マイルス・デイヴィス自伝

  • シンコーミュージック
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784401641192

作品紹介・あらすじ

音楽はもちろん、歴代メンバー他ミュージシャンについてや、女性関係、黒人差別、クスリ、ファッションなど、遠慮一切なしの赤裸々トーク炸裂で、生のマイルスを感じられる名著。

感想・レビュー・書評

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  • ジャズを聴き始めたのは、大学生のときに田園調布の家庭教師先の高校生に、これいいんですよ、と紹介されたマイルス・デイビスだった。それもエレクトリック・マイルスではなく『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』辺りのこれぞジャズといった頃のマイルス。その高校生も背伸びをしていたんだと思うが、ジャズとはどういう音楽かも知らず、マイルス・デイビスの名前も知らなかった自分もこういう音楽があるんだと対抗心もあって少し背伸びして聴くようになった。たぶんまだマイルス・デイビスは存命で、その頃に出た旧版のマイルス・デイビス自叙伝も購入してふむふむと読んだが、あまり頭に入ってこなかった。ジュリアード音楽院でちゃんと音楽を学んだ人なんだ、というのといつもクスリばっかりやってるなあという印象しか残らなかった。今思うと登場する名前が知らない名前ばかりだったので仕方がない。ビ・バップとモードの音楽の違いもよくわかっていなかったし。

    今回、この『マイルス・デイビス自叙伝』を読みながら、マイルスの足跡と音楽を辿るオンライン読書会&レクチャーに参加する機会があったので、改めてこの本を読み返し、マイルスの音楽を聴きなおした。相変わらず「ラウンド・ミッドナイト」や「マイ・ファニー・バレンタイン」がイイ!と思うのだが、おかげさまでモード時代のマイルスやエレクトリック・マイルスもジャズの歴史に位置付けた上で何となくその良さが感じ取れるようになってきた。これまた30年ほど前の当時購入した中山廣樹『マイルスを聴け!』を読んでみたくなった。

    それにしても、いかに新しいことに取り込み続けてきたのか、またいかに多くのミュージシャンに影響を与え、その才能を発掘し続けてきたのかがわかる。ジョン・コルトレーンも、ビル・エバンスも、キース・ジャレットも、チック・コリアも、ハービー・ハンコックも、ウェイン・ショーターも、みんなマイルス門下生だったのだ。1991年9月28日の急逝するマイルスだが、その前にこの自叙伝が残ったのは幸運なことである。聞き取りを行ったクインシー・トゥループも大変だったろうが、その労は十分に贖われたと言ってよいだろう。

    クスリや女の話は今なら完全にアウトだが、それが許されていたのも時代と言えば時代。また、人種差別についても強烈な白人批判を緩めない。それもまた、時代であり、闇の深さも示している。

    今更という感はもちろんあるだろうが、今改めてジャズに興味を持つ人ならマイルスの個人史以上の内容が詰まっているので手に取ってほしい。

  • 冒頭の写真群、貴重

    ”偉大なミュージシャンは、偉大な戦士と同じようなものだ。彼らは常により高度な理論を考えている。”

  • マイルスはトリックスターだという著者の見立てで書かれた、マイルスデイヴィスという架空のトランペッターを題材にした架空のドキュメント(嘘

  • 様々な真実!今まで難解に思えていた曲が違って聴こえてき始めた。

  • ジャズという物語の主要人物がマイルスの主観からわかる。

  • マイルスへのインタビューを自伝として構成したもの。文体は本人の語り口調になっている。上下2段で数百ページあるので、かなりボリュームあり。記述内容はかなり詳細で、本人の記憶力の高さには驚かされた。ジュリエット・グレコが恋人だったとか、ジミ・ヘンドリックスとも親交が深く、共同レコーディングする予定があったとか、プリンスから楽曲提供受けたが、結局没になったものの、いつか共演したいとか、知らなかったことがたくさん語られていて大変良かった。私は生前のマイルスのステージは、復活してからしか見たことがなかったので、そこにいたるまでの経緯なんかがわかったのもとてもよかった。

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