- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408403168
感想・レビュー・書評
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芥川賞作家、開高健氏と30年来の交流があった筆者が開高健氏と食べ歩いた店とそのときの思い出をつづったエッセイです。出された料理も美味しそうでしたが、彼の食べっぷりと合間にはさまれる薀蓄がすごい。
その死後からも読者を増やし続ける貴台の文章家にして食に関しても旺盛に呑みかつ喰らい、大量の文章を残した開高健と30年以上の親交があった著者が、グルメ文豪の豪快な食べっぷりを生き生きと書くというもので、すきっ腹のときに読むと自分の胃袋がきゅうっと縮んでいくのを感じました。
中華料理店でビールを片手に餃子に焼きそば、レバニラ炒めを一度に何人前も頼み、豪快にそれを胃袋に流し込んでは、タンメンで〆る。そんな豪快な展開に打ちのめされてからは、カキの塩辛。オムライスにハヤシライスのソースをかけて食べる彼独特の食べ方。関東と関西の名店で食べるおでんの違い。チャンコ鍋に舌鼓を打ち、ある焼きトン屋ではナンコツを塩だけでひたすら食べ続ける開高健。その旺盛な食欲に圧倒されながらも合間合間に開陳される薀蓄の数々…。
僕は開高健の文学をあまり読んだことはありませんが、貪欲なまでに食と知識を自分の身の裡に蓄え続けた作家だったんだな、ということは読んでいて良くわかりました。膨大な開高作品のうち、小説よりもベトナム戦争に従軍したときのルポルタージュなどに興味があるので、マズはそちらから、彼の作品を読んでみたいなと、そんなことを考えております。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙を見ると「オーパ!」の裏話でも載っているのかと思うが、中味は開高健がどれだけ食いしん坊だったかというエピソード集。それにしても食べ過ぎ。
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よく食べる人だなあ。こんな人といちど食事をしたかったな。
しかし中身は何とも昭和。
それがいいんだけど。