よしこがもえた

  • 新日本出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406055819

作品紹介・あらすじ

1945年7月3日の夜、姫路空襲のさ中、6歳の姉の手からもぎとられて3歳のよしこは炎の中に消えていった。

感想・レビュー・書評

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  • 空襲で妹が亡くなったお話。
    日記のように綴られた文章で
    戦時中の一コマが語られている。
    色版画のような絵が
    ぼんやりとオブラートをかけてくれているので
    自分の頭の中で想像を膨らまして
    考えることが出来る。

  • 食べるものがなくて、家の前を通る積荷からこぼれ落ちたお米を1粒ずつ集めるかわいいよしこ。
    町のあちこちには防空壕が掘られている。
    空襲の日、お母さんは赤ちゃんを産んで、父さんはお母さんを台車に乗せて逃げた。
    姉妹がおばあさんと逃げるが、はぐれてしまい、どこかのおばさんが防空頭巾を水に濡らして頭に被せてくれる。
    焼夷弾が落ちてよしこに燃え移る。
    よしこが空き缶のように転がる。
    お母さんを非難させて、お父さんが戻って来て、よしこを防空壕に運んでくれる。
    皮が剥けて痛々しい。
    よしこは呟いたまま死んでしまう。
    防空壕の中では他の人たちも泣いていた。
    たくさんの死者が火葬され、よしこも火葬された。
    戦争は終わったけれど、あの日、たくさんのよしこが死んでいったのだろう。

    タイトルだけは聞いたことがある。
    昔からある絵本だと思っていたけれど、意外にも2012年の出版。
    昔にも出ていたりするのだろうか。

    絵はリアルではないので、怖さは感じない。
    タイトル通り淡々とした描写であまり感情移入せずに事実として読める。

  •  姫路。1945年7月3日。妹のよしこさんは、当時3歳。

  • 1945年7月3日 姫路空襲
    空襲の悲惨な夜が克明にしるされていて、はっきりよくわかる。
    戦争になると、こんなひどいことがおこる。
    2012新刊 購入しました。

  • 戦争の恐ろしさを(本を読むという)「追体験」によって伝えていくという考え方を初めて知った。確かにそれによってしか伝わらないものなのかもしれない…。

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著者プロフィール

1939年、神戸市に生まれる。神戸市在住。1961年から2004年まで高校の国語教師。「イリプス」同人。「時刻表」編集発行。詩集に『ヨシコが燃えた』『神戸・一月十七日未明』『ユンボの爪』『地図を往く』『立ちあがる海』『水嵐』『水よ一緒に暮らしましょう』『学校』(小野十三郎賞)『女生徒』『現代詩文庫239巻たかとう匡子詩集』など。
エッセイ集に『竹内浩三をめぐる旅』『地べたから視る―神戸下町の詩人林喜芳』『神戸ノート』『私の女性詩人ノート』『私の女性詩人ノートⅡ』(日本詩人クラブ詩界賞)、絵本に『よしこがもえた』などがある。

「2020年 『耳凪ぎ目凪ぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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