- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393332719
感想・レビュー・書評
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博覧強記松岡正剛氏の世界の中の日本史一筆書き講義録。話し手(書き手)は楽しいんだろうな。でも聞く(読む)方は、俺にも言わせろ的な気分になってフラストレーションが溜まります。日本史に一家言の無い人向け。
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資本主義ってのがどこから生まれて、どこへ向かっているのか?時代や国やジャンルを超えて、とてもわかりやすく語られていて面白かった。
「編集」の大切さや日本の持つ可能性など、いつもこの人の本を読むと様々な視点とアイデアが勉強になる。 -
仕事のために再読。
実際の講義を文字に起こしただけあって非常に読みやすいし、最初の方で著者が提唱した「編集」という概念の大切さはとても共感できる。
で、著者自らがその「編集」とはどういうことかってのを、歴史を語るうえでも実践していて、「こういうの、20代の初めに読んでたら、またその後の知的好奇心は変わってただろうなあ」と思わせてくれる。
ただ、ところどころ「ん?それは違うんじゃないの?」という事実認識が出てきたりして、たぶん語っているからつい口が滑ったとかだと思うんだけど、そこがちょいとマイナス。 -
歴史の雑学を披露し、常識とは別の角度からモノ申す趣向の本である。日本文化研究者の第一人者、松岡正剛の本を読んでみた。第10講「資本と大衆の時代」について、こちらの内容についてはとても興味深い。
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松岡氏の書かれた本は初めて読みましたが、資本主義の発生・成長過程にスポットをあてて、近代史を解説してくれている本です。最近、資本主義が行き詰まりを見せかけていますが、資本主義というものが、誰によってどのように生まれてきたかを知ることは興味あることでした。
乱暴な言い方かもしれませんが、資本主義は労働コストが低く抑えられていた始めのころ(奴隷や、それと労働コストが変わらない人たちが、働いていた頃)はうまくいったシステムですが、その方法がとれなくなると、うまく機能しないのかもしれませんね。
以下は面白かったポイントです。
・ヨーロッパの列強が、強大な力を持ったオスマン帝国を追い詰めることになったのが第一次世界大戦である(p13)
・イギリス国内では紅茶の消費税を引き下げたのに、植民地のアメリカでは関税をかけたことが、1773年の「ボストン紅茶事件」、独立戦争につながった(p15)
・連帯保証人とは、連帯債務者であり、人的担保(人質)そのものである(p24)
・秀吉が関白秀次に密かに託した「国割り」には、後陽成天皇を北京に移し、大日本帝国の首都を北京、秀次は内閣総理大臣(大唐の関白)、日本国内政治は、宇喜田秀家あたりを考えていた(p51)
・日本に伝わったキリスト教は、新教(プロテスタント)に反対した旧教側の、ラディカルな団体(イエズス会)であった(p60)
・イギリスの王(ヘンリー8世)が離婚して、アン・ブリーン(エリザベス1世の母)と結婚するときに教皇に許しがもらえなかったので、1534年に首長令を発布してイギリス教会は自立した(p61)
・森林型の「多神多仏」では、時期を待つ、多くの意見を聞いてまとめる、リーダーが何人もいる、見送る、チームが分かれる、といった保留という考え方が成り立った(p75)
・株式会社の誕生とともに三角貿易(本国、植民地、相手国の三角:イギリスが本国生産の絹布をインドへ輸出、インドはアヘンを中国へ輸出、中国から紅茶を輸入)を生かして本国が利益を圧倒的に有利にする)が始まった(p92、160)
・中国の人口が漢代(0.6億程度)から、18世紀に4億人になったのは、サツマイモのおかげ(p95)
・産業革命には、動力革命・交通革命・産業革命の三段階がある、1757年にプラッシーの戦いでイギリスはフランスを破ってインド獲得、1763年に7年戦争でフランスからアメリカ植民地を獲得する(p121)
