宇宙家族ヤマザキ

著者 :
  • 祥伝社
3.86
  • (4)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 54
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396613839

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 状況が、よくわかる。ただ中身がイマイチ。支える側の苦労が滲み出でいる。

  • この本は山崎直子宇宙飛行士が宇宙に旅立った後に書かれたものです。
    そういう意味では、筆者・大地さんの前著「宇宙主夫日記 ー妻と娘と夢を追いかけて」の続編と言えます。
    直子さんが宇宙に飛び立つ前の家族の葛藤などはそちらの方が詳しく書かれていますので、
    本書だけを読むと消化不良になってしまうかもしれません。
    両方読むことをオススメします。

    さて、この本を読んで最初に感じたのは、
    まだまだ日本は有人宇宙飛行に挑戦できるほどではないな、
    ということです。

    たかだか数人の宇宙飛行士を、
    他国のロケットに乗せてもらっているだけですから、
    これまでの蓄積がちがいます。
    NASAの宇宙飛行士の家族に対する様々なケアは、
    これまでの苦い経験からきているものでしょう。
    アポロ時代の宇宙飛行士の離婚率の高さは大変なものです。
    宇宙飛行士の妻たちは夫を支え、
    さらに社交的な場に駆り出され、夫は死と隣り合わせの危険な毎日。
    変にならない方が不思議なくらいです。
    ドキュメンタリードラマ「人類 月に立つ」は、
    一話をこの話に割いていて非常に良かったです。

    話が少し逸れましたが、
    まだまだ日本では、宇宙飛行士は特別な職業であり、
    選ばれた人たちはすごい人たちで、
    周りは何を差し置いても宇宙飛行士たちを全力でサポートする義務がある、
    というイメージがあるのでしょう。

    そんな現実を知ることができるという意味でも、
    この本は多くの人に読んで欲しいと思いました。

  • 一気読みしました! 感動しました!

    山崎さん夫妻に対して、これまでそんなに知ってなかったので、この本の前半と後半で全くイメージが異なる、という感触を知りませんでした。後半のハッピーな印象・宇宙飛行士の妻とそれを支える家族というイメージだと勝手に思っていたのですが、3章までのものすごく重たい・現実的なギャップがすごいと思いました。一応、僕も宇宙ステーションに関わる仕事を小さなころの夢にもっていたこともあったので、もう少しちゃんと理解しておくべきだったかな。
    3章最後の『「パパの夢が飛んでいったよ」娘は「おめでとう、かな?」と言ってくれた。そう言ってくれる人が、一人でもそばにいてくれることがうれしかった。』という、自分の夢であった(その夢を失わねばならなかった)「きぼう」が発射していくシーン、電車の中で泣いてしまいました。

  • 宇宙飛行士・山崎直子さんのだんな様である山崎大地さんによる手記です。今回は前作よりも『家族の物語』としての色合いが強くなっており、個人的には直子さんが書く手記よりも共感を強く持つことができます。

    この本は妻であり宇宙飛行士の山崎直子さんを支え続け、一人の男として、また娘を父親としての山崎大地さんの姿が率直に描かれていて、個人的には山崎直子さんの手記よりも共感を多く持つことができますね。山崎さんの家族の物語を聞いていると、宇宙飛行士は離婚経験者が多いということと、NASAにはそれをサポートする体制が整っている、ということがそういった事実を踏まえているんだなぁということが、本当によくわかります。

    事実、山崎大地さんも妻の直子さんの夢を支えるためにいったん、自分の夢に区切りをつけて、家庭に入る決断をするときにことが書かれているのですが、男にとって「夢」に区切りをつけるということはどういうことなのかということが痛いほどよくわかるので、ここに関することは涙なしでは読むことができませんでした。

    この本には宇宙飛行士の日常などが詳しく記されていて、特に「ブルースーツ」といわれるよく私たちが目にする「ツナギ」をフツーに洗濯機でジャブジャブ洗っているところや家族でテーブルを囲んで直子さんが持ってきた宇宙食を食べている写真がなんともほほえましかったです。そして、僕にとってのハイライトは宇宙に旅立った直子さんがiPhoneで地球にいる山崎大地さんと娘の優希ちゃんと電話やメールでやり取りをする場面で、メールに記されてある
    「宇宙から宇宙一の愛を込めて」
    という直子さんの結びの言葉にはとても感動しました。

    もし、この話をスティーブ・ジョブズが聞いたとしたらいったいどんな反応をするのかなと勝手に想像してしまいましたが、それはさておいて、ひとつの家族の物語としては、直子さんの手記よりも、断然こっちのほうが面白いです。しかし、直子さんの本も合わせて読むと、なおいっそうこの『宇宙家族』の世界に引き込まれることは間違いありません。最近、アップルストアで開かれたイベントで、筆者の山崎大地さんが対談でこのエピソードを話したくれたそうで、主催者側がこの話はアメリカの本社にも伝わったらしく、天国にいるスティーブ・ジョブズが、この話を聞いてくれたかなと、僕は勝手に想像しています。

  • 今まで他の日本人宇宙飛行士やその家族の方が書いた本を何冊か読んだけれど、JAXA(NASDA)に批判的な書き方がされている箇所があるのは初めてだと思う。NASAみたいなサポート体勢が整っていないのは、文化の違いなのかなぁ、有人飛行の歴史の違いかなぁ。

  • 家族の一員として、家族とどのように関わり、どのように支え合っていくのか―。
    本書の前半では、著者は「父として」「旦那として」、そしてご両親の介護を通して「息子として」、家族の在り方を模索している。宇宙飛行士である奥様を支えるためだけではなく、家族を最良の方向へ導くために努力する著者の姿から、家族という単位が難しくも大切であることを感じることができる。
    また、後半は打って変わって、宇宙飛行の舞台裏に驚かされながらも楽しく読める。是非、1冊で2度美味しい(?)本書を味わってみてはどうだろうか。

  • 著者の山崎大地さんは、日本人女性で通算二人目の宇宙飛行士となった山崎直子さんの旦那さまです。ご自身の夢を捨て、「宇宙主夫」として奥様の夢のサポートをし続け増すが、永らく直子さんの夢は叶わず、一時は離婚調停にまで発展し、家族崩壊の危機も・・・・。そんなバラバラになりかけていたヤマザキ家の絆を確固たるものにしたのは、めでたく宇宙に飛ぶことが出来た直子さんから大地さんに送られたラブレターでした。朝日新聞紙上で反響を呼び、Twitterでも話題となった本です。気になる方は、大地さんをフォローしてみては??(アカウントは、@Taichi_Yamazakiです★)

    院生アルバイトスタッフ

  • 宇宙飛行士っていうのは家族も含めて本当に大変だと思う。 夢を追いかけて、それを応援する。 美しい話ではあるが、その裏には様々な犠牲と我慢、努力があるんだなと思った。

  • 奥さんの本と対比して読むとより面白い。共働き家庭が家族として一つになっていく生々しい話。

全12件中 1 - 10件を表示

山崎大地の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×