- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396614836
感想・レビュー・書評
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微妙!!
話し言葉で書かれているので読みにくい。
つまり〜、のようにまとめられていることに作者の考えが入りすぎていて、客観性がなくイマイチ。
あとは、自分の前提知識がなさすぎて読むのが難しかったです。
これは反省。
すみません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書仲間の間で話題であった一冊、増税前の駆け込みで購入しました。何気に出口さんの著作はお初だったりします、ふむふむ。
“世界のこと、過去のこと、今日のことなど、
いろいろなことを知れば、
一つの地域や国の歴史に引っ張られずに、
ものの見方や考え方が多面的になります。”
“教養”というにはちょっとばっかりフワっとしてるかなと感じました、、というか、ここでのネタはそのままでは使えないなぁと、オブラートに包まないと相手を怒らせそうです。
“アメリカは、世界で一番ユニークな人工国家”
それはさておき、アメリカが壮大な実験国家であることや、複数国家を絡めて横断的に欧州を見ようとしている点など、歴史を俯瞰する点においての興味深い視座をいくつかいただきました。欲を言えば、欧州における“ウェストファリア前後”での、それぞれの“国家観”の差異についても伺ってみたかったかな、とも。
ただ、ご自身でも「ものの見方や考え方を多面的に」と仰っているように、ここに描かれている内容を“鵜呑みにする”のは、ちょっと危険ですかね。そういった意味では、こちらを単体で読むのではなく、他の類書と併せて読む方が腹落ちもいいかなと感じます。
個人的に一つ気になったのは“歴史の正しい姿はやはり一つ”との言い回し。こちら、実際にどうお考えかはともかく、言葉をそのまま受け取ってしまうと、なんとも危ういなと。「歴史認識を一つに束ねる」というのはどうにも違和感が残ります、これは転じて「価値観の多様性」を否定することにもつながりますから。
他の部分で「考え方を多面的に」と述べてるのと矛盾してるってのもありますが、この辺りはいわゆる“団塊の世代”らしい共産主義的な理念だけの歴史観かな、と。ついでに言うと、日本というか、天皇家に対して否定的なのも個人的には嗜好があわないなぁ、なんて風にも感じました。
そんな前提があるからか、“日本文明の背骨としての天皇家”を抜きにして、大陸や半島との同質性に言及しているのが、なんともおさまりが悪いです。まぁ、中華圏の文明に心酔しているであろうことは伝わってきましたが、、なんというか、日本文明は彼らの劣化版でしかないと、言いきってますしね。
昔から「中国5,000年の歴史」なんて言い回しはありますが、現実には王朝は百年前後で都度都度刷新されてますし、支配階級も複数の民族が入れ替わりながら“国体”がコロコロと変わっているのは、出口さんご自身が本書の中で述べられているコトでもあります。
そういった点で、個人的には大陸に“歴史と文明の連続性”は見いだしていないのですが、それでもあえて“地域としての連続性”を見いだすのであれば、、ヨーロッパや中東圏についても同様に“地域としての連続性”を前提として語るべきと思いますが、なぜか、そちらは切り離したものとして扱われています。
この辺りの基準が二重になっているのが、個人的には分かりにくい部分だったかな、と。
ちなみに日本では、考古学的に見ても1,500年以上は“天皇家”という一つの王朝が続いています。正史としては神武天皇の即位から数えて今年で2,674年ですかね。ギネスブックにも載っているのにはビックリですが。
他方、大陸の今の王朝「共産中国」は成立から70年程度、民族としては漢族になるのでしょうが、その前の「清」は満州族による王朝でした。その前の「明」は漢族でしたが、その一つ前の「元」は蒙古族と、散在する各民族が中原をめぐって獲ったり獲られたりの繰り返しかな、と。
