でーれーガールズ (祥伝社文庫 は 13-1)

著者 :
  • 祥伝社
3.51
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本棚登録 : 1554
感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396340704

作品紹介・あらすじ

漫画家の小日向アユコ(本名・佐々岡鮎子)は30年ぶりに高校時代を過ごした岡山県にやってきた。母校の女子高で講演会をするためだ。 講演会前々日、この機会にと高校の同級生たちが同窓会を開いてくれた。そこでアユコは30年ぶりに親友の武美と再会する。武美は母校の教師になっていた。アユコを招いたのも武美だという。実は30年前、アユコと武美には忘れられない思い出があった。 1980年、岡山――。東京から引っ越してきたばかりの佐々岡鮎子はクラスに友達がいない。心の支えは、かっこよくてギターもうまい大学生の彼、ヒデホくんだった。ところが、二人を主人公に描いた恋愛マンガを、クラスの秋本武美に見られてしまう。美人で勝気な武美に、鮎子はいつもからかわれていたのだ。しかし、武美は物語の続きを読みたがって……。かけがえのない友だちに会いたくなる、感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった~

    大学時代から15年ほど暮らした岡山。
    細かい地名が出てくるだけでうれしくてたまらない。
    友人が住んでいた奉還町なんて、ローカルすぎる。
    天満屋、1番街など、本当に青春を過ごした場所。
    懐かしすぎる。。。

    原田マハさんが過ごした女子校が舞台。
    卒業して15年。
    記念式典で講演をする今と青春時代を各章で少しずつ進んでいく。
    そして最終章。
    これまでのことが急な展開に。

    非常に面白く読めました。
    岡山弁や人柄の良さ。。
    映画もあるようで、そちらも是非手に入れたいと思います。

    • kuma0504さん
      いるかさん、おはようございます♪
      「でーれー」という言葉を生活で一度も使ったことがないので(「ぼっけー」はよく使いました)、それだけで反発し...
      いるかさん、おはようございます♪
      「でーれー」という言葉を生活で一度も使ったことがないので(「ぼっけー」はよく使いました)、それだけで反発して小説も映画も観ていないのですが、ずっと気なっている作品です。

      でもこの前岡山の方言本を読んだら、倉敷と岡山では少し方言がずれてる可能性がありそうです。読まず嫌いはよくないかな。読んだらそれなりの発見があるかな。
      2022/10/24
    • いるかさん
      kuma0504さん おはようございます。

      コメントありがとうございます。

      でーれー 確かに人によって随分違うかもしれませんね。...
      kuma0504さん おはようございます。

      コメントありがとうございます。

      でーれー 確かに人によって随分違うかもしれませんね。
      落合町出身の友人は どえりゃー で、岡山市出身は でーれー だったような気がします。
      倉敷駅前商店街の中の神戸屋というカレー屋さんは「でーれーカレー」と「ぼっけーカレー」があったような??

      地名をよくご存知なkuma0504さんなら、きっと楽しく読める本だと思います。
      よければ是非。
      2022/10/24
  • 人気漫画家になっていたアユコは、30年ぶりに母校の記念行事で講演をするために高校時代を過ごした岡山を訪れる3日間の物語。
    彼女を招いたのは母校の女子高で教師をしていた武美だった。彼女は1年生の終わりに転校していった親友だった。
    また同級生たちも集まり前々日には同窓会も行われるし、翌日にはサプライズサイン会とか、でーれー素敵な物語でした。
    ストーリーは現在と80年代の岡山を行き交いながら母校での講演へと繋がっていきます。変わらないものは市内を走る市電に洋菓子店「白十字」のチーズケーキに鶴見橋。この橋はアユコが2次元の恋人ヒデホと待ち合わせた場所だった。アユコが描いた恋愛漫画を見てしまった武美が「この物語は実話である」との1コマ目のことわりをリアルに信じて二人の恋に興味を抱き応援しだしたのでした。とゆうか漫画の彼氏に武美自身恋してしまったのだから、漫画家としてのアユコの才能はすでに開花していて最初のファンが武美だったようです。
    現在の武美は夫を亡くし、義理の両親と一緒に暮らす身の上にも義理堅さを感じつつ、当時通った喫茶店「ドンキホーテ」でのエピソードや、長い地下道の真ん中あたりで風呂敷広げてブローチ売ってた無精髭のオッさんとか、同年代の男子との出会いに、クリスマスイブのエピソードと青春時代が走馬灯のように駆け巡り、恋よりも友情を選んだ16歳のアユコの気持ちもビンビン響いてきました。
    光の中にいると明るさに気づかないものだとか、ハマさんらしい上品な表現やユーモアがちりばめられていた岡山を堪能しました。
    そしてラストの展開は期待と違ってたのですがあっけなく切なくって、デーレー泣かせてくれました。

