モノマネ芸人、死体を埋める(祥伝社文庫ふ12-1) (祥伝社文庫 ふ 12-1)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396348960

作品紹介・あらすじ

『逆転美人』の著者、書下ろし最新作早くも全国の書店で大反響!死体を埋めなきゃ芸人廃業!?極上伏線回収ミステリー!関野浩樹は、往年の名投手竹下竜司のモノマネ一本で生計を立てている。竜司本人にも気に入られ、晩酌のお供をして多額の小遣いまで稼ぐ順風満帆な芸人生活……のはずだった。ある夜、竜司が行きずりの女性を殺してしまうまでは!現場に呼び出された浩樹は愕然とする。竜司が捕まれば、モノマネ芸人は廃業必至!? 咄嗟の機転で完全犯罪を目論む浩樹だったが……。

感想・レビュー・書評

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  • 「女性は怖い。男性は単純。」
    とつくづく感じました。

    「逆転美人」「逆転泥棒」で藤崎翔さんの作品にハマってしまい、こちらも拝読。

    元プロ野球選手である竹下竜司のモノマネ一本で生計を立てている主人公、関野浩樹。ある日、竹下が殺人を犯してしまい、死体の遺棄を頼まれる。竹下が捕まると、仕事が無くなってしまうため、関野は死体を埋めることに•••
    というあらすじ。

    散りばめられた伏線を終盤にかけて回収していき、物語もどんでん返しが複数回。予想外の展開に満足感が高かったです。

    絶対的に悪ではあるが、もしかしたら罪を免れることができるかもしれない道。正義ではあるがその道を行けば、必ず罪を背をわなければいけない道。
    どちらか必ず選択しなければいけない時、自分なら100%迷わずに正しい道を進む事ができるのかをすごく考えさせられました。

  • 喜怒哀楽も真実もジェットコースター!
    仕事と良心、究極の選択を迫られた時しっかり判断できますか?

    元野球選手(竹下竜司)のモノマネ1本で生計を立てている主人公・モノマネ芸人(マネ下竜司)。
    もうネタは「竹下竜司」しかないんです。
    しかも「平成の名投手」は過去の栄光で、最近はテレビでも見たことないような。
    (よくも、まあこんな危ない綱渡りを。。笑)
    本人とモノマネ芸人の蜜月関係も長いこと続いたところに、竹下が犯してしまった殺人事件。
    竹下、マネ下に遺体を片付ける手伝いを要求。
    マネ下、片棒担いだとバレたら人生ごと終わる!
    けど本人が犯罪者では仕事が出来なくて困る。。
    これ、すぐ判断できます?!

    私あれよあれよと騙されました。
    チラッと「あれ?」と思う会話もあるんです。
    結果「やっぱりか〜」と思うものから、「そうなの?!」と思うようなものまで。
    なんだか最後は落語のオチを聞いたような気分になりました。
    因果応報のドミノ倒し。
    人間、悪いことはできないな〜(笑)


  • 一冊の本が一つのネタみたいに繋がっていて、
    オチあり、ツッコミあり、ボケもある。

    騙して、騙して、そしてまた騙す。

    愉快で軽快な話でした。

  • 読みやすくて面白かった!
    さすがお笑い芸人ならではの発想と視点が何とも気持ちよく、あまり複雑でないから辿り着く先のラストに様々な想像力を掻き立てられる。

    本当にありそうな心理的悲劇であり、本当にありそうな芸名で更にウケました!

  •  有名野球選手のモノマネ一本で芸能界で生きている、マネ下竜司。

     そんなある日、モノマネを許していて仲の良い往年のレジェンド選手、竹下竜司が殺人を犯す。

     殺人事件が表沙汰になれば、マネ下の芸能界での食い扶持もなくなるということもあり、殺人を隠蔽することを協力するマネ下。

     果たして、彼らは殺人を隠蔽し続けることはできるのか?

     まず、面白いなと思ったのは、冒頭部分。マネ下竜司が始球式でネタをするのですが、そのネタが本人の竹下竜司を知らないのに、面白い。

     観客が笑うところで笑ってしまうので、本当にネタを見ているみたいでした。

     また、モノマネ芸人の芸名が面白く、普通の会話なのに福山雅治のモノマネ芸人、ぷく山雅治や役所広司のモノマネ芸人、役所狭司、藤田ニコルのモノマネ芸人、藤田似テル、椎名林檎のモノマネ芸人、椎名すりおろしりんごなどなど、名前の字面だけで笑える不思議。

     実際、モノマネ芸人さん、確かにそんな感じの芸名多いよなぁと思いますが、よくこんだけのモノマネ芸人の名前考えたなと思いました。

     さて、本作はミステリーですが、どこかコメデイタッチでもあり、滑稽とも映る内容となっています。

     そして、モノマネ芸人として芸能界で食べていくためには、実はモノマネしているネタ元である本人と一蓮托生ということもあり、明日をも知れないなと思う反面、実は私達も主人公であるマネ下竜司とそんなに変わらない生活を送ってるなと思いました。

     それは、モノマネ芸人同様、実は私達も、明日は何が起こるかわからないということです。

     明日になれば、勤めている会社が不祥事を起こしたり債務超過で倒産するかもしれないし、上司が出世争いから脱落して自分自身の地位も危うくなるかもしれない。

     いきなりコロナ禍になって観光客が減って店がたちいかなくなり、店をたたまなければならなくなったりするかもしれない。

     きっと自分で生きているつもりでも実は何かに頼っていたり、何かのおかげで今を生きているに過ぎない私達は、モノマネ芸人のマネ下とそんなに変わらないのではないか。

     そう思うと、明日は我が身だなと思いつつ、モノマネで生きていくにはあり得るストーリーだなと思える作品でした。

  • ネタが一本しかないモノマネ芸人なら
    従うしかないかも…

    後半の怒涛の展開や
    気づかないかった拍子が
    のちに伏線となっていたり、
    面白かったですよ。

    モノマネ芸人の名前も
    実際にありそうでよき

  • 殺人事件(事故?)があって、その死体を遺棄して……
    犯人も動機も死体遺棄を手伝った者まで 表紙&タイトルにあるのに……

    何故 こんなに ぶんぶん 振り回されるのだろぅ?

    シリアスな場面さぇ軽快なやり取りで 読み進めるさせ、さらりと伏線を張っておく。
    その伏線を回収した後、また転がされる(笑)
    一気読みでした。

    やはり 人って正直である事が大切なんだなぁ~


  • 天網恢恢疎にして漏らさず

    個人的な好みとして、犯罪を犯す側の話は精神的にしんどく感じました。とは言え、面白可笑しいと評判の作品も書いてらっしゃるので今度はそちらを読んでみたいと思います♪

  • ちょっと読むのに時間がかかりました
    終盤は楽しかった!
    モノマネの世界もなにかと大変だなぁ〜

  • 犯人謎解き推理小説とはちょっと違うけど面白かった。
    主人公マネ下に感情移入して途中から応援してしまった。
    モノマネ芸人の芸名がたくさん出てきたけど、よくこんなにたくさん思いつくなーと思いながら読んでいた。

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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