出世花 (祥伝社文庫) (祥伝社文庫 た 28-1)

著者 :
  • 祥伝社
4.10
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本棚登録 : 775
感想 : 144
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396334352

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすい時代小説でした。死を扱っているので重たいテーマになりがちですが、それだけに終わらない面白さがありました。解説にもありますが、ミステリー要素もあり、捜査に協力することになるあたりは「しゃばけ」シリーズのような楽しみもありました。強く優しく成長していく主人公の周りの方々もとても素敵です。

  • 出世花シリーズ ①
    出世花
    艶(えん)から縁(えん)へ。死人を洗う湯灌(ゆかん)。
    落合螢
     棺職人の岩吉。風貌の悪い彼が想い人のために守る。
    偽り時雨
    女郎の「おみの」が示す手がかりが、縁を真実に導く。
    見送り坂暮色
    兄のような存在の正念の気持ち。大事にしたものとは。

    髙田郁さんのデビュー作とのこと!!
    いや、これはすごい!!
    読みごたえもあり、お縁の真摯な気持ちで湯灌してるのが
    とても心に響く。
    個人的には、落合螢の話が好きだったなぁー。
    岩吉さんのお紋に対する気持ちも切ないし、
    お紋もこの時代的にしょうがない背景を抱えたりしてたり…
    本当に髙田郁さんって、スゴいね!!
    これ、もっとシリーズ化して欲しいー(*´艸`*)

  • 死人を湯灌する寺にある事情から預けられた少女が成長していき、自らの道を選んでいく姿が描かれています。湯灌とは、死んだ人の死後硬直を解き、綺麗な姿として棺桶にいれる作業のこと。
    これは江戸時代の「おくりびと」ですね。死んだ人のそれぞれの残した思いを感じ取る感受性を持った女性があますところなく描かれています。シリーズ短編集となっているので、ミステリっぽい作品もありますが、どちらかというと、女性だけではなく、ひとが生きていくという話。よかったです。おすすめ。

  • 高田郁さんデビュー作品読んだ。さすがに上手いしその後の開花が十分納得できる短編集ですね。表題作の意味合いもよく判ります、艶から縁から正縁に名前が変わっていく意味合いが。湯灌に道を極めていくストーリーは斬新でした!今の活躍が当然のように予想できる秀作だと感じました。

  • 高田郁さんのデビュー作。キレイでピンと空気の張った、だけど温かい話でした。
    全ての

  • 「おくりびと」の時代小説版。死を扱うことで生が浮き彫りになる。舞台は江戸時代だけど、当時の風俗をわかりやすく解説もしてくれて、非常に読みやすかった。じんわりと胸にしみる、いい小説。ミステリー要素も効いている。

  • 成長に従い名を変える出世魚のように、名を変えながら成長していくお縁の姿を描く、高田郁のデビューのきっかけとなった短編と、同じ設定で書き継いだ短編をまとめた連作短編集。

    妻に駆け落ちをされた父の妻敵討ちの旅の途上、行き倒れかけたところを救われたお艶。
    お艶たちを受け入れたのは、檀家を持たず、人々の亡骸を湯灌し成仏を祈る「墓寺」だった。

    父が亡くなる前の頼みを聞き入れた住職から、お艶は同じ音ながら新しい名前、『縁』を授かる。
    父の湯灌のさま、生前の苦しみまでも洗い流されたような父の姿に心うたれたお縁は、湯灌を手伝う三昧聖となり、『正縁』の名を授かる。


    健気で清らかで芯の強い、高田作品のヒロイン像の原型が見えるようで、楽しめた。

  • 幼いころに父と妻敵討ちの旅に出たお艶。
    無念の死を遂げる前に、父が寺の住職に頼んだのは不義密通を犯した妻の血を引く娘に、新しい名前を授けることだった。
    お縁として改名した娘が、三昧聖として成長していく物語。


    「澪つくし」シリーズが好きだったので、読んでみた。
    最初は桜最中を出すお店に奉公に出て、そこで料理人として活躍する話と思っていたら違った。
    「おくりびと」を思い出した。

    最後、正念さんがこんなメインに出てくるとは思ってなかった(笑)
    四話あるけど、岩吉さんがでてくる話は泣けたなぁ。
    それと最後の「見送り坂暮色」の子を思う母の気持ちと、母を思う子の気持ちに泣かされた。

    ☆は限りなく4に近い3.7とか。

  • みをつくしシリーズの合間に読みました。読んでいてふと映画の「おくりびと」を思い出しました。噂によると続編が出るとか出ないとか?楽しみに待ちます。

  • 納棺師の仕事を見た事が有るが、厳かな中に慈しみと遺族の悲しみを汲み取り旅立ちの準備をする事に感謝した。正縁も三昧聖として感謝されたり、屍洗いとして蔑まされたりと生者の言葉に傷つき励まされ成長して行く。良い本に会えました。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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