マイ・ディア・ポリスマン

著者 :
  • 祥伝社
3.41
  • (12)
  • (52)
  • (76)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 448
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635220

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • うまいなぁと思う。日常の小さい街の中のお話しなのに、魅力的な登場人物が豊かに物語を紡ぐ。人情に溢れて、トリックが効いていて、いいドラマだ。

  • いずれの登場人物もスカしてる。
    スリの孫娘と警官の孫。
    付き合うにしても何か釈然としない。
    モヤモヤする。

  • 素敵ですね。
    近所のお巡りさんと馴染みになるなんて。
    活き活きした町なんだろう。
    この町の成り行きがもっと知りたいです。

    人物ごとにザッピング?のような描き方が読みやすかったです。

  • ★★
    ほんのりラブ要素があって、出てくる人が皆温かい。群像劇のように街の様子が描かれていて、人とのつながりの描き方が上手な作家さんだなぁと思います。

    [NDC] 913.6
    [情報入手先] 自校
    [テーマ] 高校生が読む!恋愛

  • 2022.1029

  • 地域を守る交番のお巡りさんと寺の副住職コンビで問題を解決していく。
    誰にスポットを当てているのか、正直分かりにくかった。もっとうたのお巡りさん中心にお話が展開しても良かったかな。

    ストーリーは面白いが、特殊能力が多すぎる気が。
    うたのお巡りさんが地道に捜査して、出会った人の抱えるものを紐解いていくのかと思いきや、皆に能力があるんだもの。
    登場人物の語り口で物語が展開していくのも、ちょっと目まぐるしくて疲れてしまった…

  • ★あおいちゃんが、嬉しそうに、すっごく嬉しそうに(p.275)

    【感想】
    ・ものごとが、警官と坊さんと二人の女子高生と金貸しの婆さんとかのおかげであっさり解決して、ほんわかとなるお話。続編あるようなので読みたい。

    【一行目】
     「このベンチってさ、俺が子供の頃からあるんだけどさ」

    【内容】
    ・登場人物たちが交代でモノローグする。話と話がリレーされ、どんどん進んでゆく。途中でとてもやめにくい。
    ・周囲に人がいたのに誰も気づかぬうちに交番前のベンチに置かれていた女ものの財布。どうやら誰かが何かをうったえているようだ。

