マルクスのかじり方

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  • 新日本出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406054645

感想・レビュー・書評

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  • マルクスをもっと読みたくなった

    人へ貢献することがそのまま仕事になる社会の仕組みを作りたいと思った

  •  マルクスは20代、いやそれ以前から社会の矛盾に疑問を持ち、自ら研究を続け社会の段階的変化について唯物史観や弁証法を取り入れることで革命論を構築していった。その過程が簡潔に記されている。
     マルクスをかじり、社会の矛盾を認識するヒントを得て、社会のあるべき姿を思い描き、自分が何をすべきか(何ができるのか)を考え、そして自分なりに行動しよう(行動するきっかけとしよう)。これが本著に込められた著者のメッセージだ。そんな自律した人間づくりをライフワークとする著者の研究者そして教育者としての真摯な姿勢が伝わってくる一冊だ。
     さて、いまさらながら自分もマルクスから学ぶことができるか、マルクスと向き合ってみよう。

  • マルクスかじりたくなった!

  • マルクス思想の成長過程を易しく解説した本。学説については、①世界観、②経済理論、③未来社会論、④改革運動論に大別して解説。また、現代においてマルクスを勉強する意義も語っている。この辺は内田樹、池上彰、佐藤優も同じ主張。「マルクス誰?」、「マルクスってオワコン。ソ連崩壊してるし。」、「経済学と言えば、(新)古典派とケインズでしょ。大学の講義はそれだけだったよ。」という方は是非。因みに、英BBCの「過去1000年間で最も偉大な思想家は誰か(1999)」というアンケートでは、第1位マルクスだったようです。

  • 題材のわりに非常に読みやすく、一気に読み切ってしまった。大学1年生や20代前半を対象としており、マルクスを学ぶことを通じて、大学生活以降の学び・社会貢献に対する姿勢を諭す内容。マルクスについて人物像・思想の概要を簡単に理解することができた。
    マイナス金利・財政破綻・貧富の格差・環境問題等々で資本主義の終焉の現実味が高まっている中、この本を通じてマルクスに興味を持てたので、今後は「資本論」等の専門書についても挑戦してみたいと思う。

    【メモ】
    ○マルクスの楽しい学び方とは?
    ・新日本出版「科学的社会主義の古典選書」をそろえておく。中でも、「資本論」は必読
    ・何を学ぶのか?①社会そのものを知る②社会と自分のかかわり③自分の力に対する、自身と見通し
    ・「すべてを疑え」他人の判断をうのみにせずに学び続ける

    ○なぜ、現代にマルクス論が必要なのか?
    ・マルクス主義(科学的社会主義)
    ・マルクスを学ぶことは、学びに対する広いバックグラウンドを作ることにつながる
    ・世界観、経済理論、未来社会論、革命運動論
    ・唯物論(現実に立ち向かう)と観念論(精神・思想の現実化)
    ・弁証法:社会要素は常に発展していく
    ・資本主義の矛盾(資本の自己増殖)と限界(利潤第一主義)
    ・未来社会論:共産主義の社会は国家が不要になった段階の社会
    ・イギリス産業革命以降の資本主義の産業循環=周期的恐慌

    ○なぜ、マルクスはすごいのか?
    ・資本主義社会を歴史の永遠の存在ではなく、一時的な存在とはっきりととらえている
    ・17歳で自身と社会の幸福を重ね合わせ、29歳で共産党宣言を起草、最終的に資本論を書き残した

  • 大学生に向けた軽いタッチの入門書。マルクスは資本主義の本質を究明し、その全体像を描き出そうとした思想家であることを改めて知った。「問題は現実への解釈を変えることではなく……社会の仕組みを変えること」と、唯物論を解説する一節がとくに印象に残った。

  • マルクスの考え方をわかりやすく解説。

  • 文章は読みやすいけれど、するっと入ってするっと出ていった感じでなんとなく難しいなあという印象が残った。

  • 朝鮮半島に関連して勉強していると、マルクスだとか社会主義だとか共産主義だとか・・・そういった昔の「古典」を知っているのが当たり前という前提で話が進む。
    でも、日本の私たちの時代は大学でマルクスなど読まなかった。
    そこで、読まないといけないけど、難しそうだしなぁ・・・と思い続けていたところで、この本、表紙がめっちゃかわいい。ヒゲもじゃのマルクス。本の中にもちょいちょい登場して一言つぶやくマルクス。そんな「手に取りやすさ」だけで購入した本。

    この本は、マルクスを読むための・・・ほんの、触りの触り。
    どういった内容がありますよ、という紹介程度の内容だ。
    大学に入ったばかりの学生を対象にしたシラバス程度のものだが、その分分かりやすく、マルクスの「学び方」を少し知ることができる。
    この本を読むことで「理解できる」内容は多くないが、興味を持たせるという意味ではいい本だろう。

    私もこれを読んで、大学生のように気分も新たになったが、さて、教師もいない社会人の私がどうやってマルクスを読もう。これから試行錯誤してみようか。

  • 以前に読んだ、この本の著者と内田樹氏の共著である
    『若者よマルクスを読もう』よりももっと
    初心者向けで読みやすいと思います。ただし
    マルクスの生き方。世界観(唯物論・弁証法・
    社会の見方)経済理論(資本主義の運動法則・矛盾)
    未来社会論(利潤・過渡期と漸進的改革・国家不要)
    革命運動論(多数者革命論・段階的変革論)
    現在にあてはめて考える。学ぶとはといろいろ
    根幹的な問題がいろいろ提起されている内容だと
    思います。
    この本に紹介されている、いろいろな入門書を
    読みながら『資本論』が最終的には読めたらいいな
    と思います。

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著者プロフィール

石川 康宏(いしかわ やすひろ)
北海道札幌市出身。西宮市在住。著書に『覇権なき世界を求めて』(新日本出版社)、共著『若者よ、マルクスを読もう』(かもがわ出版)他。神戸女学院大学名誉教授(2022年4 月より)。

「2022年 『先住民族アイヌを学ぶ  』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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