といっても、これは特に珍しいことでは無く、欧州を見ても、民族単位で各国の“国体”とその“支配階級”はその時代時代で変わっています。そういった意味では、日本の在り様の方が世界史的には“特異”で前例のない存在なのかもしれません、、閑話休題。
さて、個人的に一つ伺ってみたいと思ったのは、トインビーの「12-3歳までに神話(歴史)を学ばなかった民族は例外なく滅びている」との言葉、これに対して日本は今後どう向き合っていくべきでしょうか、との視座。
ん、歴史は事実との対話に過ぎず、そこから派生する“真実”はそれこそ人の数だけ存在する、そんな事をあらためて実感した一冊でした。 -
世界史は高校一年生の時に初めて受けた先生が悲惨で、それ以降ずっと苦手科目です。
カタカナ文字が人命なのか都市の名前なのか、全然判別がつかず、覚える気にもなれず、
世界史の先生は(生徒を見ず)天井を見て、勝手に話す人で、もう悪夢しかありません。
そういう低レベルな私も社会人となり、仕事をするようになって、
やっぱり教養として世界史もかじっておかないとな…という気持ちだけは持っていました。
(塩野さんの「ローマ人の物語」とか読んでみたいし。。読み切れる気がしないけど。)
そんな世界史オンチな私が「仕事に効く」と言われれば、
そして博識の出口さんの本ならば、
「自分にも読めるかも?」ということで手に取った本(前置きが長い)。
読みながら(比較的楽しく読めます)、
「どこが仕事に効くんじゃい?」と疑いながら読んでいたのですが、
最後の「おわりに」でようやく腑に落ちました。
この本は、先に「おわりに」に読んでおく必要がありますね。
著者の深い推察も随所に散りばめられているので、
歴史オンチにはどれがFACTで、どれが著者の主張なのか、
著者の主張はどの程度正しいのかは全く見当もつきませんでしたが、
そのロジックは「なるほど確かにそうなのかもな…」と頷かされる箇所が多かったです。
その点も勉強になりました。
この本をきっかけに苦手の世界史も少しずつかじっていこうかなと思わせてくれる一冊でした。
とは言え、やはり前提知識はないよりあった方がベター。
全く知識がないところは、たくさん出てくる国名や人名にチンプンカンプンでした。
これにめげずに、少しずつ勉強したいです。
著者の中に出てきた「紅茶スパイ」、めちゃめちゃ読んでみたくなりました。
https://booklog.jp/item/1/4562047577 -
○出会い
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(ドイツ宰相オットー・ビスマルク)という言葉もあるように(本来の言葉は少し異なるという議論はさておき。)、知識ゼロの歴史を少しでも学んでみたいという思いがあり、もともと何かのランキングで紹介されて知り、「仕事にも効く」というこの1冊をチョイス。
○感想
歴史をまったく勉強してこなかった知識ゼロの自分には難しく、何回も眠りに落ちてしまった。でも、歴史の全体の流れや繋がり、背景を知り、興味を持つには有効な1冊だと思う。(私のような知識ゼロは、最初のうちはわからないなりにも読み進めていくことで、少しずつ理解できるのだろうと思う。そして入門としては、まずやはり池上彰先生の本がわかりやすい。)
タイトルの「仕事に効く」という言葉で、格言的なものや、仕事に対する解決策などを期待していたが、直接仕事につながるような話ではなかった。
しかし、著者の意図した「仕事に効く」解釈が巻末の「おわりに」の部分に記され、その部分に大変共感できた。
歴史の中で起こる様々な出来事も、地理、天候、王の交替、突然の侵略など思いがけないこと、コントロールできないことが起きることによって、現在に至っている。自分の仕事や人生においても、突然の人事異動(著者も前の会社で子会社出向を命じられている)だったり、納得のいかない、自分の思いに反することがたくさん起きる。それらも長い歴史のことを考えれば、当然のことであると受け止め、どう対処していくかを考えられると思えるのだろう。 -
語呂合わせで年号を覚えて入試の対策をする。恥ずかしながら私にとって歴史はその程度の意味しかなかった。歴史に対する私の姿勢に鉄槌を浴びせる一冊。
