銀盤のトレース

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535678

感想・レビュー・書評

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  • 娘の読書用に借りてきてあげた本を先読み。そして完読。
    子供の可能性とか、努力とか、指導のスタイルとか、親目線で読んでいる自分がいました。
    子供向けを意識してるのだろう、人間関係の描写などに鋭く深い踏み込みをしないように、程良い所で留置いてる気がした。普段読んでるような小説なら、もっと掘り下げているだろうなと。これは、悪い意味ではなく、児童文学の範疇を守ってる良作のような感じをうけます。
    フィギュアスケートの「動」の描写もわかりやすく、すこぶる爽快でした。
    小4の娘には想い描けるのかちょっと心配。

  • フィギアスケートを軸にした少女の成長物語。
    朱里の親はそう熱心でないのだが、良いタイミングで指導者に遭えてぐんぐん伸びる。
    何事も基本が大事。

  • おもしろい‼
    宮下奈都さんがエッセイ中でおすすめされてたので、初めて手にとった作家さん(紹介されてたのは違う本だけど)。
    おもしろくて一気に読み切りました!

    フィギュアスケートをTV観戦するのは大好きなので、作中の数々のカタカナ用語も無理なく読めました^ ^ こうやってスケートを習ってステップアップしていくんだなぁと、その仕組みが分かって、スケートを理解するためにも適した一冊だと思います。
    勝ち残るアスリートの資質・姿勢というものも描かれていました。

    他の著書一覧をみる限り、決してスポーツ界を専門にされているのではない様子…。
    興味深いです。

  • 朱里のまっすぐさや強さに惹かれます。
    姉・瑠璃を始めとした家族も丁寧に描写されているなと感じました。

  • フィギュアスケートに打ち込む主人公を描いた青春もの。
    名古屋が舞台なので、地名も身近で面白い。作者も名古屋出身だそうで、違和感ない名古屋弁のセリフにも納得。

  • 面白かった。
    続きがあるらしいので是非読みたい。

  • (No.11-90) フィギュアスケート小説です。

    紹介文をオビから転載します。
    『名古屋でフィギュアスケートに打ち込む小6の竹中朱里。だが、レッスン費用がかさむスケートをやめさせたい両親に「バッジテストで5級に受かるか、県大会で3位以内に入らない場合はクラブを辞める」という条件を出される。
    バッジテストに落ち県大会でも大きなミスをし、絶体絶命の朱里にスケート連盟からある提案がなされて・・・・。

    夢はトリプル・アクセル!氷上の妖精にあこがれ、熾烈な競争をくぐりぬけていく少女たちの日々を活写。
    フィギュア王国・愛知県を舞台に描く、書き下ろし青春小説。
    綿密な取材に基づく、リアルなフィギュアスケート小説ここに誕生!』

    そもそもレッスン費用がかかることが分かっていて、なぜこの両親は娘にフィギュアスケートを習わせたのか?これが上手く説明できているので、違和感なくこの小説に入り込めました。

    最近の、子供が出てくる小説では、イジメとか虐待とか家庭不和とかが底に流れることが多くて、話に感動しても辛い気持ちになることがあります。この小説にはそういうことは出てきません。
    友達との喧嘩、両親やきょうだいとの言い争い、などもありましたが、元々はとても普通の仲の良い家庭です。父方、母方、それぞれの祖父母とも良好な関係で、こういうのっていいよね~と嬉しくなりました。

    朱里には瑠璃というお姉さんがいます。元々瑠璃がスケートをやっていて朱里も習い始めたのですが、二人にレッスンを受けさせていることが、家庭にとって大変だということが分かって、瑠璃は自分から才能に見切りをつけて辞めたのです。
    誰が強制したのでもないのですが、母はこのことをとても気にしています。二人の娘を平等に扱いたいので、朱里に甘くは出来ないと思っているのです。
    瑠璃の微妙な気持ちも描かれていて、そのあたりは読み応えがあります。

    以前は別々に住んでいたのですが、父親の転勤で父方の祖父母と同居する時に、子育てについては両親に任せる、お金も口も出さないと決めました。少しはゆとりがある祖父母ですが、その取り決めは守っています。でもここぞ!という時には、「そのくらいやらせて欲しい」と両親を説得するおばあちゃん。勝手にやらずに、おばあちゃんにとってはお嫁さんである朱里のお母さんが納得してから、というのがいいなと思いました。
    それは別に住んでいる母方の祖父母も同じです。何か特別に援助したい時には、まず両親を説得します。
    両方の祖父母とも援助したいポイントは他人が絡んできたとき。普通の競技会では、衣装がしょぼくても口出ししないんですが、特別に演技会に出させてもらうことになった時には「孫娘に素敵な衣装を着せたい!」とおばあちゃんは頑張ります。
    ブレードを譲ってくれた人がいて靴が必要になった時、もう少し待たせようとする両親に対し、「せっかく下さったのにすぐに作らないなんて失礼だ」と主張するおじいちゃん。
    このあたりリアルだわ~。他人が絡んでくると、「やっぱりうちの孫は」と自慢したくなるのよ祖父母は。

    クラブの仲間の様子、先生たちの教え方、他のお母さんの態度、すごく臨場感があって知り合いから話を聞かせてもらってるようでした。
    努力できるのも才能、朱里ちゃんを応援したいな。

    とっても面白かったです。

  • 名古屋が舞台のフィギアスケートの話。プロローグではフィギアスケートをするきっかけから話は始まり、第一章はその2年後。県大会で3位までに入らなければフィギアスケートを辞めなければいけない。才能もあり、努力型の主人公です。技だけではなく、精神面も成長していく物語です。トップアスリートになれるのはほんの一握りでなれない人の方がほとんどで、分かってはいてもなれない人(クラブメイトの譲や珠紀)の方に思い入れてみたり。主人公の地道な練習や突き進んでいく強さ、そして試合ではなくとも最高の演技が出来る事に感動を覚えました。普段はしないのですが、初めにざっと内容を確認してからもう一度読みました。それだけ引き付けられたのかな??この続編書いてくれないかなぁ。

  • 朱里はフィギュアスケートを始めてから、まだ2年ちょっとだけれども覚えが早く、
    ダブルアクセルを得意としている。
    しかし、6年生になって成績が落ちたので、母親から
    「今度の大会で3位以内に入れなければスケートをやめる」という約束をさせられていた。
    上達していくのが楽しくて、親友の彩音ちゃんにも追いつきたくて、
    フィギュアスケートが大好きなので、絶対に負けるわけにはいかなかった。

    ジュニアに上がる前の少女たちの様子がわかります。
    真央選手もこうして育ってきたのね。

  • 面白かった。4年に一度流行のフィギュアの疑問にも答えてくれたし、ストーリー自体も良かった。今年読んだ中では一番。

著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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