  • 心洗われるきれいな話でした。懐かしい。

  • 舞台は岡山。なのに自分が過ごした水戸のような感覚になる。
    高校時代、水戸の宮下銀座にあった喫茶店によく行った。確か「ポニー」だったように思う。
    昔の喫茶店には自由ノートがあって、そこに胸の想いを綴ったりした。会ったこともない人達ともそのノートでやりとりし、繋がった。今でいうSNSのように。
    一年前亡くなった親友とも訪ねたことがあった。正確にいうと時間差で訪ねた。そこには彼の青春の傷みが綴られていた。私を待ちながら。

    この話は青春小説である。
    瑞々しいという形容がぴったりの。
    「ワダカマリという名の奇妙な岩がごろりと転がったまま」のこともある。
    小さな誤解が、嘘が、大きなワダカマリに変身して何十年続くこともある。

    今回も結末は衝撃的だった。
    多くの韓国ドラマの結末のように
    まあるくまあるくハッピーエンドであってくれと
    願いながら読んだ。

    やはり青春時代はほろ苦い。

  • 懐かしいわ...。
    いや、話に出てくる同じ高校に通ってたわけでもないけど、岡山にも住んだことないけど。
    何か懐かしくてキュンとするお話でした。勝手に話に色付けしてみるならば、夕日の色とかセピア色。いろんな意味でいい時代だったなあって。
    さらに岡山弁がよかった。
    最後は....ちょっと悲しいね。

  • 岡山の女子高に通いながら漫画を描いていた「あゆ」とその親友だった「武美」の物語です。
    現在は43歳の独身で漫画家のあゆ。
    3年前に夫を亡くし独身の武美は母校で国語教師になっています。
    27年ぶりに「武美」が企画した同窓会で二人は再会します。

    現在と女子高生だった16歳の時間をいったりきたりするお話です。
    武美はとても綺麗で目立つ女子で、あゆは普通の女子ですが、漫画が上手いので人気者になります。『でーれーガールズ』という漫画を描いています。「でーれー」とは岡山弁で「すごい」とか「すごく」とかの意味だそうです。

    この小説であらためてマハさんは人物造型やストーリー展開が非凡で上手いなあと思いました。
    あゆと武美の二人の気持ちがそれぞれよくわかりました。
    そしてあゆの生まれて初めての失恋をした日の、もうひとつの大きな悲しみがすごくリアルに伝わってきました。

    無理やり、難をいえば、少々出来すぎのストーリーかなと思ってしまったくらいです。

    私も、高校は三年間女子高に通ったので独特の雰囲気を懐かしく思い出しました。

  • 学生時代の甘い記憶やほろ苦い思い出などが思い起こされるよう。最後にはマハさんの好き(とどこかで読んだと思う。)なハトが出てきて良い感じ。

  • 女子高生の友情を描いた作品です。
    良かったです。最後は感涙です。
    80年代の固有名詞が続々と登場し懐かしいなあって感じで読みました。
    映画見たら昔を思い出すんだろうな^_^
    全国の高校オタクとしては山陽女子高等学校インプットしました。早速Wikipedia検索したら、何と現在は共学校になっているとのこと。岡山県筆頭の歴史ある私立女子高という伝統が一つ昔の姿を変えてしまい残念な気持ちになりました。

  • 漫画家になった主人公が母校の創立記念日に講演をする事になり、高校時代を過ごした岡山で当時の思い出や気持ちを回顧するストーリー。
    岡山に住んでいた事があるので、場所や方言がリアルに伝わってきた。更に時代や学校や思い出は違えど、自分の学生時代の事も思い出し、読んでいる間ずっと甘酸っぱい気持ちに浸った。当時は淡々と過ごしていた気がするが、振り返ると学生時代というのは、なんて生き生きと光輝いているんだろう。
    映画化されるので是非見に行きたい!

    • tooru727さん
      アユコ先生の母校、白鷺女子高のモデルは原田マハさんの母校山陽女子高校。
      制服の白リボンの話とかホントにあるネタで山陽女子高校を思い出しました...
      アユコ先生の母校、白鷺女子高のモデルは原田マハさんの母校山陽女子高校。
      制服の白リボンの話とかホントにあるネタで山陽女子高校を思い出しました。
      ステキな学校です。マハさんの原点のひとつかも。
      2018/04/08
  • 星3.5
    原田さんのセンスの良さにはいつも脱帽させられる。人の気持ちの描写を繊細に、分かる分かる!というリアルさを醸し出しながら、感動、ユーモア、寂しさ、切なさなど喜怒哀楽全てを詰め込んだ作品に仕上げてるところはさすがとしか言えない。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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