日本建築史序説

著者 :
  • 彰国社
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784395012312

感想・レビュー・書評

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  • 日本建築を学ぶ上で必読の教科書です。本書の前半は、日本建築の歴史をいくつかの時代に分けて、その時代の建築の特徴を平易かつ簡潔な言葉で書かれています。また、本書の後半は「日本建築史の文献」がリストアップされていて、これら文献を読むことでさらに勉強を深められるようになっています。

  • 2017/03/27ブックオフ購入

  •  先日、文化行政に批判的に記述したら、理科大の宇野先生から、大田博太郎先生の文化財保存の努力を学びなさいと指導され、急遽、職場の図書館で探して読了。

     中身についてコメントする能力なし。

     しかし、全体を通じて、日本の独自の建築様式が、シナ様式(先生の言葉)を取り入れ、それを改良して、独自性を確保してきたことを強調していることがよくわかる。

     生意気に、それに批判的にいうことは避ける。

     むしろ、日本が、国として、中国を甘く見て、戦争を始め、そして米国に徹底的に敗北して、重要な建築物を焼かれてしまった。そして混乱した戦後、米国に占領された中で、日本の大事な建築物の価値を強調した先生の気持ちを理解しようと思う。

     戦後の占領下での伝統的な建築物の保護が戦後の最初の危機だったとすれば、これから、日本の社会経済が成長しにくくなり、国や地方公共団体の財政が厳しくなる一方の現時点が、第二の危機の入り口だと思う。

     先日のブログでも書いたように、もうこれ以上の税金を通じた保存ができなくなった場合に、どうやって民間の資金を入れて重要な建築物を守っていくか、街並みを守っていくか、もしくは地域の力、貢献で守っていくか、について真剣に考える必要がある。

     その意味で、日本建築の大切さを勉強して肝に銘じて、その保存、活用などの方向を考えていきたい。

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著者プロフィール

1912年、東京生まれ。1935年、東京帝国大学工学部建築学科卒業東京大学助教授・教授、東京大学名誉教授、武蔵野美術大学教授、九州芸術工科大学学長、武蔵学園長を歴任、日本学士院会員。2007年没
【主要編著書】『奈良六大寺大観』(全14巻、岩波書店、1968~73年)、『大和古寺大観』(全7冊、岩波書店、1976~78年)

「2019年 『奈良の寺々 古建築の見かた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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