不思議と、恥ずかしいという気持ちとともに強く後悔する気持ちが湧いてきた。次元の低い語呂合わせのネタにされている歴史の裏で躍動する人間の活躍を完全に見過ごしていた。純粋に面白い。数千年という長い物差しで、今の日本、自分のおかれている状況を見つめ直すと、これまでと全く違った心持ちになる。日々感じている不安感も和らぐ気がする。
新しい喜びに目を向けさせてくれた出口さんに感謝。 -
きっかけ:仕事に効く、というタイトルに惹かれて
内容:著者による脚色や考えなども入っているかと思うが全体的にストーリー仕立てになっており読みやすかったです。 中学、高校で学んだ世界史の復習となりました。
今後のアクション:今まで世界史に苦手意識があったけど、この本のおかげで敷居が低くなりました。 写真などの資料集を今後読みたい。 -
ヤコブがイエスの弟だった。13日の金曜日は1307年10月のテンプル騎士団一斉逮捕が原因で縁起が悪いとされたなど、知らなかったことが書かれていた。歴史というものは掘り下げれば掘り下げるほど面白いものだ。
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今回の題材は世界史ですが、教養という概念そのものに深さを感じました。
単にビジネスマンとしてこの世界史の事象を知っておいてください!という本ではなく、筆者本人がこの歴史に対してどう考えるのか?なぜなのか?
という一般解に対して、自分なりの回答を持っている点が素晴らしいです。 -
#仕事に効く教養としての「世界史」
ライフネット生命保険株式会社創業者の出口治明 氏の著書です。
読んだ歴史書は5000冊以上という自他共に認める歴史マニアということです。
日本史の位置づけから始まり、中国、宗教、ローマ、ドイツとイングランドとフランス、交易、中央ユーラシア、アメリカとフランス、アヘン戦争など10の視点で歴史が語られています。
【本書で学べること・考えること】
・10の視点による世界の流れ(歴史)
・歴史は残った記録による(残っていないものはわからない)
・歴史は後世の権力者によって恣意的に書かれたものもある
・その人の視点により解釈が変わる
読んでみての感想です。
世界の歴史の流れを把握する読み物としては面白く読めました。
各出来事の時代背景、ウラ話的な内容も良かったです。
著者の視点による歴史語りです。
反面、個人的には問題点もあると思います。
歴史は視点によって解釈は大きく変わるものです。
従って、記載されている内容についての出典や参考文献などの記載は重要です。
しかし、本書にはそういった記載が一切ない上に著者独自の解釈もごちゃ混ぜになっています。
仮説なのか、何かの文献に基づくものなのか、事実関係がよくわからないところも多いです。 -
世界史を学ぶことの必要性と、学者ではなくビジネスマンとして歴史に造詣の深い出口氏の本をいつか読んでみたいと思っていたので購入。
教科書的に古代からスタートして現代までの歴史を解説するのではなく、出口氏の独自の視点での歴史論が展開され、興味深く読了できた。
教科書では決して述べられることのないペリー来航の目的やキリスト教の成り立ち、そしてアヘン戦争の位置付けなど、さすが噂に違わぬ歴史観の持ち主だと感心せざるを得ない。
特に、歴史を述べた書籍において「生態系」の考え方を取り入れていることは特筆に値する。
現代ではとかく"国家"を主体として事象を捉えがちであるが、世界史を考える際には異なる生態系の種族が交易を通じて発展してきたという視点がなくてはユーラシアの発展を説明することができないということを知り、目から鱗が落ちる想いであった。
本書は世界史における日本の位置付けにも言及しており、日本の社会常識を世界史の視点で考え直すことを勧めている。
最近学習指導要領の改訂で近現代を中心に学ぶ「歴史総合」が必修化されるというニュースがあったが、そもそも日本史と世界史を分けていたこと自体に問題があったのだのではないかと思えてならない。
近現代史を学ばずして現代社会における様々な問題を理解するのはナンセンスであると池上彰氏も再三言っているように、国も世界の近現代史を学ぶことの必要性にようやく気付いたのではないかと考える。
