コンビニ食と脳科学-「おいしい」と感じる秘密 (祥伝社新書170) (祥伝社新書 170)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396111700

作品紹介・あらすじ

コンビニはどのようなノウハウをもって食の開発、演出をしているのだろうか。そこには最新科学が深く関わり、「おいしい」、「まずい」の第一印象は脳科学の助けを借りて作られているのだ。見た目の印象をいかにおいしく見せるか-コンビニ食の作られ方の驚愕の舞台裏を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 2009年8月発行☆鳩山首相2009年9月就任・11月オバマ大統領サントリーホール講演

    竹内一郎「人は見た目が9割」 メラビアンの法則 顔の表情55、声の質(高低)・大きさ・テンポ38、話す言葉の内容7 タイトルが独り歩き→見た目は55%

    ニオイなし ニオイを排した現代社会

    おいしさの表現には流行がある 早川文代「食語のひととき」
    コクがある→1980年のスーパードライCM「コクがあるのにキレがある」
    美味しんぼ オノマトペ crisp…サクサク、パリパリ、コリコリ

    醍醐味→牛、羊の乳を精製、最上級のものを醍醐→とてもおいしいモノの意 作る過程の前過程 乳、酪(らく)、生酥(しょうそ)、熟酥(じゅくそ)

    ゲテモノ 下手物、郷土のモノを指す謙譲語
    おつな味 甲乙丙丁で甲ではないが、乙の独特な味わい B級グルメ

    コンビニ 1970年前後に誕生 1980年代前半→深夜スーパー、昼間に買い忘れたものを買う
    若い世代の夜型のライフスタイル コンビニ=若者

    油脂→味は感じないが高い嗜好性あり→脳が好ましいと判断 βエンドルフィン(ランナーズハイ状態にする物質)、多幸感
    マヨラ―

    甘味のある糖質→高カロリー、脳のエネルギー源、高い嗜好性
    ノンカロリーの甘味料→物足りなさ カロリー低

    コンビニから広まった食文化 恵方巻 おでん チルドデザート 小型ペットボトル コンビニおにぎり(海苔パリパリ)

    海苔の産地 宮城松島 伊勢湾 瀬戸内海 有明海

    満腹→脳の視床下部の満腹中枢 摂食中枢を不活性化するレプチン
    別腹 オレキシンが分泌

    九州大学教授都甲清 味覚センサー 辛味→痛覚によるもの 渋味→酸味と苦味の中間の味室、触覚と同時に味覚も刺激
    コンビニおでんの汁 地域別に比較

    日本列島出汁マップ
    日本列島の東側(太平洋側) 春夏→上りカツオ 秋冬→戻りカツオ
    鰹節 カツオを乾燥、カビ付け
    日本列島の西側(日本海側) 東北以北、北海道の昆布を船で若狭へ、陸路(鯖街道)で京へ 昆布の消費量1位富山

    うまみ成分(日本人が発見) 1908年昆布→グルタミン酸 1913年鰹節→イノシン酸 干し貝柱→コハク酸 1956年干し椎茸→グニアル酸☆4つのうまみ成分を判定する簡単なキットがあれば料理の勉強になるかも!

    醤油 濃口、淡口→大豆+小麦 溜まり→大豆 白醤油→小麦 再仕込み醤油→大豆+小麦

    日本列島鍋汁マップ(全国各地で見かける寄席鍋、すき焼き、けんちん汁、おでんを除く。)
    農村や漁村でその土地の食材を煮炊きしたもの 茨城→アンコウ 東京→柳川鍋 横浜→牛鍋(味噌、牛肉) 置賜→納豆汁(☆おきたま/山形県内陸部/米沢市など・本に紹介されているが有名じゃないような…)

    肉じゃが、カレー 東日本→豚肉 西日本→牛肉
    中華まん 関東で肉まん→豚が当たり前 関西では豚まん(牛肉ではないことを明確にするため)

    二八そば 小麦粉2割そば粉8割、当時小麦粉の方が効果であったため

    地産地消(新しい言葉) 身土不二(しんどふじ)→身体と土は2つではない、その土地でその季節のものを食べることが最も体に良い

    B級ご当地グルメ 富士宮やきそば☆戦前から富士登山客用旅館、製糸業の女性労働者で賑わい・駄菓子屋で鉄板→戦後中国からの帰還者が麺類試行錯誤
    横須賀海軍カレー、佐世保バーガー→バックグラウンドが明確 
    福井のソースカツ丼☆早稲田大近くの洋食屋ヨーロッパ軒で考案・地元福井に戻った・会津、駒ケ根(岐阜県?)も起源は早稲田

    甘味、鹹味(かんみ)、苦味、酸味、うま味(グルタミン酸の味)

    西洋料理 フォン(ソースの素)、ブイヨン(スープの素) 生肉、野菜を長時間煮込んで旨味成分を抽出
    中華料理 湯(タン)

    文化・食べ慣れた味を高評価する傾向
    鰹節 日本人→香り良く調和の取れた味 中国人→癖が強く生臭い
    鶏湯ジータン 日本人→脂っこい癖強く生臭い 中国人→香り良く調和の取れた味

    チルドデザート チルド温度帯(3℃から8℃)

