執念谷の物語 (新人物文庫 か 2-1)

  • 新人物往来社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404037091

感想・レビュー・書評

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  • この歴史小説は、群馬県・北海道・鹿児島県の戦国時代や幕末の有名武士を主人公にした短編集です。

  • 短編集。上野(群馬県)と信濃(長野県)の境にある狭隘な山峡を舞台に繰り広げられる物語。北条、上杉の二大勢力に挟まれた小豪族(羽根尾輝幸)の生き様、権謀術数、豪胆さを見事に描ききっている表題作。その作品からは、戦国時代の男の美風がよく伝わってくる。真田昌幸という戦国屈指の謀略家も登場し、物語は急展開。
    この話は歴史上は枝葉部分だけど、こういう地方史によってこそ、時代の雰囲気をつかめるものだと思う。
    海音寺氏がこのようなテーマをどんな史料から見つけてきたのか非常に興味深い。
    表題作の他、小説、史伝が数編おさめられていて、これによって歴史知識を深められる秀逸な作品集です。

  • 室町中期に北海道に進出した「偽」武田信広の話が面白い。中世日本海貿易という視点には目からウロコ。表題の執念谷は話題の八ッ場ダム周辺に割拠していた地侍の抗争の物語。真田昌幸野望の土地はダムに沈むのだろうか。他は将門、西郷など海音寺ファンおなじみの史伝。

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著者プロフィール

(かいおんじ・ちょうごろう)1901~1977。鹿児島県生まれ。國學院大學卒業後に中学校教諭となるが、1929年に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募した「うたかた草紙」が入選、1932年にも「風雲」が入選したことで専業作家となる。1936年「天正女合戦」と「武道伝来記」で直木賞を受賞。戦後は『海と風と虹と』、『天と地と』といった歴史小説と並行して、丹念な史料調査で歴史の真実に迫る史伝の復権にも力を入れ、連作集『武将列伝』、『列藩騒動録』などを発表している。晩年は郷土の英雄の生涯をまとめる大長編史伝『西郷隆盛』に取り組むが、その死で未完となった。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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