- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389410148
感想・レビュー・書評
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昔、高校の倫理の授業でルソーを知った時、その思想と生涯って、なんかかみ合ってないというか、考えとやってることがめちゃくちゃな感じに思えたけど、この本をよんでなんとなく納得。きちんと勉強したらルソーも面白そうだな、と思えました。
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いつもこのシリーズはゆっくり時間かけて読むが、これは一日で読んでしまった。ルソーの生涯編が刺激が強く、愛憎的渇望と道徳心との狭間で揺れた人生が強く描かれていた。
自然という思想に野蛮を思う人もいるかもしれないけれど、ただ言葉だけで捉えるのは浅薄すぎる。ネイチャーの自然も含まれるが、理想としての本然もその語彙として含まれている。彼の苦悩の生涯から、探し出した真理だったのだろう。
思想としては、障害に対するアンチテーゼとしてのものはマルクス的であるが、脱科学、脱体制としてのものは聖フランシスコ的である。清貧というのもそういう生き様を湛えているが、信じたものが自分であった。良心は神であると言ったが、それは伝統的な宗教としてのそれとは逆で、ルネサンス的な人間→神の公式から導き出したものである。
晩年は狂ってしまった。その変はニーチェと重なる。人間は自分だけを信じては生きてはいけない。良心的な人間だっただけに、悲しき境遇を真正面から受けてしまった。
12/6/16 -
ルソーの解説本としては非常に新しく、それなりにまとまっていると思います。ルソー自身がけっこう支離滅裂なので、解説者は大変だろうと思います。では。
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