彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)

著者 :
  • 祥伝社
3.42
  • (20)
  • (74)
  • (100)
  • (18)
  • (3)
本棚登録 : 448
感想 : 95
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396208943

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • “わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは(「BOOK」データベースより)

    あー、これシリーズ化したんですね。
    碓氷優佳はハッキリ言って嫌いなキャラなんですけど、今回は脇に徹していたので割と嫌悪感を感じないまま読了できました。
    しっかし相変わらず犯行動機のお粗末さが目立ちますね。
    愛する人が死んだ理由って・・・、え、だから事故でしょ?
    それをあぁも穿った見方して、犯行理由にするのはちと無理があるかと。
    ストーリーはロジカルで読みやすかったです。
    ラストのオチは、まぁわかってしまうけど、それを差し引いても(1・2作目と比べて)面白く読めました。

  • 本格ミステリーとしては、傑作に近いロジックじゃないかと思います。
    ただ、碓氷優佳の存在と犯人と被害者の気持ち悪さが石持浅海らしい。
    まあ、それも含めて石持浅海ですね。

  • あいかわらずの後味の悪さは健在で、碓氷優佳自身は嫌いなんだけれども、新刊が出ると読んでしまう。
    前作はあまり好みじゃなかったのですが、今回は面白かったです。

  • 2012.1
    おもしろかった。
    このシリーズは 好きやね
    扉は閉ざされたまま もよかったし
    あいかわらず動機は弱いけど
    それを上回るおもしろさでした

  • 傑作でした。このシリーズは推理ゲームに徹していて非常に面白い。特にオチは良い。作風に差がある作者ですが、今作はミステリ好きにはたまらないはず。ロジカルで魅力的な作品でした。

  • 冷静かつ頭脳明晰な碓氷優佳が謎を解くシリーズ第3弾。

    旧知の経営者たちが集まる「箱根会」。
    そこで中条夏子はかつての同僚である黒羽姫乃を殺すことに決める。
    計画通りに事を進めた彼女だったのだが、、、


    うーん、動機が弱いかなー。そんな理由で殺害までするの?
    また、「勝ち(負け)」にこだわりすぎてるところにもちょっと違和感が。

    けれど、優佳が解く経過はなかなかの見所。
    殺害された姫乃が握っていたカフスボタン(及びその他の状況)から
    夏子が彼女を殺していなかったら起こっていたであろう、
    もうひとつの結末まで見通す推理力も素晴らしい。

    そして、ラストの一行まで全部わかってたんだろうなー。
    そういう意味では、冷静というより冷酷なのかも。

    参加者たちがみんなで事件を整理しようと奮闘するところはちょっと平凡で
    つまんなかったけど、優佳が真相を明かしていく部分は相変わらずすごくて
    納得の行くものだった。こんなふうに論理的に進んでいくミステリは好きだ。

  • +++
    <著者のことば>
    当然の話かもしれませんが、被害者のことを最も考えているのは、犯人です。
    それは、被害者が被害者になる、つまり死んでしまってからも変わりません。
    被害者の方にも、生前から犯人への強い思いがあったのなら、それは死してなお変わらないでしょう。
    本作では、そんな犯人と被害者との、誰よりも濃い関係を描いてみました。
    あなたは、どちらの立場で読まれるでしょうか。
    +++

    碓氷優佳シリーズの最新刊である。今作でも優佳は人当たりよく振舞っているが、その視線は鋭く冷たく犯人を見据えている。読者には真犯人は初めから判っており、登場人物たちが、警察に通報するまでの二時間で、なにが起こったか、少しでも詳しく調べあげ、犯人にたどりつこうとする様子が描かれている。真犯人、疑われた人物、ほかの人びとの反応や行動にどきどきしながら読み進ことになるのだが、時折優佳が発する提案と、真犯人との駆け引きもはらはらする。しかし、もっと驚かされるのは、真犯人と優佳が二人きりになったときの会話である。なんと優佳は初めから犯人が判っていたという。しかも証言の不自然さから。いわれてみればうなずけるが、するっと通り過ぎていた。そしてその後に続くこのラスト。殺す者と殺される者との関係の濃密さが恐ろしく、背筋に寒気が走る。勝ったのは一体どちらなのか。最後まで気の抜けない一冊である。

  • 箱根会のような雰囲気には憧れる。だから、夏子と姫乃の二人が、箱根会を台なしにしたことのほうに怒りを感じる。

  • このシリーズ好きです。
    読みながら犯人のエラーを探しましたが、今回は不覚にも見逃しました。
    前作までと比べると、驚くような推理ではなかったものの、逆にやられた感が強かったな。

  • シリーズ第3弾。箱根会という経営者の集まりでのお話。
    途中でオチが読めちゃったよ・・・
    優佳がクセ者でも、なんだかなぁな動機でも、このシリーズが好きだ。

全95件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石持浅海の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×