日中韓 教科書読み比べ 歴史認識の違いはこうして生まれる

著者 :
  • 祥伝社
3.75
  • (3)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 22
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396615338

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中韓の教科書について知りたくて読書。

    教科書はその国の正当性、都合のいいことしか載せないので違っていて当然。しかも、中韓は国定教科書しかないので、議論の余地はない1つの歴史観を国益のために見事な刷り込みが実施されている。

    2001年ごろにブームになった新しい歴史教科書をつくる会の歴史教科書を思い出しながら読ませてもらった。

    両国の教科書に比べると日本の教科書は控えめすぎるし、もっと日本の立場、主張を盛り込んでもいいと思う。しかし、現実的には教える教諭に問題がある思想が多く不幸を積み重ねている。さあ、果たして日本のこの状態が変わる日が来るのだろうか。

    それにしても中国国民党軍の殺し方はえげつない。今の中国人にも共通する部分があり、日本人は歴史的な事実として知っておくべきだと思う。文中で紹介される中国の教科書は、日本語訳であるが、教科書とは思えない情緒的な表現が多すぎる。

    中国人にしても韓国人にしてもこれらの教科書で刷り込まれるように習っているということを日本人は認識しておき、話せば分かるや人と人として接すればなどは、理想であって、現実的な手段ではないことも知るべきだ思う。

    中国は満州事変、日中戦争のいわゆる抗日15年戦争へ相当のページを割き、戦後の日本についてはほとんど教えられていない。

    まあ、日本は、他国の教科書を批判するよりも日本の教科書、そして、それを生徒へ教える教諭を何とかしないといけない。近現代史へ重点を置く入試制度へも変えていく必要もある。

    1965年(昭和40)の日韓基本条約の内容や当時の歴史的な背景が教えられておらず、しっかりと教えるべきだという著者の主張には激しく同感。

    中国の教科書の記載は、今の北朝鮮のニュースや政府発表の文言に似ていることが多い。現代中国の影響を受けていることを匂わせる。

    しかし、あとがきにもっとも衝撃を受けた。著者が日本史という言葉が大嫌いな理由。ななるほど、確かにと納得させられた。私は元社会の教師で歴史が好きだと言っているわりに勉強不足だなと反省した。もっともっと学ぶことは多い。

    読書時間:約1時間40分

    本書はいただいております。有り難うございます。

    • だいさん
      〉教える教諭を何とかしないといけない。

      私もそう思います
      〉教える教諭を何とかしないといけない。

      私もそう思います
      2016/01/21
    • びあしん慶次郎さん
      だいさん、
      コメント有り難うございます。

      本書を読んでいて、久しぶりに教師時代を思い出したのですが、中国にいて日本人が歴史、特に近代...
      だいさん、
      コメント有り難うございます。

      本書を読んでいて、久しぶりに教師時代を思い出したのですが、中国にいて日本人が歴史、特に近代史を学んでいないなと実感することが多いです。

      たとえば、韓国との関係においても、日韓基本条約についてしっかり知っておかないと日韓関係の問題点や真実は見えてこないんでしょうね。
      2016/01/22
  • 教育が人間一人ひとりの思想の基盤を作るので、教科書は大事。歴史教科書に感情的な文言があるのは驚いた。ただ、この方もそれについてかなり感情的な導きを、教科書引用文の後に付け加えており、はっきり言って大差なし。アジア人って、比較的事実とかデータと感情を一緒に語りがちだと思う。それは私達も同じ所があると自覚する必要がある。

  • だだし、教科書を比較しようというのに、教科書に書いていない内容をつけ加えて比較するのは公平性が無い。

    著者も日本の教科書もっとちゃんと書けってことを言っているが、それには同意する。

    どこかの誰かが、中国の歴史教科書はプロパガンダ、韓国はファンタジー、日本は客観的
    なんて言っていた。
    まあそうなんだろうね。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/472425965.html

  • これを読むと彼の国とは一生わかりえない事がよくわかります。お互いが言っている「普通」や「正しい歴史」が全く異なっているため、議論はいつまでたっても平行線。そして、お互いが異なるベースラインに立っていない、ということにお互いが気づいていない(気づいてて意図的に気づかないふりしてるかもしれないけど)のがたちが悪い。
    これまでの歴史の中で、時の為政者が、過去の自国の歴史を改ざんするということはよく行われていたが、今のこの時代、インターネットに公開されている情報を探せば、何が事実だったのか、分かる気もするんだけど、自分や自国にとって都合のいいことのみが「事実」だと思うのでしょう。
    幼少の時から、刷り込まれたら「当たり前」が変わっていくのも当たり前。GDPの開きも1.3倍までに迫ってきたので、強烈な被害者意識&持ち前の自尊心に火がついて、日本を卑下し、自分たちが優位だということを示したいのではないかな。そして刷り込みによる、なんとなくの嫌悪感&こいつらには何言ってもいいという感覚。
    こういった隣人とどうやって付き合えばいいんでしょね。こっちが無視しても向こうが難癖つけて接触してくるんだから、もっと怖い人を連れてくるか、こっちが怖い人になるか、なのかなぁ。
    無視&なんかあったらやったるぞ、(もしくはやる)なのだろうね。

  • 国家を考える

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

京都市出身。歴史コメンテーター。東進ハイスクールのカリスマ講師として活躍。
テレビ・ラジオ・講演会にも多数出演。
「日本」と「歴史」に関する解説は、とてもわかりやすいとの定評がある。
著書にベストセラー『日本史B一問一答 完全版』『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』シリーズ(東進ブックス)、『マンガで攻略!はじめての織田信長』(白泉社)、『「米中韓」と日本の歴史』(朝日新聞出版)などがある。

「2021年 『教養として知っておきたい「日本史の200人」一問一答』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金谷俊一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×