彼は花園で夢を見る (ウィングス・コミックス)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403615580

感想・レビュー・書評

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  • 2022.10.3市立図書館
    (よしながふみさんの最新刊インタビュー本を読む前に過去の作品をさらっておいたほうがよさそうなので借りられるものを順番に読む)
    初期の作品、4つの連作中編。紛争地の砂漠でであったさすらいの音楽師と少年が、とある男爵の邸宅を訪れてうまれた出会いと別れ。それぞれの訳ありな愛憎もつれる過去へと引き戻されていく不穏な展開にひきこまれ、安易な予想は次々裏切られ、でも最後はあたたかい終わり方でよかった。読み切り一巻の中にこんなすごい物語がつまっているとは思ってもみなかった。男爵の娘と、ラウリーヌが好きだな…。

  • 楽士として男爵の家に連れられ、そこではいろいろと傷ついた男爵様がおり、主人公もけっこうな人生を送っており、お互いどん底のようで、でも救いがあるラストで。心が洗われます。BLとくくるのは違うし、もっと荘厳な愛

  • まだセリフと話がぎこちない感じでここからの成長がエグいんだなと勝手に想像する。

  • BLは苦手な私も読めました。貴族的なものの考え方まできちんと書き込んであり、なおかつ、悲劇と思わせつつ、そうでもなく。

    男女のものも、恋愛を描くためのご都合主義のものは苦手で、BLに関しても同じ嗜好なんだな、と思う。
    自分の好みを見つめなおす感じです。

  • 壮絶な恋愛遍歴だなぁと思いました。物語も過去にいったり現代に戻ったり。こういった作りの漫画は壁一枚を隔てて描かれているようで面白いです。窓ガラスの向こうの舞台を見ているような気分でした。

  • 悲しい物語で目が潤んだけど、ハッピーエンドで良かった。
    ラストシーンがタイトルにつながるのが素敵。
    印象に残ったのはラウリーヌ。
    読み返して、どのような気持ちで嫁ぎ、花を植えたのかと考えたくなった。

  • 大切な人との幸せを手に入れたと思った瞬間に掌から零れ落ちていってしまうような経験ばかりしている男爵とそれにはもう慣れたという楽師のファルファット。
    人を愛することは喜びだけではなくて、辛く悲しいものでもあるんだよなぁ。
    時代設定を現代へ置き換えてしまうとちょっと大げさ過ぎるような印象もあるけれど、舞台を中世欧州の時代を用いて、「悲劇」をより「悲劇」らしく演出していると思った。
    寡黙なラウリーヌの抱えた様々な想いに思わず涙が…。
    お伽噺風の語り口で締めくくられる物語はじわっと暖かい気持ちが残った。

  • 男爵家に集まった様々な人達の愛しい人との別れの体験が切なく、あまりセンチメンタルになりすぎずに描かれています。私はおとなしそうで胸に熱い情熱を秘めたウラリーヌに惹かれました。愛する人に人殺しと疑われただけで、生きていく価値が無くなってしまうんですね・・・なんて高潔なんだろう・・・

  • BL・・・ではないですね。
    この人の作品は情熱的なところもどことなく静か。
    ラストにほっとさせられてとても後読感がよかった。

  • 東の国と西の国の戦争の時、砂漠で吟遊詩人サウドに拾われたファルハット。西の国のある領主に気に入られ滞在した館でサウドは娘のアイーシャと再会し、ファルハットを置いて出て行く。
    森でであったイザベルと恋に落ちた若き領主ヴィクトール。婚礼の日彼女の遺体が見つかり、その後元々は結婚相手だったその姉ラウリーヌを妻に娶った。ずっと通わなかった心が通った時、一瞬の疑いで悲劇は起きた。そして領主様はファルハットを正式にお抱え楽士にしてくださり、大切な人を次々と亡くし、執事のフランソワの死やサウドの死の知らせに悲しんだ二人は共に身を投げるが助かってしまい、ナタリーという小間使いと結婚して領主様の跡を継ぐことになる。

    楽士の少年と領主様の昔話テイストがステキでちょっと切ないお話。

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著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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