華やかな迷宮 (1) (ディアプラス文庫)

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  • 新書館
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403520853

感想・レビュー・書評

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  • やー、おもしろかったです。
    この作者さんの本を初めて読んだのですが、ガブリエルとベルナールに萌え転がりました。
    1~5巻を一気に読み切ったので、感想を1巻づつ書きたいと思います。

    故郷からパリへ、騎士としての成長を夢見て出てきたガブリエル(受)は、目標そのものの騎士と知り合います。
    ベルナール(攻)です。

    波打つ金髪、けぶる緑灰色の瞳、その名の通り天使のように美しく、そして気高い清廉なガブリエルに、ベルナールは心を奪われます。
    でも剣術の師、無二の親友として慕ってくれる年下の天使に、ベルナールは苦しい心を隠しつつ、あくまで紳士にふるまいました。

    しかし、罠にかけられたガブリエルの媚薬に犯された痴態に、理性の糸が焼き切れます。
    どうにもならない熱を鎮めてやるため、ベルナールはその美しい肢体を組み敷いたのです。

    「殺してやる」
    ガブリエルらしい一言ですね。
    これ、ベルナールを最奥に受け入れさせられながら、言っていますからね。
    媚薬盛られて頂かれている受は、BL界には星の数ほどいらっしゃいますが(主にアラブとヤ○ザ)、犯られている最中にこの言葉をはける受は、そうそういませんよ。

    誇りを汚されたガブリエルは激怒し、ベルナールと縁を切ろうとしますが、そこはなんとか修正され、もとの親友関係に無理やり戻ります。
    ただ事情が出来て、恋人ではないのに互いの熱を慰めあう関係になるのです。

  •  叔母を頼って王宮へやってきた青年貴族・ガブリエル。美しい姿と心の持ち主、ガブリエルは「天使の貴族」と呼ばれるが、彼の存在は、快楽に倦んだ王宮でいきなりの嵐を呼び、決闘を申し込まれることとなった。
     決闘には立会人が必要で、彼はその任を陽気な騎士ベルナールに頼むことになった。
     そこには、時の王、アンリ三世の思惑も絡んでいたのだが、それとは関係ないところで、二人の友情は次第に深まっていく。
     ところが、ベルナールの感情は次第に「友情」からずれていく……

     見た目と中身の異なるガブリエルはそのことに激高する。

     結局、その最初の決闘は相手が逃げ出したことにより、なくなってしまうのだが、また、別の相手がガブリエルの前に立ちふさがり、今度はベルナールの手を借りたくない事から、立会人を立てずにガブリエルは決闘を受けることにした。
     ところが相手が卑怯な手を使ったことから、ベルナールの手を借りて、危機を乗り切ったガブリエルは再び、ベルナールと仲直りを果たす。

     その後も、襲いかかる危機の連続に、ガブリエルはその度に、ベルナールの手を借りて生き延びることとなる。
     しかし、いくら手を借りても、ガブリエルの心はベルナールに動くことなく、この巻は終わります。
     最初から「1」と書いてあるので、もちろん、続きものなのですが、これから二人の関係がどうなっていくかそれが見所。
     今はまだ、二人の関係は一方的なベルナールの片想いです。

     ただ、どうにもならなくはなさそうな予感はひしひしとしてるかな?
     それでも、この気高き貴族をどうやって落とすのか、ベルナールにとってはかなり難しいと思います。
     それくらい、ガブリエルの精神は気高い。
     まぁ、あんなことしたのに悪い感情を抱かれてないだけいいのだと思いますが。

     まだまだこれからが楽しみな1巻でした。

  • 胸キュン★★★☆☆   ストーリー★★★★☆
    エロ  ★★☆☆☆     絵  ☆☆☆☆☆
    この人は本当に中世ヨーロッパが好きなのね。
    とゆー感じでフランス宮廷モノです。
    田舎から出てきた伯爵が決闘をすることになり・・・
    宮廷のどろどろした感じがかなり詳しく描かれてます。

  • <イラスト:よしながふみ>

    ※全5巻分まとめてのレビューになります。

    <おおざっぱなあらすじ>
    時は16世紀、フランス。
    アンリ三世の治世下、仕官を夢見て田舎から出てきた"天使の伯爵"ことドーブラック伯ガブリエル・ド・モンフィーズ。
    伯母の伝手で王妃マルゴと面会する機会を得た彼は、いろいろあって護衛隊の騎士ベルナール・ド・アルトヴィッチの家に居候することになる。
    不本意な事件からベルナールに抱かれたガブリエルは彼の愛を拒絶するが、アンリ三世、ギュイーズ公、アンリ・ド・ブルボンらフランス王の座を狙る抗争の渦に巻き込まれるなかで、ベルナールを好きになっている自分を自覚する。

    細かく書くと事件がたくさんあって登場人物も多いので、あらすじは本当におおざっぱです(笑)が、恋愛を中心にみると3,4の大事な出来事があるだけであとは終始ラブラブです。
    ベルナールはガブリエルに一目惚れ、ガブリエルもなんだかんだいってベルナールを受け入れると決めたときに思い浮かべた今まで拒絶していた理由は「優位に立ちたかったから」。はじめから精神的には受け入れていたんですね。受け入れてくれるまで据え膳状態を待ったベルナールの果てしない包容力と忍耐力には頭が下がります。
    全5巻ですがわりと早々にラブラブになってしまうので、最後のほうはちょっと蛇足感も無きにしも非ず…。
    そして雑誌連載をしていたせいか、この作者にしてはHシーンが多いです。1話に1回は入れないといけないとか制限があるんでしょうか?

    中世ヨーロッパが好きな方にはお勧めです。物語の舞台となる中世ヨーロッパの重い暗い感じがよく出ていますが、それだけではなく主人公たちの明るく強い人柄と、よしながさんのイラストのせいもあり、読後感はすっきりさっぱりしています。
    逆に歴史物が苦手な方にはあまりお勧めできないかもしれません。全然知らない名前が突然現れたり、同じ名前の人も多いから混乱してしまうだろうからです。

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