お梅は呪いたい(祥伝社文庫ふ12-2) (祥伝社文庫 ふ 12-2)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396350390

感想・レビュー・書評

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  • 古に封印されたの呪いの人形が令和時代に復活! 怖いはずの人形がめっちゃキュート? #お梅は呪いたい

    ■あらすじ
    戦国時代に怨念の力で大名を滅亡させていた呪いの人形、お梅。人々の恐怖からお梅は封印されてしまったが、現代の工事現場で破壊されてしまったのだ。蘇った呪いの人形お梅は、令和時代の人々も呪い殺そうとするのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    笑った~ このユルさ、最高ですね。ミステリーや文芸的にどうのこうのではなく、エンタメや読み物としてGOODな評価をしたくなる作品でした。

    戦国時代の呪いの人形が現代に蘇るなんて、発想力が面白過ぎます。とにかくお梅が可愛いんですよ!人を呪うために努力したり、現代を学ぼうとする姿勢が滑稽。誰も指摘してくれないから解釈を間違ってたりもするし、あーなんてキュートなの!我が家にも来て欲しい!

    さらに彼女が絡んでいく現代人がストーリーを盛り上げるんですよ。現代人が持つ人間性や環境や悩み、それらがお梅の呪いにどんな影響をもたらすのか。これが楽しいったらありゃしない。

    YouTuber、失恋した女性、引きこもり、いじめ、介護問題など、現代における一癖二癖ある絶妙なところをいじってくるところがニクイ。真面目に考えるとセンシティブな問題だったりするのですが、からっと笑える内容に落とし込んでるところが大好きです。

    また藤崎先生は小ネタを仕込むのが上手。トイストーリーやチャイルドプレイのネタを放り込んでくるところはさすがですよ、笑いのツボがわかってらっしゃる。

    肩ひじ張らずに、誰でも気軽に楽しめる作品です。ある程度年齢を重ねた人むけには絶対ウケる本だとは思いますが、ぜひ若い子たちにも読んで欲しいですね。

    ■ぜっさん推しポイント
    最高に下らないお話(誉め言葉です)にも関わらず、ドキリとさせてくれるシーンがあるところが先生の強み。

    本作の登場人物が、いまわの際で人生の真理に気づくシーンがあります。それを横で見る呪いの人形お梅の気持ちとの対比を考えるとまた笑えるのですが、これがなかなかどうして深いです。

    お梅が必死に人を呪いたいように、人も必死に幸せになりたいと願う。でもそれは何故なのか?実は同じことのような気がしますね。

  • 表紙絵にあるお梅人形がっ!?て考えると、全ての事がどうしようもなくかわいい。
    そしてお梅の現代への順応性、素晴らしい。
     
    1話目では、「世の中の誰もが夢を追わなくなったら、都内のコンビニ、いやコンビニ以外も含めて客商売全体が、深刻な人手不足に陥るはずだ」というフレーズがあり、そんな事を妙に納得してしまうバイアスに感心。
    2話目では、ちゃゐるどぷれゐのちゃっきゐと自分を比較しているところがかわいい。真剣に冷静に分析している笑

    最後には怒涛の伏線回収、そして最終話だけ毛色が全然違う。

    とりあえずおバカな話、おバカのような梅子のお話。

  • 呪う気満々の日本人形のお梅は、人を呪いたくてたまらない。しかし全然上手くいかない。その様子が笑えて可愛らしい。
    「ゐ」や「ゑ」等、旧字が読みにくいけれど、それが逆に面白くなっています。
    楽しくておもしろい本でした。

  • 裏表紙に書かれていた
    「オカルトハートフルコメディー」

    「オカルト」と「ハートフルコメディー」は、
    相入れないものと思ってましたが、
    まさかのマリアージュ

    人形のお梅の奮闘&空回りぶりが
    じわじわと刺さっていく。

    また、短編だが登場人物が繋がる系は、
    個人的に大好物なので、
    大変楽しく読めました。

    是非、周りの人に薦めたい

  • 呪いの人形の話なのに微塵もホラーみはないし、紹介にもあるように基本的にはハートフルコメディ。中盤くらいまではまあまあ淡々と進むが、中盤以降にいろいろ紐付き始め、変化が出てくるあたりからが本領発揮。お梅の思いが報われずなんなら存在感が薄くて、お梅が取り憑こうとする人達の群像劇が主体なのも笑える。最終話は結構うるっとくるし、エピローグではすっきり。お梅から観た人形映画のくだりとかも面白い。

  • バカミス (笑)
    なのに…めちゃくちゃハートフル♪ そして見事な伏線全回収、

    本当に呪いの人形「お梅」を応援したくなる…

    連作集で呪いの対象者とお梅 のパートに分かれてるから隙間時間にもちょうど良い♪
    一気に読みしてしまったが…そんなテンポの良さも◎


    でした。

  • 前評判通りかなり笑った。気がつけば、イヒイヒ言いながら読んでいた笑。最後の章で、「ぴあの売ってちょ〜だい」に、ついに大爆笑した(*^▽^*)
    しかし!最後から2番目の認知症の男性の章で、まさかの大号泣。
    これは亡くなったわたしの大好きだった母が認知症を患っていたから。
    今まで認知症の書籍は何十何百冊と読んだけれど,そういえば認知症の人の視線で書かれた文章を読んだのは初めてだった。
    こんなふうに日々物事を忘れていったのかなーと、あまりにもリアルで引き込まれた。

    それまでイヒイヒゲラゲラ笑いながら、「終わったらブックオフへ持って行こ〜う」なんて軽いノリで読み続けていたのに、この章を読んでから、このお梅ちゃん、忘れられない、そして、手放したくない一冊になりました。
    お梅ちゃん,ありがとう(ToT)

  • 500年前。。戦国時代。
    大名一族を次々と呪い滅亡まで追いやった日本人形お梅。
    人々から恐れられ長らく木箱に幽閉されていたお梅が500年の時を経て現代の世に解き放たれた!
    お梅を拾うのはみんな訳アリの人ばかり。
    呪いをかけようと毎度奮闘するものの、何をやっても裏目に出てしまい逆に幸せを呼んでしまう始末。
    Eテレで現代のお勉強をしてみたり、猫に絡まれやすく度々追い回されてみたり。想像すると面白い

  • おもしろかった。
    人間を苦しめ呪い殺したい日本人形のお梅は、図らずも持ち主たちの
    悩みを良い方向へ導いていく…
    がんばるお梅が不憫で応援したくなる(笑)

  • 500年ぶりに封印を解かれた呪いの人形・お梅。
    かつて戦国武将をも呪い殺したお梅の力が、現代人には全く効かない?!

    呪うどころか次々と持ち主を幸せにしてしまうお梅ちゃん♡
    悔しがる姿が可愛くて、ほっこりしてしまいました(◍︎´꒳`◍︎)
    伏線回収もお見事!

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著者プロフィール

藤崎 翔(ふじさき・しょう)
1985年、茨城県生まれ。茨城県立竜ヶ崎第一高等学校卒業。高校卒業後、お笑いコンビ「セーフティ番頭」を結成。ネタ作りを担当。2010年にコンビを解消し、小説を執筆。、2014年、初めて書いた長編ミステリー「神様のもう一つの顔」(のちに「神様の裏の顔」に改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、小説家デビューする。著書に『私情対談』(のちに『殺意の対談』に改題)『こんにちは刑事ちゃん』『おしい刑事』『恋するおしい刑事』『お隣さんが殺し屋さん』がある。


「2018年 『時間を止めてみたんだが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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