boppggunさんの感想
2011年6月13日
長年気になっていた一冊を読了。なにせサンリオSF文庫だから、かれこれ30年か。正直よく分からない作品もあるが、普通の落とし話みたいなものやナボコフ流SFやら奇妙な味やら並び、モチーフもとっつきやすいものが多い。幻影のような謎めいた美女に翻弄される「フィアルタの春」が素晴らしい。「初恋」も含め印象的な女性が出てくるものがいいなあ。あとどうしてもナボコフに多少距離を感じる一つの理由はヨーロッパの貴族出身ゆえの(日本人庶民との)生活スタイルの違いのせいでもあるかな、とも思った。ちょっと悲しいな(苦笑)。