美しい「あかり」を求めて 新・陰翳礼讃 (祥伝社黄金文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396317430

感想・レビュー・書評

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  • 石井さんのことを知ったのはあるホテルに泊まった時だった。シャンデリアをデザインされたということでお名前と業績を紹介した簡単なパネルがあったのだ。照明デザイナーという仕事をそれまで知らなかったので、新鮮な感動を覚えた。こういうアプローチで空間をデザインしている人がいるんだ!と。
    それから何年も経ってこの文庫が目に留まり、購入。

    とても興味深い内容で、じっくり読んだ。日本人照明デザイナーの先駆けであり、1965年にフィンランドへ渡って以来いまも活躍を続ける石井さん。どのように照明デザインと出会い、学んできたかという半生の章も面白いし、日本各地でライトアップをどんなふうに実現してきたかという事例の部分も面白い。明石海峡大橋、東京タワーなど私も見たことのあるメジャーなものが多く(というか、ライトアップによってメジャーになるよう仕掛けられていて)、いかに石井さんが精力的に活動されてきたのかよくわかる。
    いまやライトアップという言葉もイベントも身近なもので、集客の大きな柱だと思う。でもまだそのイメージが人々の中になかったところからスタートされたんだと思うと・・・そのはるかな道のりに胸が熱くなる。
    横浜、函館、浅草、倉敷などどこも歩いたことのある場所だが、照明に関して町ぐるみの取り組みがなされていたと知って、何となく感じていた「きれいな街」という印象は石井さんの力、想いがぞんぶんに発揮された結果なんだなと感心しきり・・・。

    暮らしの中ではどんなあかりが良いか、という考えも述べられていて、今のオフィスや家が明るすぎると感じている人には参考になりそう。

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著者プロフィール

照明デザイナー。東京都出身、東京藝術大学美術学部卒業。フィンランド、ドイツの照明設計事務所に勤務した後、石井幹子デザイン事務所を設立し、都市照明からライトオブジェ、光のパフォーマンスまで幅広い光の領域を開拓。日本のみならず世界各地で活躍している。2000年、紫綬褒章を受章。主な照明作品に、東京タワー、横浜ベイブリッジ、明石海峡大橋、函館市、倉敷市などの景観照明、姫路城、白川郷、浅草寺のライトアップなど多数。ジェッダ迎賓館(サウジアラビア)やパンパシフィックホテル(シンガポール)などの照明も手掛ける。主な著書に『光が照らす未来 照明デザインの仕事』(岩波ジュニア新書)、『美しいあかりを求めて 新・陰影礼讃』(祥伝社黄金文庫)、『LOVE THE LIGHT, LOVE THE LIFE 時空を超える光を創る』(東京新聞出版局)、『逆境の変換力』(ベストセラーズ)などが、作品集に『石井幹子 光時空』、『MOTOKO ∞ LIGHTOPIA石井幹子 光の軌跡』(共に求龍堂)がある。

「2023年 『光のメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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