- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403523403
作品紹介・あらすじ
高校の入学式で凛太と継母のピンチをスマートに助けてくれた一学生上の梶。凛太は瞬間、彼に恋をした。それから一年、凛太は親しい後輩として梶のそばにいる。けれど梶は、誰のものにもならない人気者。彼の複雑な事情を教えられ、少し近づけた気がしたものの、やはり梶はつかみどころがない。家にも梶の心の中にも自分の居場所が見つけられず、凛太はついに隠し続けてきた感情を爆発させ…?アオハル・ラブ。
感想・レビュー・書評
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これはいかに丸山がいい男かという話です。
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月村センセの作品には読み手の心を突き動かす何かが存在しています。
それはひとえに心理描写の上手さではないかと思うんですよね。青くて未熟な恋に、胸がぎゅっと締めつけられながらも眩しくなりました。
憧れの先輩で人タラシな梶×父親の再婚で遅れてきた反抗期真っ只中の凛太。学園モノです。
梶の、誰にでも優しいのにどんなにモテても本命を作らない自由さに心惹かれる凛太です。そんな梶が凛太にだけ特別扱いしてくれるのですが、ただの勘違いかもしれないと思い悩みながらも、気持ちは浮き立ってしまいます。
ささいなことでも気持ちが高揚したり、沈んでしまったり、大変なことになるのが高校生の恋。人気者に恋してしまった凛太の気持ちが初々しくていいです。恋心を決して見せずに後輩として梶の側を一生懸命死守する凛太はマジメで健気。そして、梶のことがイッコ違いでもすごくオトナに見えてしまってるところもリアルで共感しました。
凛太の家庭の事情もきっちり描かれていて、継母とぎくしゃくした関係からしだいに打ち解けていく様子に心暖かくさせられます。
雑誌で本編を読んだ後楽しみにしていた書き下ろしでは、うまくいきかけていた二人に難題が降りかかってきます。
二人の本気度を試すような出来事でした。凛太が勇気を振り絞ってぶつかっていくシーンに、うるっとさせられました。そしてまた梶の本音もどーんと伝わってきます。カッコいい先輩だなと溜息です!凛太は幸せ者ですよね。
人当たりが良くて、無難に要領よく生きているような梶でも、もちろん未だ無力な未成年であることは確か。完璧ではありません。人には見せない寂しさも胸に秘めています。失うことが怖くて大切なものから距離を置いていた梶がどう本気を見せたか。
…よかったです。この二人ならこの先ずっと一緒で離れることはなさそうです。
「丸山日記」すごく面白かったです。両方から惚気られて災難だった丸山。彼を通して梶と凛太がラブラブなのが確認できたので、感謝です。 -
先輩×後輩
継母との確執(というほど深刻ではない)の方がメインストーリーのように感じましたw
1人でぐるぐる考えてる話を読むのが好きなので
BLのラブ部分は少ないけど個人的には楽しめました。 -
よくも悪くも思春期な主人公の、片想いからはじまる話。
爽やかな汗の輝く青春の話ではないです。
どろどろした思春期ならではの感情を抱えながら、帰宅部が恋に思い悩む話です。
夢も何も語られない女々しい内容は中学生の生活のようですし、特にときめくことも共感することもなく読み終わりました。
いまどきな高校生を描いてるのかもしれませんが、本の中でまでこんな高校生はいやです。 -
父親の再婚で新しくできた母との関係や、父親とのこと、そして初めて恋した先輩である梶への無垢な恋心で頭を悩ませる凛太は、本当に若々しいというか青春の中に身を置いているなぁと思いました。
梶は家庭環境のせいで、大人な部分を持った(というかチャラくしてる)高校3年生。高校の時って一個違うだけで、その人がすごく大人の別世界にいるように感じる凛太の気持ちには私も覚えがあるし、だから余計にかっこつけようとしたり何でもない風に装ったり…梶に近づきたい一心で強がる凛太は等身大の恋する高校生っぽくて良かったです。
なんだかんだ梶も高校生で、青春の中で恋にもがく二人は可愛くて、月村先生はこういうの描くのがうまいなーと思いました。
しかも、さらりと読めるのでおもしろかったです。 -
イラストが宝井さんということで購入。
文章自体は☆三つ。話はいいけどずっと凛太視点で梶視点がなかったのが…葛藤する梶サイドもあれば☆四つだったかも。
宝井さんのイラストがよいのでプラス☆一つで合計四つ。