日本史に関しては、いくら島国とはいえ、自国の歴史のみを学んだところで様々な要因で引き起こされた歴史的事実を正しく理解するのは困難であろう。
自分も高校時代と大学受験時に日本史のみを選択してしまったため、世界史へのコンプレックスが40代になった今でも払拭できない(本書を購入したのもそれが理由のひとつである)。
そういう意味でも、本書は世界史を通して社会を理解する一助となるものである。
しかしながら、やはり本書は世界史の入門書とは言い難いというのが率直な感想である。
ヨーロッパ史が絡む部分は結構突っ込んだ内容であるため、ある程度世界史の基本常識は押さえた読者向けなのかもしれない。
自分のように日本史しか学んでこなかった人間にとって、正直読むのが少々辛い部分もあったことは否めない。
他の入門書や教科書等でもう一度世界史の基本を学んでから再読したいと思う一冊であった。 -
人生を面白くする本物の教養を書いた出口さんの本を読んでみました。
読んでいて、自分に世界史が身についていないことを思い知りました。旅行に行って、その土地の簡単な歴史を学ぶことはありますが、世界史としての歴史の流れを学ぶことはあまりしてこなかったので、読んでいて話についていかないことが多かったです。
世界史を学ぶことで、日本史の狭い視野だけでなく、グローバルな広い視野で考えることができるようになると思うので、身近な世界史で興味を持ったことを自分で調べてみて、腑に落ちるまでは調べてみようと思いました。 -
衝動的に本を読み、感想を書かずに放置、結局内容忘れて読み直し、みたいな展開を無限ループでこなす毎日です。
日本を知りたければ、世界の歴史を知るべきだ。
昨今、ビジネスの世界で求められることが多いのは、世界の情勢もさることながら、我々が住んでいる『日本』そのものに関する知識である。
しかしながら、いわゆる日本史に囚われた知識では、「外から見た日本の視点」は手に入らない。
今、教養を身に着けるため真に学ぶべきは、世界史である。
著者は、生命保険会社のCEOを務める傍ら、世界中の1,000を超える都市を訪れた経験を生かし、京都大学で歴史に関する特別講義を受け持っていた方だそうで。
義務教育でありがちな、○○年に△△があった、◇◇が××を行った、という「覚えるための歴史」ではなく、「ストーリーとしての歴史」を意識した構成になっており、非常に読みやすい本になっています。
触れられているのは、中国における王朝の変遷、キリスト教のルーツ、ローマの皇帝と教皇etc...。
今まで名前くらいしか頭に留まらなかった歴史上の人物が、キャラクターを伴い紙面上で踊りだすようなおもしろさです。
特に、長きに亘って日本の文化に影響を与え続けてきた中国の変遷は、中国大陸だけでなく、中央アジアやヨーロッパまで含めた俯瞰的な視点で見つめることによって、新鮮なものになっています。
教養書籍としてだけでなく、読み物として純粋におもしろく読める本でした。 -
人間はワインと同じ。生まれ育った地域の気候や歴史の産物。交易はかならず双方を豊かにする。交易こそが世界をつなぐキーワード。ペリーがやってきたのは中国との貿易が目的。大英帝国と激しく争っており、太平洋航路を開いて中国と直接交易するしか勝利する方法が無かった。ハリスはしょっちょう金と銀をこうかんして儲けた儲けたと喜んでいた。日本の金と銀の比率は1:5と世界の1:15より金が安く大量の金が流出した。
易姓革命を正当化するには前の王朝の最後の王様を可能な限り悪く書く必要がある。
宗教は貧者の阿片。この世は地獄だけどあの世は天国だと考えるから。
日本は中国に対抗するために古事記や日本書紀をつくった。
ユーラシア大陸での交易は東が豊かで西は貧しかった。東は長江の美波まで氷河が進出するほど氷河時代が厳しかった。貴重な動植物が死に絶えたがかろうじて東にはお茶や蚕が生き残り競争力のある世界製品を生み出せた。
アメリカを訪れたフランスの帰属はヨーロッパとの違いに驚いた。歴史や伝統といった拠り所をどこにも見出すことができず、最終的には人間の理性とか個の憲法をベースにおいて考えるしかなかったから。 -
