バースデー (ディアプラス文庫)

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  • 新書館
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403524462

感想・レビュー・書評

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  • 今作はやや暗めのサスペンス色のあるお話ですが、精神的なつながりがじわりと胸に染み込んできて、とても引き込まれました。ふたりの出会いからして、三希は滝本のことを好きだったんだなとわかって切なくなります。滝本の、最初は暇つぶしくらいに思っていた透との時間が、次第に心安らぐようになっていく様がとてもよいです。そして最初はおどおどしていた透が少しずつ滝本に慣れ親しんでいくのも。途中とてもハラハラしましたが、ラストの透の姿に胸がいっぱいになりました。

  • しみじみとよかった。恋って感じの盛り上がりとかじゃなく、じんわりと地に足がついた話。
    壮絶な(詳しくは書いてないけど)虐待をされた過去をもつ透。愛なく育った滝本。
    多重人格という難しい病気を題材で、うまく話を絡めている。やっぱり安西先生はお上手です。
    よかった〜〜。

  • オトナの日常的恋愛を描くのが上手いセンセですが、今回はちょっとサスペンス色の強い作品で、いい意味でいつもと違う仕上がりでした。
    こちらもちょっと作風が変わったかな~?と思ってたショコラ文庫の前作より、攻受共にその気持ちに寄り添えるキャラに戻っているように感じられて安堵。
    非日常的な「刺戟」の方向性ってほんとに難しいし、大切ですね…これはいい刺戟のあるラブストーリーでした。

    無意識のうちに恋人からの言葉を辿って生活の場を定めていた滝本と、三希からのアドバイスで新聞配達で生計を立てていた透。
    接点もなく、およそめぐり逢える可能性なんて無かったはずの二人なのに、奇跡的に出逢えた…ってところが物語の重要なカギになってるのが良かったです。
    ご都合主義のめぐり逢いではなく、そこに不可解だった三希の本当の気持ちがはっきりと見えていたから。
    会いたかったんだよね…
    胸がいっぱいになってしまいました。

    何も知らず、不器用に生真面目にひっそり生きる透の姿にも胸が痛み切なくさせられ、始めのうちはそんな透に下心をもって近付いてきた滝本に気が気ではありませんでしたw
    彼もまた傷つきまくって生きてきた男なんだけど、プライドゆえにそんな弱さよりも鼻持ちならない感じの方が全面に出てしまってるのが、私的萌えツボでしたww
    ハイスペックでスパダリ風な滝本が、透のことを最初は愚鈍な奴とか心の中でディスって、弄んでやるとか黒くて悪そうなんだけど、結局どんどん真剣になってしまうとか…ツボすぎてたまらなかったです(笑)

    双方の視点から描かれていて、心情が理解しやすく切なさ倍増でした。透の抱える症状も受け入れ易かったです。
    エロ的にも絡みというより、精神的なつながりみたいなエロスに萌えました。複雑怪奇だけどきっとあの二人は溶け合ってるのかなと想像。いろいろ想像が膨らむのも良い読後感でした。

    みずかねりょうセンセのイラストが絶品。

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