- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396340278
作品紹介・あらすじ
飛べ、大空という戦場へ。
日本の命運を託された一羽の報道用伝書鳩。
信じあう心がつなぐ、胸を打つ〝奇跡の物語〟
昭和三十六年、明和新聞記者の坪井永史は国を揺るがす特ダネを掴む。情報提供者は女子大生・山岸葉子。だが、直後に彼女が失踪。坪井は報道用伝書鳩クロノスを伴い捜索を開始するが、謎の一味に拉致される。――五十年後、アルバイトの溝口俊太は明和新聞屋上で通信管をつけた一羽の鳩と出会う。その邂逅が、俊太を過去と現在を繋ぐ〝奇跡の物語〟に巻き込んでいく……。
感想・レビュー・書評
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なんとなく図書館の本棚で手にとり読んだ本。
おろしろかった!!
作者の名前も知らなかったが、もっと評価されるべき、広く読まれるべき。
読んでてなんども鳥肌が立ったし涙が出た。
ほかの本も読んでみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み終えた瞬間、眼前に大きな虹が架かったかのような気分になった。
昭和20年の中国、昭和36年の東京、そして「3.11」を経た現在の東京…… 3つの時代が1羽の「伝書鳩」の活躍によってつながれるとき、そこに壮大な物語が完結する。
それにしても、なぜ「伝書鳩」なのだろう? 氾濫する情報や真実の意図的な歪曲や隠蔽によって、しばしば進むべき方向を見失いがちなぼくら現代に生きる人間がいまもっとも必要としている「力」、それを、あるいは彼ら「伝書鳩」が持ち備えているからだろうか。そしてその「力」とは、選び抜かれた言葉によって綴られた「真実」を、その直感と帰巣本能によって迷うことなく必要とする者の手にまっすぐ届ける力なのではないか。
過去に発表された2冊を読むかぎり、この作家はけっして声高に自身の主張を叫び読者に押し付けるようなひとではないが、そんな作者が「クロノス」という名をもつ伝書鳩に託したメッセージを、そしてしばしば彼を奮い立たせることになる「脚環」が放つ「光」の意味を、いま「3.11」以後の日本を生きるひとりの人間としてあらためて噛み締めてみたいと思う。 -
戦中~戦後と、平成の今を行き来する話。
戦場で強い絆を感じていた伝書鳩・クロノスの、生まれ変わりとしか思えない鳩が、戦後に記者となった永史のもとへ現れる。前後して起こる、米軍などの不穏な動き。
平成の方は、アルバイトで新聞社へやってきた俊太が迷い込んできた鳩と遭遇する。
永史と俊太の間を、時を越えてクロノスが繋ぐという「奇跡」がなければ成り立たない話だけど、その部分以外は重さのあるリアルな雰囲気で・・・絶妙なバランスがいい。 -
141009
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伝書鳩の活躍していた時代から、通信管をつけた鳩が来る。五十年の時を超えて来る鳩は何を知らせに来たのだろうか?