    おいしさの表現 オノマトペ
    あつあつ→はかほか→ほくほく→あったかい→ほっとする→ほのぼの→ぬるい→冷めた

    食べるという行為自体にリラックス効果→唾液、消化を促すため、副交感神経(緊張状態の交感神経)
    ストレス食い・イライラ食い→ストレスの原因を取り除くことなく、食べて副交感神経を働かせようとする動き

    外からの刺激→ドーパミン→幸福感
    脳内の状態に反応→βエンドロフィン→幸せな気持ちを増幅・やみつき

    白金ナノコロイド ただの添加物だが「錆びないあなた」の表現とマッチした 金箔

    白身魚(鯛、カレイ、ヒラメ…)→生食の際には薄切り、コリコリ食感(新鮮・死後硬直状態)
    赤身魚(マグロ、カツオ…)→厚切り、あえてK値(魚の鮮度指標・死後時間経過すると高い)高、うま味成分のイノシン酸を増やす

    魚が生食できるのはタンパク質に占めるコラーゲンの割合が低いから(畜肉は3分の1、魚は5%程度)

    武家社会の関東 切るを嫌って刺す→刺身 関西では化粧=顔をつくる→お造り

    レヴィ・ストロース 料理の三角形 生、火にかけたもの、腐敗(発酵)

    テクスチャ表現(口に含んだ時の感覚)

    噛むことの効用 卑弥呼の歯がいーぜ 肥満防止、味覚の発達、言葉の発音はっきり、脳の発達、歯の病気予防、ガン予防、胃腸の働き促進、全身の体力向上

    子どもが小学校に上がる前→毎食きちんと手作り料理、甘い菓子・清涼飲料水を排除
    やがて学校・塾に行くようになると、ファストフード、インスタント食品→いつの間にかジャンクフードを食べたがる子供になっていた・βエンドロフィンでやみつき
    ☆記憶力を良くするためにジャンクフード絶ち(広告費大の企業戦略で難しいか?)・短時間・大学受験直前の1年間で詰め込み・筋トレ・栄養価のある食事と併用

    うま味の認知テスト

    嗜好の分岐点は2回 ①大人の味(コーヒー・アルコール)を美味しいと感じる②こってりを敬遠してあっさりを好む(基礎代謝が落ちた時期)

    ボンカレー 松山容子(1937年生まれ・84歳)のパッケージ

  • 社会
    思索
    暮らし

  • 【簡易目次】
    はじめに [003-004]
    目次 [005-011]

    第一章 おいしさも見た目が9割 013
    第二章 おいしさと脳 057
    第三章 変わるおいしさ、変わらぬおいしさ 113
    第四章 おいしさの表現を磨く 167

    あとがき(2009年8月 加藤直美) [232-233]
    参考文献 [234-235]


    【メモ】
    ・食品の科学についての本を探しているときに、図書館を見つけました。
    https://www.syokubunka.or.jp/library/

  • コンビニの商品が美味しそうに見えるのには理由がある。

  • コンビニの売り上げの70%が 食品である。
    コンビニは 情報を分析し 新しい食品を提案し続けた。

    そして、食品生産者よりも 流通業が 
    食の動向を左右するようになった。
    コンビニが 話題を 作っている。

    この 加藤直美の本は じつに 言葉を整理して、
    コンビニを体系づけようと努力している。
    食品を 言葉にして分析する 手法にたけている。
    これは、いくつかの 示唆することがあり、
    参考になるものが 多かった。

    五感の中で 香りが排除されている というのが、
    最初の 衝撃でもある。
    香りについては あまりにも 言葉が少ないのは
    どうしてなのだろうと思っていたが、見た目で勝負の時代なんですね。
    そのうえで、期待通りの味が保証されているのかがポイント。
    繰り返し 食べることで ファンが固定化されていく。

    言葉と連想される食品の関係が かなり面白い。

    おいしさの関係が何とも言えない。

    ラーメンの汁の温度が アジアは75〜85℃で
    欧米が 65〜75℃というのも、すするという習慣から来ている。

    コンビニが 地域の味を 組み上げていくのが
    新しい文化になっている。
    マスとしての 味文化が形成される。

  • ”脳科学”という固いタイトルから想像していたのとは違い非常に読みやすく、そして面白い。一方、豊富なデータが載せられているので資料としても説得力あり。
    さらに、日本語の語彙を整理するのにもよい。”醍醐味”の語彙解説があったのは個人的にうれしかった内容。「おいしさ」の表現を磨くことができ、言葉とともに味わうことができる。コンビニ食だけでなく、食生活全般を見直すことができる一冊だと思う。

  • S498.5-デン-170 300044302

  • 「脳科学」をうたう本、しかも著者が脳科学の専門家じゃないときたら、もう怪しい雰囲気ぷんぷん。
    ま、話のタネにでも・・・・・・と思って読んだら、意外や意外、いい本だった。大変失礼しました。

    メラビアンの法則の誤解ややや牽強付会な自説の展開、問題意識とその解答が合っていない部分などまあ欠点はあるにはあるんだけど、「味」に関して多角的な観点から論じられていて、文章も読みやすい。
    特に時折挿入される図説がかなり練られていたと感じた。これに結構パワーをかけているはず。労作です。

    単なる記憶とか推測とかを記す部分は、そうであることを明確にして記述している書き方は、結構好感持ったなあ。

  • メモ
    食感
    食品を選ぶ基準

  • 脳科学らしい話はほとんど出てこなかったが、食文化の話としてはとても面白かった。
    普段の買い物も楽しくなりそうだ。

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