現役の会社経営者が、1冊の参考文献もなしに書いた本だなんて信じられないほどの造詣の深さを感じました。とんでもない歴史オタクです。あまりの情報量について行けきれなかった。東洋の繁栄がアヘン戦争前後で西洋に取って代わられたというくだりが興味深かった。GDPを基準にその推移を計測していて、中国やインドが超大国から一気に途上国レベルに落ち込んでしまっていて、反対に英国を始めとする西洋諸国が躍進していたのには驚いた。あと旧約聖書が紀元前4世紀頃の書物だとは知らなかった。キリストの生誕よりもだいぶ前の書物だったとは。
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学生時代に世界史をほとんど学んでこなかった私には、結構読むのに苦労しました。
もっとも、アヘン戦争とアメリカ及びフランスという国についての見方は非常に興味深かったです。
アメリカは歴史が浅い国であるということは聞いたことがありましたが、そういうことかと腑に落ちました。
本書は、やはり世界史の一通りの基礎的な知識を持った上で読む方が断然良いことを痛感しました。
本書でもちらっと批判されているように、学校で学ぶ世界史は無味乾燥で面白味はないかもしれませんが、全ての基礎であることに違いはありません。
この基礎があるからこそ、色々な見方もできるようになるのだと思います。
今年は、私も「漫画版 世界の歴史」を読んで、大きな流れを掴もうと決意しました。 -
「この本は、僕が半世紀の間に、見たり聞いたり読んだりして、自分で咀嚼して腹落ちしたことをいくつかとりまとめたものです。この本の準備のために読んだ本は一冊もありません。それが参考文献を特に明示しなかった理由です。」(「おわりに」より)
学者でもないのにこの本のレベルって、凄くないすか。 -
全11章。終章を除きいずれの章も独立しており、興味のある章を拾い読みすることもできる(各章の題は最後に記載したとおり)。前から順に読むと5章と6章は重複部分が多く、ややくどい。ところどころ著者のこだわりは感じる(コロンブスをコロンと表記。その理由は本書に記載されている。)が、全般に平易に書かれており読みやすい。
表題のとおり『仕事に効く』かどうかは、どんな仕事をしているかにもよる。大抵の人の仕事には無関係と思われるが、雑談ネタとしては面白い。著者は歴史の専門家ではないのでどこまで正確かはよくわからない。著者自身が「勘違いや誤解が多々あると思います。」としており、鵜呑みにすると痛い目に会うかもしれないので、そのつもりで読む必要がある。
第1章 世界史から日本史だけを切り出せるだろうか-ペリーが日本に来た本当の目的は何だろうか
第2章 歴史は、なぜ中国で発達したのか-始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
第3章 神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか-キリスト教と仏教はいかにして誕生したのか
第4章 中国を理解する四つの鍵-難解で大きな隣国を誤解なく知るために
第5章 キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について-成り立ちと特徴を考えるとヨーロッパが見えてくる
第6章 ドイツ、フランス、イングランド-三国は一緒に考えるとよくわかる
第7章 交易の重要性-地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
第8章 中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン-ヨーロッパが生まれる前の大活劇
第9章 アメリカとフランスの特異性-人口国家と保守と革新
第10章 アヘン戦争-東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
終章 世界史の視点から日本を眺めてみよう -
俯瞰的な視点から歴史を見直し、歴史上の出来事の底流を示してくれる。
無味乾燥の年表暗記でしかなかった世界史を、その当時の支配者の意図を解読することで、立体的に見せてくれる本。
ところで、まったく蛇足ではあるが、私は今から約四半世紀前、失意の底でキリスト教系の大学の入学式の席に座っていた。
