マルタの碑: 日本海軍地中海を制す

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632199

作品紹介・あらすじ

大正六年(一九一七)、山東半島の青島を管理下に置いた日本は、第一次大戦の軍需景気に沸き立っていた。一方、連合国側はドイツ潜水艦Uボートの攻撃に晒され、甚大な被害を蒙っていた。英国は日英同盟に則り、地中海への艦隊派遣を要請、政府は巡洋艦を旗艦に駆逐艦八隻からなる第二特務艦隊を派遣した。艦隊は輸送船団の護衛、さらには被雷艦船への決死の救出活動を展開、その奮戦ぶりから、いつしか地中海の守護神と称賛の的となっていった…。若き日の山口多聞を主人公に、将兵たちの人間模様、世界情勢の俯瞰を絡めて高らかに謳い上げた日本海軍秘史ロマンの決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 今年は第一次世界大戦勃発からちょうど100年です。
    日本も協力した、と小耳にはさんだ記憶はあります。
    この本はその詳細です。スゴイです!

    大英帝国が日本の支援を必要としていたのはもちろんなんですが、思惑はもうひとつ。
    このたびの大戦に参加を表明した以上、遥か地中海まで遠征して、ともに戦い、血と汗と涙を流せ、という半ば感情的なものなのです。青島や内南洋をあたかも漁夫の利のごとく奪取し、造船による一大軍需景気を盛りあげたにもかかわらず、友軍としての支援協力をしないで欧州の情勢をただ傍観するという態度は許しがたいという思いでした。
    だから日本の若い彼らは捨石として、地中海に行くのです。

    そして彼らは地中海で大活躍。
    「地中海の守護神」
    と言われるほどの活躍です。

    そのうちの何人かは地中海で命を落とします。
    その碑がマルタ島にあります。
    もし幸運にも再びマルタに行けたら、ぜひ訪れたい。

    ただ、彼ら以外にもこの時代にヨーロッパで活躍した日本人がいます。
    日本赤十字からも医者と看護婦が派遣され、懸命な活動をされたそうです。

    そして余談ですが、ポーランド孤児の救済。
    ここは、ずぶん、電車の中で読みながら涙しました。
    ぜひ日本の皆さんに知ってほしい話です。

    昨日のニュースで、日本の若者は他国より自殺が多いと言っていました。
    戦争なんて絶対イヤだけど、この時代のほうがもしかしたら生きがいがあったのかなあと思いました。

    そして、この本に悪役として再三登場した憎きUボート。
    最後の最後に、このUボートの艦長のうちのひとりの名前があかされて、ビックリ!!

    私は、彼を中心にして描かれた映画、大好きで何度も何度も見ました。
    映画で使われた音楽のCDを持っています。
    映画のロケ地も訪れました。

    名前を言いたいけど、お楽しみにしておきます。
    これが一番うれしかったかなー。

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著者プロフィール

作家

「2020年 『海のまほろば』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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