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- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396114602
感想・レビュー・書評
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陸軍における石原莞爾にフォーカスしており、最終戦争論にも触れているが、主な流れは、満州事変から日中戦争までの、陸軍が国を誤った経緯となっている。国家的リーダーの不在、軍の暴走、すなわち下克上の端緒となったのが、満州事変の際の石原達の独断専行だったが、結局、自らの軍規違反が後年、部下の「規範」になってしまい、戦争を止められなくなる。しかも国家総動員とか総力戦が唱えられた時代だったが、陸軍一つとっても派閥争いに明け暮れ、石原もやがて部内闘争に敗れ、満州国以後に責任を果たさないまま、表舞台から去っていく。最終戦争論の価値は変わらなくとも、より学ぶべきは、1930年代、各組織が好き勝手した挙句、国家が体を成さなくなった病根についてだろうと感じた。
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