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- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784400310891
作品紹介・あらすじ
戦後の新たな人生を歩みだそうとするときフランクルは、何を感じ、考えていたのか。
いま明かされる名著誕生の背景。
強制収容所からの解放と帰郷という、フランクルの人生において最も重要な時期の伝記的な事実と、当時の中心思想の一端を、未公開書簡と文書を用いて再構成する。
名著『夜と霧』誕生の背後にあった個人史と時代史の二つの文脈が、初めて明確に交差する。
編者は、膨大なフランクル文献に最も詳しい、ウィーンのヴィクトール・フランクル研究所所長アレクサンダー・バティアーニ博士。
感想・レビュー・書評
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功名心、出世、いい生活なんてものは、もし与えられるのであれば喜んで享受すればいいのです。でもそれがなくても、僕の心の目の前には、小さな森で、ひそかに間に合わせの墓に葬られた強制収容所の仲間たちが経っています。僕と同じぐらいの歳の人、僕よりずっと若く有能で優れている人たちで、こんなに素晴らしいたくさんの友が墓の中で朽ちていっていると思うと、自分がまだ息をしているのが恥ずかしくなってしまいます。こうしたこと全てが、僕たちみたいな人間の将来にとって、この世のあらゆる幸福と苦悩に対する目に見えない距離をもたらしています。でもこの距離感は人を麻痺させるものではなく、むしろその逆で、何かを成し遂げた場合にのみ、自分は人生の恩寵に値するものだと感じさせてくれます。
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