- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396116736
作品紹介・あらすじ
日本国家の治安維持を担う、密やかで特殊な警察
「非公然のスパイ組織」「国家の諜報機関」
「陰謀結社」「特高の末裔」……
一般社会が「公安警察」に求めているリアルは、
エンターテインメントとして割り切っている方も多いが、
事実とはなはだ乖離した現代の神話、あるいは怪談話である――。
かつて中の人として、約20年警察官僚を勤め上げた著者はこう述べる。
盗聴、潜入、証拠のでっちあげ、ハニートラップなど、国家的治安維持のためなら何でもアリ!
このようにとらえられる彼らの素顔は、明解な法令と厳重な秘密の内側にあった。
生態、内情、真の目的とは?
元警察官僚の本格ミステリ作家がその実像を浮き彫りにする。
世の暴露本には記されてこなかったファクトのすべて。
●目次
まえがき――公安警察と私
第1章 「公安」概論
「公安」とは何か?/状態としての「公安」の大きな特徴/組織としての「公安」
第2章 公安警察のリアリティライン
公安警察の規模と予算/公安警察の目的と性格
公安警察官という生き方/「いわゆる」協力者工作/……
第3章 公安警察の組織
警備警察=公安警察/警察庁警備局の複雑さ
どのセクションが〈公安警察〉かを知るには/国の公安警察と都道府県の公安警察/……
第4章 とある公安警察官像のリアリティライン
日本一有名な公安警察官/その職位・階級・身上――超エリートか?
警察庁警察官と警視庁警察官の組み合わせ?/「潜入捜査」「盗聴」「協力者運営」の実態
「ゼロ」、その真実/現実の警察官にとってR・Fさんとは/……
第5章 公安警察の機能と実務
公安警察の機能総論――思想と行為/「思想を取り締まらない」という縛り
要はカルト対策/公安警察と組織犯罪対策部門/警察予算の特殊性
第6章 とある公安事件のリアリティライン
感想・レビュー・書評
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「ブクログ Best User Award 2023」受賞ユーザーさんたちのおすすめ本の紹介が始まりましたね
クマさんのおすすめ本が異色すぎてひとしきり笑ったあと、自分の紹介文だけなんか毛色が違う!なんか立ってる場所が違う!なんかそんなシュッとした感じにするなら先に言っといてよ!とおびーに裏切られた気持ちでいっぱいです
そしてカリスマおすすめの『海の教場』どんだけ登録されてるのかいのぅ…と思ってたらぜんぜん増えんやないかいっ!(びたーん!)
影響力なしかいっ!
ひとしきり笑ったクマさんの異色作のほうが登録されとるやないかい!
こうなると、みんみんと小坊主の紹介文が楽しみですのぅ
相変わらず前置きが長い!
はい、『公安警察』です
謎に包まれた公安警察の厚いベールを剥がします!てか「謎なんかないんですけど、トホホ」というのがこの本の主旨だったりしますw
元警察官僚で公安所属歴も長く、現役ミステリー作家でもある筆者が、公安警察にまつわるファクトを教えてくれてます
でもって、そのファクトとフィクションの差異を公安警察小説を楽しむ材料にしちゃえばいいんじゃね?という感じ
また、偶数章ごとの筆者と編集の対話形式の質疑応答が面白い
編集さんがバカすぎてw
もちろんこのバカっぽい感じはわざとやってるんだと思うんだけど「そうは言ってもほんとは『ゼロ』とか存在すんでしょ?」とかない!って言ってんのにしつこく聞くとことかゴシップ好きのおばちゃんみたいで、それが良い
なんていうかこの本の敷居をむちゃくちゃ下げてる
良い編集さんだなーとちょっと感心しちゃいました -
●説明が相変わらずクドイ笑。おじいちゃんからの講義を受けているみたい。
●対話の部分が良かったし、読者はこれを望んでいる。
●もっと具体的エピソードで詰めたほうがいいとは思うけどなあ。 -
著者は元警察官僚で、キャリアの約3分の1を公安畑で歩んだという。つまり、公安の元「中の人」が、内実を明かした本なのだ。
全6章で、奇数章は著者の文章。偶数章は著者と担当編集者の対談形式で構成されている。
著者の古野まほろ氏は作家でもあり、警察小説やミステリを書いているのだが、そのわりに本書は文章が堅すぎではないか。
彼が書いている章はじつに読みにくい。時に論文調だったり、白書みたいに無味乾燥だったり……。「剔抉」とか「調略」とか、一般向け新書なのに難解語を使いすぎだ。
一方、担当編集者との対談による章は、読みやすくて面白い。編集者の適度なツッコミと、ざっくばらんな語り口が好ましい。全編をこのスタイルで作ればよかったのに……。
“『名探偵コナン』に出てくる公安警察官・降谷零って、「中の人」から見てどうなの?”を、一章を割いて語っていたりする(ただし、「大人の配慮」でぼかされており、コナンの「コ」の字も出てこない)。 -
日本の警察における公安部署について、著者の勤務経験から詳述した本。公安組織とは何か、根拠やその性質、誤解されがちな点や、対象の特性上当然明らかにしないところ(それは隠すのではなく、普通言わないこと)に対する誤解について、かなりありありと伝えられている。ただ、その経緯や意図、効果について批判的に検討されることはなく、著者は組織や制度を最大限生かし職務に邁進してきたのだろうという、誠意が読み取れる。今現在の小説家としての誠意も。
※これは小説のレビューのところでも述べますが、小説「新任警視」を読む前に読んではいけない本です。この本の内容を知ってしまうと、小説の楽しみが削り取られてしまいます。 -
言われてみれば確かにそうだなと思いました。
公になってる情報でわかるのに、なんか妄想だけが膨らんで謎めいた組織みたいになってしまった感がわかりました。小説は小説ですね。 -
特に対談の章における著者のコメントの行間を読み、ファクトの裏に思いを馳せる読み方が面白いかと。
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公安警察について、法令上の立ち位置や実態などがまとまっている本となります。基本的には公開情報の記述が中心となった読み物となりますので、暴露本とは一線を画したものとなります。
純粋に事件モノを楽しみたい場合は、公安小説を読む方が良いです。
とはいえ、公安捜査の心構えやフィクションとの違いなど、警察に関心がある人なら楽しめる本になっています。
巾着は届いてるんでしょ?まぁ気になるなら運営に問い合わせてみたら?
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私も大したレビューをあげてないのでいいんですけどねw
で、掲載可のチェックをしていなかったのもありますしね…w
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