- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396328191
感想・レビュー・書評
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嗅覚異常
祥伝社「嗅覚異常」 2000年11月詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
性別年齢不詳の覆面作家・北川歩実さんが祥伝社文庫創刊十五周年記念に著した特別書き下ろし中編ミステリーですね。覆面作家さんは実際の所、出版関係者ぐらいは真実を知っていて守秘義務で明かさないのでしょうね。実験用ウサギ殺しと嗅覚異常女性の失踪に続くその友人の殺人未遂事件を繋ぐ接点とは?対人恐怖にも似たユニークだけど無差別殺人をも誘発しそうな恐ろしい秀逸なアイディアですね。ヒロインの女医・植田理歩と友人の私立探偵・嶺原のコンビが謎を追いますが如何せん14行×148頁の枚数では性格まで描き切れないのが残念でしたね。
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女医の植田理歩は大学院生・富坂の研究室を訪れていた。彼女の元患者で富坂の恋人である古川夏海が患っている嗅覚障害について協力を依頼されたからである。理歩とも再会し、研究材料となることの意志を確認した理歩だったが、その帰り、理歩は探偵の嶺原克哉と夜道を歩いていた時、何者かに尾行される。そしてその正体は、富坂であった。理歩が研究室を訪れた後、実験用のウサギが死んだので理歩を疑ったというのである。
オチはなるほど、おもしろいなぁとは思う。ただ、そこにいくまでのストーリーがめちゃくちゃというか、無理矢理。富坂がただの自己中で不愉快。 -
嗅覚を欠損してしまうという話から始まり、
結局は、過剰嗅覚であったという話に落ち着く。
道具立てが、いかにもフィクションで、
構成の甘さが見られるような気がした。
こういう話題は、
やはり組立方次第で、なりたつでしょうね。 -
匂いフェチの私にとっては、
非常に引き込まれる話しだった。
嗅覚障害をテーマにした極上ミステリーだと思う。