日本の地下人脈: 戦後をつくった陰の男たち (祥伝社文庫 い 15-1)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333683

作品紹介・あらすじ

満洲を支配した革新官僚岸信介は人心掌握術を学ぶ。上海で軍需物資を確保し、巨万の富を得た特務機関長児玉誉士夫は金をばらまく術を知る。A級戦犯をからくも免れた彼らは、いかにして黒幕として君臨し得たのか?戦後の政財界を牛耳るに至った「地下人脈」の全貌を明らかにするとともに、今につながる日本の暗部を衝く、戦慄のルポルタージュ復刊。

感想・レビュー・書評

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  • 過去の人間関係の探索・追求から当時の事件や歴史を分析・解明するという手法で描かれている。
    著者の岩川は週間文春で広大出身記者の梶山季之から継承された取材手法で書いていく。ポイントの人を探り当てひたすら話を聞く、多くの人に会いそれぞれの話の交錯する部分を論点として汲み上げストーリーを組み立てる。常識的ではあるがこの基本を徹底することで(一日五人の話を聞け)歴史の真実に迫る。
    大戦中の満州帝国における岸信介や星野直樹、引揚者や特務機関関係者のその後、上海における児玉誉士夫の暗躍と人脈、中曽根康弘の人物観と海軍人脈等々テーマごとに詳しく解明されている。各人の人脈の連なりと敗戦後の帰趨も丁寧に見ていく。しかし決定的に新しい話題は見られず、既知の範囲内での話が多い。
    著者の論調としては岸信介が最も政治家としての器が大きな人物であったようだ。中曽根康弘は東條や星野と同じ官僚的エリートの小人物であり、児玉誉二夫も戦後のどさくさをうまく立ち回った政商に過ぎないということのようだ。

  • 中曽根、田中、岸、満州人脈、上海人脈。
    戦後も今も、そのような人脈はいき続けている。

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