続・金星特急 竜血の娘(3) (ウィングス文庫)

著者 :
  • 新書館
4.33
  • (7)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 37
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403542374

作品紹介・あらすじ

夏草と合流した一行は、鎖様の論文と三月の集めた蔵書のあるサンクトペテルブルクに向かうことに。一方、実は蒼眼の一族である蜜蜂は、「桜を籠絡しろ」という密命を受けていて……?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 旅を続けながら、世界の仕組を教えられる。
    技術や知識を伝えること、知ろうとすることがどれだけ大切で意味のあることか。
    たとえ敵を倒したとしても、それだけで世界が元通りになるわけじゃないのだ。
    それはそうと、まさかの人物が再登場するし、蜜蜂のことも気になるし、どうしよう、どうなる、大丈夫か?

  • 夏草も合流したことでフォーメーションが変わるのが面白い。
    桜に戦い方を教えるシーンがとても良かった。錆丸を特訓した夏草がっていうのもまた胸熱。
    鉄の盟主社の人達も良かった。皆自分たちの技術に自信と誇りを持っているのが格好いい。そしてその彼らの知識の源になっていたのが三月の蔵書だったっていうのが…今巻で一番うるっときたところ。

    蜜蜂の過去とイリヤの正体は、なんだか気が滅入る。洗脳されているのはわかっているのに、目的はいまだにリルリルなのがよくわからない。
    わからないといえば、砂鉄のことを覚えていないユースタス。何の関係もない人が七百年もってどう考えてもおかしいわけで、そのあたりをどう解釈しているのか疑問。桜との会話から金星特急に乗ってた人っていう認識はあるみたいなのに。

    鎖様の論文は期待しすぎただけにちょっと肩透かしだった。後から実は…な展開があるのかな。今の状況を打開するすごいヒントとか。
    不死身組に今回判明した事実があまりにも辛すぎるので、なんとか早めに希望のある展開が見えるといいのだけど。

    雑誌がWEBに移行したので毎月続きを読めるのが幸せ。

  • 蜜蜂と桜は今のところどう頑張っても恋愛感情とは結び付かなそうですね。
    仲のいい兄妹という感じ。同志というか。
    砂鉄は必ずやもう一度口説き落とせると信じてるので、あまり心配してません。

    夏草もユースタスも、自分にとって一番大切なものを忘れちゃったということでしょうかね。
    本好きの夏草からは言葉、ユースタスからは砂鉄。
    となると、錆丸は桜を忘れている可能性が高いのかな。それ、かわいそうすぎる。
    もう一度記憶を取り戻せるのか、再度口説かれたり学んだりして取り戻していくのか。
    しかし、その法則からいくと、夏草にとって一番大切なのは三月ではなく本ということになりますが。

    蜥蜴のアルちゃんからの、世界を超越する存在の話もぶっとんでましたね。
    シャーレのなかで繁殖する菌ならもう見分けがつかなそうですが、この間読んだ研究者の小説だと、観察しているうちに違いがわかってくるみたいだし、そんなこともあるのかも?
    でも、ユリとバラの受粉の話もあったけど、そもそも上位の存在と人間で子供ができるのかという、金星特急時代からの疑問が。
    金星はあくまでアバター的な存在でとか、どこか私読み落としてるのかな。

    イリヤもどっからどう見ても、だし、葬送隊も来ちゃったし、そもそもあの全裸おじさんは本当に伯爵婦人の使いなのかと思うし。
    まだまだ先は長そうというか読めないところ。
    目的は鎖様の論文で確認し合えたけれどね。

  • 夏草と合流した一行は、鎖様の論文と三月の集めた蔵書のあるサンクトペテルブルクに向かうことに。一方、実は蒼眼の一族である蜜蜂は、「桜を籠絡しろ」という密命を受けていて・・・?蒼眼から逃れるために、キエフからサンクトペテルブルグまで鉄馬号へ乗り旅を続ける。図書館にたどりついた彼らは鎖様の論文から、蒼眼の狙いや彼らが生み出された理由を知るが、一方新たに現れた「彼」と蜜蜂は知り合いのようで、桜は気になるが・・・。

    今回も息をつかせぬ展開で、面白かった!偶然というにはタイムリーすぎる今、舞台がキエフとサンクトペテルブルグということに余計に心に刺さる。現代の何百年も後の架空の世界は、こんなにも殺し合い人が少なくなり文化も廃退してしまっている。他人事とは思えなかった。今のウクライナ危機を見ていると、その延長線上にあっておかしくない世界だと思う。そんな場所で、世界を救うためという名目ではなく、ただ大切な誰かのために進んできた砂鉄や三月の行動が、桜やユースタスの思いが、報われてほしい。絶体絶命のピンチな展開だったので、気が狂いそうになりながら続きを待ってます。生きてさえいればそれでいい、と思ってる砂鉄が切ないから、ユースタスの記憶はよ戻って!!

  • 特別な娘である桜は、旅を続ける。コンビ復活うれしい。

  • 待望の第3巻。
    彼の復活という嬉しいシーンから始まって、また彼らの世界の謎や動きが明らかになってきてて、とにかく目が離せないのは変わらない。
    蜜蜂がどうか救われますように。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

うれしの・きみ
長崎県出身。魚座・B型。『小説ウィングス』2006年夏号『パートタイム・ナニー』にてデビュー。著書には講談社文庫『妖怪極楽』のほか、『ペテン師一山400円』、『金星特急』シリーズ、『異人街シネマの料理人』シリーズなどがある。世界放浪とお酒が好き。

「2016年 『黒猫邸の晩餐会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

嬉野君の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×