- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396615277
感想・レビュー・書評
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駿台予備校講師ということで、ライブで授業を聞いてるような臨場感があって集中して読めた!
「学べ!」のタイトルに偽りなく、勉強になりました…。 -
簡潔・明快
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世界史の1つの切り口
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現代社会を理解する為には
世界の歴史を知らなければ
いけないことが痛感しました。
世界地図の見方も変わりそうです。 -
・地政学とは地理的条件がどのように影響するかを論じる。国際政治はランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)のせめぎあい。
・アメリカの人種別割合で白人は激減しヒスパニック・アジア系(主に中国系)が激増している。このままいけば2050年には白人人口が50%を切り、ヒスパニックが3割に達する。アメリカは依然超大国だが、もはや勤労と禁欲を美徳とするピューリタン的な気質や「世界の警察官」といった使命感は確実に消えていく。「アメリカの時代」は2050年には確実に終わる。アメリカに安全保障を委ねてきた日本にとっては、自立のチャンスでもある。
・アフリカ各国が抱える問題の基本構造は同じ。
1)帝国主義の時代に、民族・言語分布を無視した国境線が引かれ、そのまま独立した結果、ほとんどすべての国が民族紛争を抱えている。
2)豊富な地下資源と武器市場を狙って、大国が介入を続けてきた。ロシアが手を引いたあとは、中国のアフリカ進出が加速している。
・「2050年の世界」とは
1)世界人口は20億人増えて70億人突破。アフリカの成長が著しい。
2)経済大国は、中国・米国・インド・ブラジル・ロシア・インドネシア・メキシコ
3)EU諸国、日本は高齢化で衰退。日本の平均年齢は52.3歳。GDPは3分の1に減少。
(英国エコノミスト2013)
わずか2~3年のことさえ予測が困難だから2050年も多分当たらないだろう。ただ、各国は相変わらず生存競争を続けており、世界政府みたいなものは成立していない。衰退するアメリカに取って代わるだけの超大国は現れず、EU、ロシア、イラン、インド、中国などの地域覇権国家によって世界分割が進んでいる。
・日本はアメリカの「保護国」として西側(シーパワー)陣営の一角に地位を築いてきたがアメリカの覇権は衰退期に入っている。日本がこの地位にしがみつけばやがて泥舟と運命を共にする。一方、日本は中国と手を組むというという主張に対しては、政治的・経済的自由を失うことにほかならず、日中両国民の幸福にはつながらない。アメリカ頼むに足らず、中国近寄るべからずとすれば「第三の道」は日本が自主防衛を実現し、東アジアにおける自由主義諸国のリーダーになること。
・未来は確定的なものではなく、これから作っていくもの。20歳の若者が35年後に55歳になったときの国のイメージを今からつくっていく。明治維新から35年後、日本はロシアとの戦争に勝利して列強の一員になった。絶望的敗戦から35年後、日本は経済力でアメリカを脅かし、GDP世界第二位の経済大国になった。日本人には、どん底から立ち上がるという底力がある。再び新たな「坂の上の雲」を目指して、はい上がる時代を迎えた。 -
読了。
フリードマンの「100年予測」でも感じたが、人間の基本的な行動原理は何百年経っても変わらない。人間の自己保存本能と地政学は綿密に関連している。
「オバマ大統領が平和主義者だということは間違いありません。しかし、無責任な平和主義が国際紛争を抑止するどころか増長させることも、国際社会の現実なのです。」
悲しかな、現実はそうなのだ。 -
現代の国際関係の原因を、国家や宗教の成り立ちまで遡って説明している。
知ったつもりだったことや深く知らなかったことが、非常に丁寧に、優しい語り口で説明されている。
何より歴史とは、国家同士が、それぞれの地理的な条件に対し、どのように発展し、勢力を維持しようとしてきたかという、非常に現実的な行動や意図が紡いできたものだと感じた。
あと、中東問題がとてつもなく複雑であり、お人好しの日本人が安易に首を突っ込んではいけない問題であると強く感じた。
問題の原因が欧米諸国にあるのだから、解決も欧米が責任をもってやればよくて、日本は人道的な支援(戦争の被害者に向けて)を粛々と続けるべきだなぁと思った。
あんなところ、日本人じゃなにもできないでしょ。 -
世界情勢のニュースを見るのが面白くなった。地政学って初めて知ったけど、おもしろい!