その入学式で、なんだか黒いスタンドカラーの服を着た学長が、「ここには不本意入学の学生もいるだろう。喜んで迎えたい。これは神の御導きだ。」というようなことを言った。
心の弱っていた当時の私は、自分を認めてあげたいという心の動きもあってか、そういわれたらそうかもしれない、などと思い、徐々にその学校のことを好きになっていった。キリストさんもいいところあるじゃないか。なんて。
ただ、授業で宗教系のものを履修しても、どうもピンとこない。まじめに受講したかどうか、という私の問題も当然あろうとは思うが。
私としては、遠藤周作さんの「沈黙」が題材としている、「神の沈黙」みたいなのなどがどうしても腑に落ちず、ずっとキリスト教とは距離が縮まらなかった。
この本では、宗教を「貧者の阿片」と断じている。
そして、キリスト教を「豊かな資金と情報を持つ」ために進化した宗教と分析している。
出口さんの解釈を読むと、なるほどそうだな、と納得できる。ところがある。
遠藤周作さんの本にもよく出てきたキリスト教の「告白」。正直これも、いまいち腑に落ちなかったところだが、出口さんの解釈によれば、その存在理由は国を超えた情報収集のツール。なるほど。
聡明な人が見ると、いろんなことの背景に、さまざまな意味があることが分かる。おそろしいことです。
四半世紀前、あまり「貧者」ではなかった私(の両親)は、やはり、あまりキリスト教になじめず、しかし、資金の出し手としては、「喜んで迎え」られたということが、この本のおかげで改めてあからさまに… -
歴史に造詣が深いビジネスマンが歴史の本質を語る。
歴史を本当の意味で体系的に考えることができるのは、歴史学以外の目線を持つことが欠かせない。
宇宙人の視点で世界史を見直すのだと、確か「逆説の世界史」で井沢元彦も言っていた。
この一冊で、「歴史に学ぶ」をもう一度。 -
バラバラだった歴史が繋がってきたような気がします。
面白く読み進むことができました。 -
世界史概要
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図書館で借りた。
出口先生の世界史の本。口語体で分かりやすく噛み砕いてくれるのが著者の特徴。入り口が女性天皇だったり、時系列ではない構成はちょっと特殊かもしれない。
基本的には、世界史の重要トピックを数点チョイスして、そこから話を広げていった、という印象を感じた。興味を持った章から読んでも良さそうだ。
世界史に興味を持つきっかけにする1冊、世界史好きがなんとなく読む読み物としての1冊、十二分に世界史を分かったつもりの人がさらに深める1冊、そんな方々に薦めれる。 -
ライフネット生命の出口さんの本。
教養が足りない、歴史をきちんと勉強してこなかったコンプレックスもあり読んだ。
歴史を学ぶ、歴史が好きという人は、長いスパンで物事を考える力があり、ちょっとしたことで一喜一憂しない強さがあると思う。
先人たちから学び、歴史的な文脈から物事を考えられる。
日々勉強だ。教育は大切だ。
一方で、偏りのある人も多い印象。出口さんは保守派。
宗教の捉え方やアメリカに対しての考えはあまり共感できず。
ロシアの問題とかも、もっと歴史を学べば、意見をもてると思った。
過去の歴史をGDPから捉える、国民国家の幻想の話もおもしろかった。 -
世界の歴史が繋がって分かる本。頭の片隅に残っている高校の世界史で出てくる人物や用語がたくさん出てくるけど覚える必要なく読み進めるのは楽しい。
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日本の今の現状が悪くなった訳では無く、平和で安定していた時代の方が稀であるという見方は衝撃的でした。
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素晴らしい。読むべき本。
歴史を見る切り口が新しくかつ納得性がある。
著者に各出版社が歴史書執筆の依頼をする理由がよくわかる。 -
数年前の初読から久しぶりの再読。巷の西洋史観が真の姿ではない、という事を意識することで、新たな見方ができ、新鮮。また様々な出来事が、時代と地域を超えて繋がっていることに面白さを感じました。