・1842年の南京条約は、香港割譲・5港の開港・没収アヘンの代金支払い・イギリス戦費補償・関税(5%)・領事裁判権・最恵国待遇、などである(p162)
・主体や主語を二人称や三人称において、自分の位置を一歩控えて、そこから状況を見るのが日本の特徴(p197)
・ベルリン西アフリカ会議では、アフリカに興味を持つ14カ国がアフリカ分割を行った、コンゴの人口はこれにより2000万から900万人に減少した(p243)
・20世紀初頭には、欧米列強はアフリカ分割・アジア侵略を経て、世界の84%を支配した、そのころの工業力は100年前比較で、イギリスは2倍、アメリカは3倍、ドイツは4倍である、欧州人口はその間に、2→4.5億人となった(p301)
・ドイツでは1900年には戦艦はイギリスを凌駕していた(戦艦:38、巡洋艦:42)、ついにイギリスがドイツと衝突したのが第一次世界大戦である(p304)
・第一次世界大戦の敗戦国は、ドイツ・トルコ・オーストリア・ブルガリアの4カ国、戦勝国は英仏露米等の27カ国、但し両者とも米国以外はかなり消耗した(p306)
・新植民地とは、政治的に独立していても軍事基地がおかれているような地域(日本にも10箇所の米軍基地あり)、アメリカが保有する、ジャマイカ(ボーキサイト)、ベネズエラ(石油)、ペルー(石油と銅)、グアテマラ(石油とバナナ)、かつてでは、フランスのアルジェリア、イギリスのザンビア・ジンバブエ、ベルギーのコンゴである(p395)
・高度経済成長のシンボルである新幹線の資金は世界銀行から借りた、その条件が日本の石炭産業の整理であった(p409) -
一人暮らしを続けてる中で、お風呂で本読みが習慣になってきた。よっぽど、酔ってない限りとにかく本を読む。のぼせない様に30分
で、今日読んでた本の中で、松岡正剛さんが32歳のときに、野尻抱影さんという90歳の星の学者に会いにいった話があったんだ。
野尻さんは、松岡さんに年齢を聞いて32歳だとわかると、
「まだまだ、動物やな。50か60に成ったとき人間は人間になるんや。人間になるまでは、時々足を地面にふみつけてごらん」と。
「何が起こっていると思う?」
「足の下で地球がまわってるんだ。だからこうゆうことを人間になるまで時々思い出しなさい」って
と、ここでお風呂で一息。うーん。自分に振り返るとどうゆうことなんなだろう。思わずお風呂の床を踏みつけてみる。ちゃぽんって。波がたつ。
松岡氏は、「地球が廻っている上に僕らがいるってことは、僕らは地球やその時間の一部であるってこと」とまとめるがいまいちピンとこない。
もしかすると、自分はいつのまにか会社や、社会や、周りの皆や、自分の周りを取り巻く世界に立っているって幻想を抱いて、時間さえも僕の時間と思い込んでいるのかもなって。一部なのに、時間も自分でコントロールできるって傲慢になってるだから動物なんかなと。 -
近代の話は読んでて鬱になってくる。
おかげで読み終わるのに時間がかかってしまった。
内容はダイジェスト的な感じでちょっと物足りない。
イギリスの歴史的犯罪に結構スポットが当たっている。 -
松岡正剛さんの俯瞰的ものの見方は大いに参考になる。時間と距離を軸に、縦横無尽だ。
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コクコクしたり、すっ飛ばして読んでたけど…
結びの部分はョイこと言ってるじゃん。
私も日本が好き〜♪
些細な変化を味わえる繊細さが好き!
こんなことを強く思えるのは、イマの時代に日本という国に生まれてこれたから☆
でも、この繊細さを扱うのは難しい。
少し間違うだけでツマラナイ人間になってしまう。
今は、プラスの繊細さが消えてマイナスの繊細さバカリ目立つ
それは、戦争を経て欧米化した時代に生まれたからしょーがないのかもしれないね。。
今しか見えてないものは、キット真の良さには気付けない。
っとまぁ、話は大きくずれましたが…
いったん「小さいもの」を作っておく。
それを認識したうえで大きいものを作ったら??という提案。
今は、大きいものしか見えていないから。。
繊細なこころを持つ日本人だからこそ「小さな変化」を見立てられる。
そこが、日本の強みなんじゃない??というカンジでした。