
幼なじみの涼太は、夏休みの自由研究で「図書館をつくる」と言い出した。満里奈が弟の未月の虫取りにいやいや付き合いながら、涼太の図書館が出来るのを待っていると、八月半ば、ようやく涼太の図書館が出来上がり…。
・『レイチェル・カーソン――[沈黙の春]で地球の叫びを伝えた科学者』ジンジャー・ワズワース 著 上遠恵子 訳 偕成社
「図書館をつくる」って新しい!私もやってみたいと思った。情報をSNSで拡散する辺りがとても現代。
紹介される本が『レイチェル・カーソン』ということで、おばあちゃんのエピソードだったり、未月の虫の話が入っているのかな。そこの繋がりがちょっと恣意的に感じたけれど、『レイチェル・カーソン』の伝記は面白いし、たくさんの子に読んでもらいたいですものね。
個人的には、「とまどう放課後編」より「ざわめく教室編」の方が面白かった。
好みの問題です。『クロエ・ドール』のインパクトが強いのと(ファンタジー要素がある話が好きだから)、『二分間の冒険』のせいかもしれない。 -
4作目が1番面白かった!!
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4つある章、すべて味があり引き込まれていった。
登場人物の心を動かす本たち‥そんな1冊に出会えると幸せだろうな。 -
四つのお話が入っていて、どれも面白かった❗️
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小学校高学年向け読み物
とまどう放課後編・ざわめく教室編
各4人の作家の短編集
主人公は6年生の男の子や女の子で、学校での出来事を中心に話が展開します。
一冊の本を読むことで、主人公が成長していきます。読書の楽しさに気づいたり、自分を見つめ直したり、進路や夢を考え始めたりします。
どれも爽やかな雰囲気で、読後に前向きな気持ちになれる作品です。
図書館で子どもたちにおすすめしやすい本です。
・一つのお話が短いところ
・4人の作家さんのお話が読めるところ…自分の好みの作家さん、作風を見つけることができる(2編合わせると8人になります)
・お話の中で本が紹介されているところ…これ一冊で終わらず次に読む本につながっていく
・本をおすすめする時に、作家さんの別の作品やお話に出てきた本を紹介することができる
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教室でいつもひとりでいる貝原さんが気になるぼく
ひざにのせている人形は『りかさん』のようだった
──戸森しるこ「クロエ・ドール」
教室でハブられて学校を休んだあたし
仕事をやめて戻ってきた“姉”に『いい感じの石ころを拾いに』を薦められる
──おおぎやなぎちか「パワーストーン」
しかえしで図書委員をさせられたおれ
紹介文を書く本をさがしていた祖母の家で『二分間の冒険』を見つける
──赤羽じゅんこ「『ダレカ』をさがす冒険」
夏休みの自由研究に伝記を読んで感想文を書くつもりのわたし
変わった図書館をつくった涼太に『沈黙の春』を紹介される
──池田ゆみる「図書館と昆虫の森」
主人公は5年生
ざわめく教室を舞台に
悩む主人公が本を薦められる
という設定で児童書作家4人が競作したアンソロジー
《大切な人へ、本をすすめる、4つの物語》──帯のコピー
『なみきビブリオバトル・ストーリー』のさ・え・ら書房から、2020年3月刊
『とまどう放課後 編』も同時刊行
本が本をよび、本の世界がひろがっていく本たちに期待 -
主人公の小学生たちと、紹介された本をめぐる物語が4編。
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ホワイトの紹介の仕方がおもしろい。もっとたくさん本が出てきてもよかった。
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「「ねえ、この本、読んでみたら」
あの子に読んでほしい本、ありますか?――大切な人へ本をすすめる4つのストーリー。本の紹介をテーマにしたアンソロジーです。」
目次
「クロエ・ドール」戸森しるこ
「パワーストーン」おおぎやなぎちか
「『ダレカ』をさがす冒険」赤羽じゅんこ
「図書館と昆虫の森」池田ゆみる
干柿を作られていた!
それは素敵ですね、、、
干柿を作られていた!
それは素敵ですね、、、
レモンと言えば、梶井基次郎「檸檬」この絵本が気になります。
http://rittorsha.jp...
レモンと言えば、梶井基次郎「檸檬」この絵本が気になります。
http://rittorsha.jp/s/otome/3116317419.html
そして葡萄は、宮澤賢治じゃなく
岡本颯子「僕はひとりぐらしのきつねです」
随分古い絵本なので今は流通していませんが、とても可愛い話です、、、