    ▼簡単なメモ

    【あおい】楢島あおい(ならしま・あおい)。榛高校の生徒。黒髪ロングの美人タイプ。一見すると深窓の令嬢みたいと自覚している。マンガを書く資料として巡の写真を撮らせてくれと頼んできた。言葉だけではなく本当に漫画家志望。武道か何かをしているみたいに姿勢がよい。いちいち動きが速い。祖母は平場師(簡単に言えば掏摸師)。
    【天野さくら】天野屋という質屋の主。八十六歳の年金暮らしだが裏で闇金をやっている。「天野屋の婆さん」と呼ばれているが本人は嫌がっている。この町の情報源でもある。
    【杏菜/あんな】鈴本杏菜。あおいの友人。ショートカットで日焼けしている運動部タイプ。実際に陸上競技部。一見キリッとしたクールビューティーだがしゃべると知らない人はイラつくかもといったローカルアイドルっぽいギャップ。両親はヤンキーだった。
    【あんばす】東楽観寺商店街にある老舗の喫茶店。モーニングサービスは厚切りトーストと目玉焼きセットかホットサンドセット。ホッサンドのツナが美味。
    【飯島団地】つくられて四十年経った団地で空き部屋が増えてすさんできている。市川美春の住所。
    【市川君和/いちかわ・きみかず】泰造の伯父。スーパーを経営している。楢島さんちの旦那さんは高校の同級生でともに剣道をしていた。
    【市川公太/いちかわ・こうた】市川美春の夫。泰造の兄。行成の同級生(親しくはない)。弟ほどではないが記憶を再生できる。
    【市川泰造/いたかわ・たいぞう】ミュージシャン。二十二歳。生活のために伯父のスーパーで働いている。動けるデブだと有名らしい。《家庭環境が悪いとかデブだからとかうんぬんかんぬんとかからさ。音楽やってる俺は無敵。売れなくたって無敵。メジャーにならなくたって無敵。》p.62。部活で行成の後輩だった。意識もしていなかった記憶をビデオを観るように思い返すことができる。
    【市川美春/いちかわ・みはる】不審な財布の中に入っていた免許証の持ち主。一般的にはその財布もこの人物のものだと思われる。二十八歳。住まいは飯島団地。
    【宇田源一郎/うた・げんいちろう】巡の祖父。やはり警官だった。存命していて施設に入っている。認知症が進み巡のこともわからなくなっている。
    【宇田巡/うた・めぐる】→巡(めぐる)
    【大村成寛】行成の父親。坊主歴三十数年。
    【大村行成/おおむら・ゆきなり】→行成(ゆきなり)
    【カンペン】その地域だけの特殊な「秘匿事項」のこと。交番勤務の警察官の間だけで使う言葉。
    【京清小学校/けいせいしょうがっこう】巡と行成の通っていた小学校。あおいや杏菜の母校でもあるらしい。
    【坂見町/さかみまち】東楽観寺の門前町。舞台となる町。奈々川市(ななかわし)にある。本材町に私鉄の駅ができたことで中心はそちらに移り静かになった。東京から電車で四十分。
    【仕立屋銀次】掏摸の親分。鉄道で仕事をする「箱師」だったそうだ。おおむねチームで仕事をする。それに対して雑踏などで、おおむね一人で仕事をするのが「平場師」。
    【自転車】火急の用事がないかぎりパトカーは使わず自転車を使うのが交番の常識だとか。
    【菅野みつ】あおいの祖母。楢島悦子の母。「昭和最後の平場師」と呼ばれた天才掏摸師。戦災孤児で夫もそうだった。生きるため自然に腕が磨かれた。仕立屋銀次のライバルだった掏摸の弟子でもある。あおいには自分より天分があると言った。
    【鈴本整備】自動車整備工場。娘は杏菜。敷地内に置いていた車のタイヤが三台パンクさせられていた。
    【空】市川公太と美春の子ども。、
    【魂】《文集に高校を卒業したら、一年間に一グラムずつ魂が重くなるって書いた子がいたんだよ》p.18
    【寺】行成の考えでは《お寺は、その地域でもっとも安全で心安らかにいられるコミュニティスペースであるべきで、それこそが存在意義である》p.134
    【特別地域事情要件】その土地土地に合わせた柔軟な対応をしろということらしい。交番前にコカ・コーラの(と思われた)真っ赤なベンチや、ゴミ箱があるのもそれらしい。好意で置いてくれたものを断らないのも地域住民の印象を鑑みてということらしい。
    【楢島あおい】→あおい
    【楢島明彦/ならしま・あきひこ】四十六歳。あおいの父。市役所勤務。市川泰造の伯父の同級生でともに剣道をしていた。マンガにはまったく興味がなく読みもしないが娘はかわいい。あと、動物が好きでいろいろ飼ってきた。
    【楢島悦子/ならしま・えつこ】あおいの母。買い物のとききっちり暗算して小銭まで支払う。マンガ好きで漫画家になりたかった。あおいのマンガにも容赦なく批評の弾幕をたたき込む。
    【西山孝造/にしやま・こうぞう】先輩警官。巡査部長。すでに十年ここで勤務している。
    【ネタ】あおい《退屈な授業はあるし、イヤなクラスメイトもいるけれど、それもこれも全部マンガのネタだって思ったら全然オッケー。》p.48
    【榛高校/はしばみこうこう】本材町(ほんざいちょう)にある高校。
    【東楽観寺】交番の後ろにある。
    【東楽観寺前交番】巡が勤める交番。東楽観寺の入口のすぐ脇にあり、まるで守衛の詰所みたいな感じ。東楽観寺の境内に小屋があって交番勤務の警官はそこで暮らすらしい。いろいろと「特別地域事情要件」があるらしい。
    【巡/めぐる】宇田巡(うた・めぐる)。主人公? 東楽観寺前交番に勤務する警官。元捜査一課の刑事だった。二十五歳だが童顔で私服だと高校生に間違われることもある。子供に親しまれる自信あり。長身でバスケットボールが好き。食事の速度が驚異的に遅い。捜査一課やったのに? 趣味は映画の予告編を(ネットで)観ること。また、本編より面白かったりするしね。どうやらいろんなことを調べるきっかけにしているようだ。そう考えると知識欲を満たすことがしゅみなのかもね。
    【行成/ゆきなり】大村行成。巡の幼馴染みというか小学校の数年間の友人(九歳まで)。東楽観寺の副住職。坊さんなので今は「ぎょうせい」と呼ぶらしいが友人の間では昔ながらの「ゆきなり」でいいそうだ。顔がシャープなのと禿頭でスーツを着たら暴力団の若頭に見えそうだ。法話はとても上手いと自覚している。口八丁でいくらでもネタを広げられるし声も滑舌もよい。
    【ゆとり】市川泰造いわく《今を生きる我らに心のゆとりをもたらすのは、一ヶ月は食っていける程度のおかねですよ》p.73
    【立番/りつばん】交番の前に立って警戒しとくこと。東楽観寺前交番では特に必須ではない。

  •  小路幸也さんの作品を久しぶりに図書館の開架で目にしました。「マイ・ディア・ポリスマン」、2017.7発行。巡査や副住職、女子高生たちが登場します。45頁まで読み進めましたが、他に読みたい本が沢山待ってますので、ここまでとしました。たぶんシリーズと思い、「春は始まりのうた」(2018.10)と「夏服を着た恋人たち」(2019.10)も借りてましたが、またの機会があれば読むことにします。
     寺の副住職大村行成25歳、交番の巡査宇田巡25歳、2人の女子高校生、楢島あおいと鈴元杏菜17歳が主たる登場人物のようです。面白いのかどうか、これ1冊ではわからないけど、シリーズのようなので次も読んでみます。小路幸也「マイディアポリスマン」、2017.7発行。

  • ご都合に次ぐご都合主義。都合よすぎてひとつも筋が通ってない。
    理由もなくJKがおっさん警察官に惚れて、なんの葛藤もなくおっさんがJKと交際×2とか、おっさんのキモい夢すぎて最高にキモい。

  • 登場人物の独白(?)で何人もの人物を描き出す手法が面白かった。ストーリーも良かった

全61件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

小路幸也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×