カジノ解禁が日本を亡ぼす(祥伝社新書255)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396112554

作品紹介・あらすじ

カジノ解禁に向けての動きが急である。だが、雇用促進、経済効果、外国人観光客の誘致と、どんなに奇麗事を並べても、ギャンブルは基本的に敗者の犠牲の上に成り立つ。依存症の発生を防ぐ手段もない。著者は韓国で唯一自国民の入場が許されたカジノ「江原ランド」を取材、そこでの自殺者の実態、カジノ周辺に蠢く依存症患者の惨状をレポートする。なによりも日本には、年間売上で世界一のマカオの四倍という、事実上のギャンブル「パチンコ」が、すでに存在する。これ以上国民をギャンブル漬にし、依存症患者を増やしてどうするつもりなのか。

感想・レビュー・書評

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  • 現在、カジノ解禁に向けての動きが急ですが、雇用促進、経済効果、外国人観光客の誘致と、どんなに奇麗事を並べても、ギャンブルは基本的に『敗者の犠牲の上に成り立つ』ということを忘れてはなりません。

    あえてどこかとは申しませんが、僕の出身地でもカジノを誘致しようという動きが活発らしく、僕は彼らに対してもぜひ、本書を読むことを勧めたく思っています。筆者が『なによりも日本には、年間売上で世界一のマカオの四倍という、事実上のギャンブル「パチンコ」が、すでに存在する。これ以上国民をギャンブル漬にし、依存症患者を増やしてどうするつもりなのか。』という主張には僕もが激しく同意します。

    なぜかというと、地元はいわゆる『パチンコ天国』で詳しい数字は僕もわかりませんが、『ギャンブル依存症』の文字がかなりも割合で地元紙に出てくることを考えると、
    「これ以上住民をバクチ漬けにしていったい何がしたいんだ!?」
    ということを強く考える次第でございました。僕が怖いなぁと思ったのはお隣は韓国のカジノを取材した場面で、ソウルにある有名なヒルトンやウォーカーヒルのような外国人が出入りするカジノではなく、韓国人が出入りできる「江原ランド」では日本円にして数億から数十億ものお金をまさにジェットコースターのように失い、ホームレスに転落するものや、カジノに来る客のおこぼれにすがって生きるもの、はたまたカジノを訴えるものなどのまさに阿鼻叫喚の様子が繰り広げられている、という報告に寒気がいたしました。

    さらにIT技術を活用し、客が何を賭け、どのくらいの時間滞在し、書けるスピードまで細かくチェックをし、それを記録にとっている。という文章を読んだときも『そこまで彼らはやってくるのか!?』とうなってしまったほどでした。筆者の言うとおり、ギャンブルというものは弱いものからお金を巻き上げ、その犠牲によって成り立っているものでございます。ですから、僕はギャンブルそのものを決して『やるな(愚考権の行使という関係上)』とは申しませんが、一晩で失う額がハンパではないカジノというギャンブルを日本に導入する、というのは少し無理がござんせんか?と申したいのです。万が一無理に作ったとしてもアジアではマカオや韓国、シンガポールやフィリピンがありますので、わざわざ外国からの客がカジノ目的で日本に来る、ということもどうしても思えないのです。

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著者プロフィール

1940年、秋田県生まれ。
 トヨタ自動車のデーラーに19年勤務。メカニック、営業マン、営業所長を経験。営業マン13年で新車を1200台販売。独立後、自動車販売会社を経営するも3年で撤退。その後、損保の代理店を経営。選手として出場したスポーツは、スキー、ボクシングなど。ラリーにも出場。
 著書に『タクシードライバーほど素敵な商売はない』(エール出版)、『タクシードライバー千夜一夜物語』(K&Kプレス)、『失敗から学ぶ』『TAXI・ニューヨーク』(以上、花伝社)、『打ったらハマる パチンコの罠[PART1]』『打ったらハマる パチンコの罠(PART2)』(以上、社会批評社)、1998年夕刊フジに連載を執筆。
 http://www.wakamiyaken.jp

「2010年 『増補 打ったらハマる パチンコの罠(PART1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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